多紀アルプス (御嶽、西ヶ嶽、小金ヶ嶽)
小金ヶ嶽より御嶽を望む

小金ヶ嶽より望む御嶽
◆【山行日時】 2001年11月4日  くもりのち時々晴れ
◆【コース・タイム】

篠山市・火打わんバス停=17分=尾根=12分=鳥居堂跡=10分=水のみ場=15分=展望岩=10分=御嶽山頂

=31分=西ヶ嶽山頂=35分=御嶽山頂=20分=大たわ(山偏に定)

=35分=小金ヶ嶽=15分=大たわ分岐=35分=鍔市つばいち自然公園<=約5分=>火打岩バス停

<>はヒッチハイクによる

◆【正味歩行時間】 3時間55分

◆【詳細】
篠山市・火打岩、御嶽道より御嶽、西ヶ嶽。
大たわへ下り、小金ヶ嶽へ。小金ヶ嶽から小金道を小金口へ戻る予定が・・・。

火打岩で農作業の人に御嶽道の登山口を確認の上、火打岩・バス停に駐車。少し先(奥)、ちょっと不安な気持ちのまま小さな標識に従い民家脇まで行ってみると確かに登山案内の張り紙。しっかりした踏み跡もあり一安心。
火打岩バス停 塀の左、民家との間を奥へと入る
バス停から御嶽を仰ぐ 登山口
あぜ道を抜け、しばらく植林帯の中を急登する。足元はコンクリート製丸太造りの階段状のもので、少々歩き辛いがしばらく辛抱しよう。

やがて階段は終わり、周りも雑木となる。登山路脇のササが目につきだすと、尾根に出てもう一本の御嶽道と合流する。
この道は火打岩までの道中にある、本登山口と同じ『御嶽道』標識のところより上って来たものだ。

ここから『水のみ場』(現在、水場があるかどうかは不明)までほとんど平坦な道が続く。
「ここはホンマに山の中?」
何の文句もないが、
「もう少し展望があれば・・」(実は文句あり)

と言うのも、『鳥居堂跡』でわずかに御嶽山頂を望めるが、あとは雑木が繁り、時折西側が開けたり東側の木々の間から小金ヶ嶽方面が見える程度だ。
「なかなか上手く行かないもんだ」

『水のみ場』で登山路をもう一本合わせ左折すると、ようやくらしくなる。

『大岳寺跡』を過ぎると次第に登山路に岩が現れ、グングン高度を稼ぐ。後ろを振り返るといつしか展望が広がっていることに気付くだろう。

やがて現れる露岩の上に立つと、今辿ってきた尾根はもとより篠山盆地、北摂の山々や彼方に六甲連山。また、西には西ヶ嶽が大きい。
尾根 西ヶ嶽
露岩上から火打岩集落と
辿ってきた尾根を俯瞰
西ヶ嶽
もう少し上部には小金ヶ嶽方面を東望出来る露岩があり、そこを過ぎると山頂はもうすぐだ。

スギ、ヒノキの植林帯の中を短く急登すると、立派ながらどうみてもそうは見えない『避難小屋』があり、ほんの少しで立派な石室のある稜線に出る。左へ進めば御嶽山頂だ。
御嶽山頂、展望はほとんど無いと言える
御嶽山頂
広めの山頂だが西側に大きな鉄塔と付随の建造物。雑木があることもあり眺望はあまり良くない。
それでも南面は開け六甲方面はよく見える。

ここにはあまり長居せず、西ヶ嶽へ向かおう。

いきなりすごい急な下り坂で、
「今登ってきたばかりやのにな〜」
と、何とも惜しい。スリップに注意しながらグングン下る。

その後、大小、何度かアップダウンすると北側、栗柄からの登山道分岐。

さらに何度か急な下降、登高を繰り返すと、ようやく西ヶ嶽山頂に着く。
西ヶ嶽より西望 西ヶ嶽より御嶽
西ヶ嶽山頂より西望 御嶽を望む
御嶽山頂に比べると、こじんまりしているものの眺望はかなり良い。

つい先ほどまで居た御嶽が東に聳え、南を見れば篠山盆地の向こうに北摂の山々。

その奥には六甲連山が横たわり、右(西)へ須磨アルプス、淡路島へと山影はつづく。
明石市付近の海岸線も確認でき、播磨灘もキラキラと輝く。
中でも少し低いながら三国岳と弥十郎ヶ嶽の奥、特徴ある大船山の三角の頂が印象的だ。
南、遠く六甲連山 西、西多紀アルプス
南望 西望
西に目をやると三尾山や遠く笠形山から千ガ峰、三国岳の稜線。さらに彼方、須留ガ峰の向こうに氷ノ山(?)。
妙見山や粟鹿山も見える。北から東にかけて丹波高地の山々も見えるが、こちらは知識不足のため同定不能。

ゆっくりしたら御嶽に戻ろう。
往路と同じく急なアップダウンを何回か繰り返しながら進むと、徐々に御嶽が近くなる。最後に急坂を上り切ると御嶽山頂。
御嶽道分岐の東、石室の先に展望が開ける場所があるので、ここでのんびりするのがいいかもしれない。

あとは大たわへ向けて下るのみ。

雑木の間の下山路を緩やかに下って行くと小さな広場があり、車道や東、小金ヶ嶽方面を望めるところまで来ると一転、ロープもある急な下りとなる。しばらくコンクリート製丸太造りの道を急降下する。
やがて広い駐車場やトイレのある大たわだ。

時間も少し遅く、陽も西に傾いているので小休止の後、早々に小金ヶ嶽へ出発。

植林帯の上りは既に薄暗い。尾根に出る頃には辺りは雑木林となり
「明るくなって、よかった」
と思ったのも束の間、丸太の急登だ。

落ち葉を踏みしめ一歩ずつ噛みしめるように登る。

やがて岩場が現れると本コース核心部。しばらく緊張の岩稜歩き。
小金ヶ嶽
小金ヶ嶽への岩稜帯
ロープや鎖もあるので何もビビることはない。三点支持を守ればロープや鎖がなくてもいいくらいだ。
「もう終わり?」
と思い掛けると、ほどなく小金ヶ嶽山頂に着く。
八ヶ尾山 小金ヶ嶽より御嶽を望む
小金ヶ嶽から八ヶ尾山(左画像)と大きな御嶽
山頂からの眺望は今日の三つのピークの内では最も良く、特に西の御嶽が大きい。その左右遠くに、笠形山や須留ガ峰。
東に目を転じれば八ヶ尾山へと続く稜線と、その向こうには京都南部の山々が広がっている。
(南は、ほとんど無し)

最後の展望を楽しんだら下山にかかろう。

一人っきりだった事もありちょっとゆっくりしすぎただろうか。
南面を下山しているにもかかわらず常緑樹帯の中では既にかなり暗く、急坂で細心の注意を要することとも相まって少し焦ってしまう。

コルに出ると急坂も終わり分岐点の標識をよーく確認の上、小金口方面へ。

ところが、間もなくこんなことを思ってしまう。
「心なしか道が細くなったような・・・」
「でも、所どころ赤テープがあるので助かるなー」
しばらくはこんなことを考えながら進んでいた。

「コンパスを見ると、どうも東へ東へと向かっているような気がしないでもないけど・・・、ホンマはもっと南に向けて下らなアカンの違うかな〜?」
「大丈夫、足跡はあるしまだ赤テープもある」

自分に言い聞かせながら進む。

しかし、やがて立ち止まらなければならない場所に行き着いてしまった。

左手に大きな窪地があり、右手に真新しい鹿よけネットを施してあるところだ。先ほどまであった赤テープはいつしか見当たらなくなってしまった。

わずかな足跡を頼りに下って行くと、石を積み上げた炭焼き窯跡に出たので、少し気持ちは落ち着いた。
「かつてここまで人が来ていた証拠だ」

さらに下ると、ようやく沢音も聞こえてきた。

ところが、足跡は細くなるばかりで最後は沢へと消えている。
「とすると・・・、頼りにして来た足跡は鹿の踏み跡?」
「鹿の足跡を人の足跡と思って下りてきたんだ」

「この際,、何でもええワ」
さすがに車道や人家(実際は休憩所)の屋根が見えたときにはホッとした。

「鹿はこうやって水場へ来るんだ」
鹿が沢へ水を呑みに行くが如く竹やぶをかき分けた。

「よかった」
何とか休憩所裏に出て、鹿から人間に戻れた。

そこは小金口とは尾根の全く反対側(東)、鍔市ダム上流、鍔市自然公園だった。

不幸中の幸い。
ここには有名な水汲み場があり、次々に水を汲みにやってくる。

その内の一人の方が事情を察し、何と駐車地点、火打岩バス停まで送って下さった。
歩いても2、30分程度の道のりだが、その気持ちが有り難く心に染みた。



◆【ワン・ポイント・アドバイス】
御嶽へは大たわからのコースで登れば距離も短く時間的にも最短だが、階段状の急傾斜を登らなければならない。

西ヶ嶽〜御嶽〜大たわ間のアップダウンは総じて急傾斜のためスリップ注意。

一方、大たわ〜小金ヶ嶽間の岩場は慎重に通過しよう。

小金道については山頂直下、コルまでは急傾斜。その後ミス・コースの為、後半部分、小金口までの詳細不明。

大たわには、車道を少し南へ下ったところに水場あり。

白髪岳、松尾山のコース・データを見る
◆【画像一覧はこちら


丹波の山へ]  [播磨の山へ]  [但馬の山へ 

G A L L E R Y | 山のアルバム | 兵庫の山TOPへ