33年前の迷艇は、蘇るのでしょうか? 平成25年1月5日
さて、昨年の11月に縁があり、譲り受けましたNORA21のレストア奮戦記をサイトアップさせて戴きます。
お時間があられる方は、覗いて見てください。
第1話(そもそもの話)
昨年9月頃、友人の同業者から、タダ同然で乗れるヨット(25feet)位のヨットがないものかとの問い合わせに、在るかもしれないが、
多分、タダ同然(格安)であったら普通に乗れるようになるまでに、レストア(修理)費用が非常にかかるようになると返答しました。
これが、ぬかるみの世界に入るきっかけとなりました。
その後、また、連絡があり、同業の方がお客さんは自分で修理する方なので、基本的に船体に異常がなく、マスト、ブーム、セール
があれば、エンジンは不動でもかまわないということで、知り合いの古いヨットの情報を良く知るヨット乗りのMさんに連絡し、
伺った御話を電話にてさせて戴きました。
それから1週間程して電話にて(丁度よいのがあるで〜と)連絡をもらい泊地の方まで見に行きました。
赤いキャナル24のスループでした。 筏を伝って艇に渡り、写真を撮り見学させて戴きました。外装及び船内は、経年もあり傷んでおりますが、
エンジンもヤンマーのディーゼルエンジンが搭載され、レストアをするには、しがいがありそうな艇でした。
容は喫水より上部が、丸みを帯びた逆オーバーハングの外洋むけの艇に見えました。
見学させて戴いた帰りにお電話すると、もう1隻小さなヨットがあるで〜 と言う事で同じ泊地内にNORA21がありました。 ただ、外観を見ただけで余にも小さく見え、ディンギーの様な艇で、多分船外機艇であろうと思い興味が湧かず、
筏を伝って艇に渡る事もなしにその場で写真を3枚だけ撮り、泊地を後にしました。 ノラ21
初めてみた時のノラ21 (出たな妖怪!)
第2話(その後の話)
その後、私の友人で一緒によく廻航をする船長(5級海技士、広島出身)の方が、神戸に保船管理の仕事で長期滞在をされていたので、小さいけど面白い艇が売り物に出ているから、乗ってかえらへんか〜と尋ねた所、1度見にいこうか〜と言う話になり、十月初旬の日曜日に私のモーターセーラーで見学に行きました。モーターセーラーを艇の横に着け、コクピットに乗船。先ず驚いた事は、スロットルレバーが在り、ヤンマーのパネルが付いていた事です。ただ、挿し板は、鍵は繋っているがボロボロ船底はフジツボ及び牡蛎の養殖場のごとく、コテコテであります。とりあえず鍵を開けて船内に入ろうとスライドハッチを空けると私物及び廃棄物のてんこ盛りでありました。
短い時間で、確認をします。セールの枚数、バッテリーの状況、装備品、エンジンの状態(見るだけ、バッテリーが使用不能でエンジンは、懸からない。)また、長期放置艇の場合、燃料が悪くなっている場合が大方なので、エンジンはかけない方がよい。
エンジンもエンジンルームのハッチを開け確認すると多分懸かりそうにないエンジンに思えました。
ただ、クッション及びギャレーまわりは、掃除をすると綺麗になるかな〜と思い、船長に、どう、船底整備して、乗って帰らへんか〜?
と尋ねたところ、今回は、遠慮させて戴きます。との心地よい返事が返って来ました。船長も修理の予算を30万円位見ていたようですが、
初め船外機であると伝えていたせいもあり、ディーゼル(1GM)の修理費用および船底整備、他諸々の整備費用を合わせると
予算オーバーになると踏んだようです。とりあえず、ノラ21のお話を頂いたヨット倶楽部のG氏に電話にて御礼を言い、ホームポートの須磨YHに戻りました。艇を見学した後で、お礼を申し上げようと思っていたのですが、サントピアマリーナに於いて行われる
WOODENのヨットレースの為廻航に向かわれたようで、お会いする事が出来ず、電話で失礼しました。
船内メインサロン 撮影2012−10/31 撮影の為整理しました。 撮影2012-11/7
ヤンマー!GMエンジン 撮影2012−10/31 ギャレー 撮影2012−10/31
スターン バース 撮影2012−11/7 割れたハッチ 撮影2012−11/7
第3話(その後の話2)
広島の船長から心地よい二つ返事のお断りを頂いて、そんなもんかな〜^と言う感じで、その後を過ごしておりましたが、
何かNORA21が呼んでいるような気がしました。
(ヨットが俺を呼んでいる? ずいぶん古い日活映画で霧笛が俺をよんでいる〜。では有りませんが)
そうこうしている間に、むくむくとレストアして、エンジンを載せ換え、ハッチを採光性が良いリューマーに変更し及びオープンポートに付け替えたら、明るく格好も良く風通しも良くなるんじゃないかと思い始めました。
また、船体色もグリーンでと言う具合にむくむくとレストアのイメージが湧いてきます。
どうにもこうにもレストアしたくなって来たので、友人に相談し、予算を組んで折半で修理する事に決定しました。
寒い時期も通り過ぎ、もう春が来てしまいました。さてさて、あれから色々とありまして、続きのお話が遅くなりました。
とりあえず、Nora21を持って帰ってくる所から始めます。
第4話(明石からの廻航)
平成24年11月16日ホームポートの須磨YHより明石港にあるNORA21を曳航に出かけました。
友人のボートオーナーの方に相談したら、快く遊びがてら明石から曳航してあげる。と言う事で、明石まで、
ミニクルーズと言う事になりました。午後12:00に須磨YHを出発し、PM14;00に明石港に入り、須磨YHには、
PM16;00頃入港しました。行きは、2時間(逆潮)帰りは曳航しても1時間20分位でした。
但し午前中に曳航の準備の為のロープ、フジツボ落とし等の作業がありました。
お礼
ここで、場所をお借りして、雅苑酒家のパオさんにお礼申し上げます。
雅苑酒家は、神戸南京街本店、ハーバーランドオーシャン店、神戸熊内店、西宮店とあり
リーズナブルな価格で、美味しい中華料理を出してくださる本格的中華レストランです。
特に私が気に入って美味しく思うのは、前菜のお料理で、白魚を素揚げし、飴のシロップで和えたものです。
ビールがすすみます。
また、本格中華の1品も美味しく、ぜひ1度お出かけ下さい。
コース料理も¥3,000.−からありますし、お昼は、ミニコース料理も非常に美味しく戴けます。
本店 TEL:078−331−8828 神戸メリケンパークオーシャン店 TEL:078−325−1055
熊内店 TEL:078-222−5329 西宮店 TEL:0798−36−5517
第5話(掃除)、
まあ、とりあえず曳航し持ち帰った艇の状況の写真をご覧下さい。
持ち帰った直後のNORA21 撮影2012−11/18
ビルジ溜まりにあった塩の塊 掃除したビルジ溜まり
掃除には、2日掛かりました。船内の経年による私物の量は半端ではなく、埃もびっしりでした。
ゴミもたくさんでました。
第6話(エンジンベッドの製作及びヤンマー2GMのヘッドオーバーホール)
とりあえず11月中に作業しようと思ったのは、エンジンベッドの製作及び中古で購入したヤンマー2GMの
ヘッドオーバーホールです。
エンジンベッドを製作するに辺り、現在搭載している不動のヤンマー1GMのエンジンを下ろさなければいけません。
エンジンベッドに固定している10mmのナットを8箇所取り外し、スロットルケーブル、ギアケースのケーブル、スターターモーター
に接続された(+)の配線、ギアケースからのアース配線(−)カップリングで接続された配線ケーブル2箇所、燃料カットのハーネス
燃料ライン及び戻りの燃料ライン、SEAウォーターポンプのライン、ミキシングエルボーからの排気ホース等々です。
そして1番大事なのが、エンジンのギアケースと繋がっているシャフトカップリングです。
このシャフトカップリングを外すのは、非常に難儀しました。
作業スペースがなく、片手しか入りません。場所は、左右のクウォータバースの横に点検口が在りますが、コクピットの床との
20cm位の隙間で片手(左右の一方しか入らない)しか入りません。片手で、17oのナットを外しカップリングを取り外しました。
(この問題は、後にコクピット床に点検ハッチを製作し、問題を解決しました。)
エンジンを吊り上げるのにヤマハ藤田さんのフォークリフトに来てもらい、チェーンブロックにて吊り上げました。
吊り上げる時にコンパニオンウエー下の2段ある小物入れの下段を切除しなければならず、往生しました。
代金吊り上げ料¥3,000
作業時間は、約4時間です 物入れの切除に2時間
。
(エンジンベッドの製作
当初より搭載エンジンのヤンマー1GMの調子が悪そうだったので、躊躇なくヤンマー2GMに乗せ換えるつもりでした。
丁度、ヤンマー2GMの出物があったので、陸上試運転をした後に現状有姿にて購入しました。とりあえずヘッド及びウォーターライン
は、オーバーホールしようと思い、部品を注文し、及びオーバーホールの準備をしました。
その前に、エンジンベッドを製作しないといけないので、エンジンの寸法をり、エンジンベッド延長し、エンジンベッドケースの図面を書き
材料を購入 鉄工所で溶接をお願いしました。
エンジンベッドの角度はそのままで、12cm延長しました。 固めの心材を積層してエンジンベッドを作りました。
基本的にヤンマー1GMと2GMのギアケースのカップリングの設置位置はほとんど寸法に変わりなく
何度も計測したが、防振ゴムを設置するエンジンマウントケースを設置すれば簡単に設置できると考えた。
心材を仮置きした所 マット、クロス、ロービングクロスをカット
FRP積層風景1 FRP積層風景2
仮に置いたエンジンベッドケース エンジンベッドケースの装着
(エンジンへッドのオーヴァーホール
この仕事は、11月中旬より11月末にかけて行いました。
先ず、エンジンのヘッドカバーを外し、ヘッド固定のボルトを外します。ヘッドが傷つかない様に、そっとガスケットの間よりバールを
入れゆっくり外します。
、
ヘッドを外した直後 バルブ等の付属品を分解
エンジンヘッド エンジン本体側のガスケット及びピストン上部のカーボンの除去
バルブも吸排気供に新品に交換しました。 サーモスタットも新品に交換です。
ウォーターポンプよりヘッドへのウォーターラインの清掃 エンジンヘッド噴射ノズルのオーバーホール
ヘッドも綺麗になりました。 ギアOILの交換
ヘッドを外したら、ヘッドに溜まったカーボンを除去し、綺麗に掃除します。バルブスプリングテンショナーを使い、バルブの交換をします。バルブは吸気、排気供に新しいバルブに入れ替えました。また、オイルシールも同様に、入れ替えを行いました。
バルブコンパウンドで、バルブの面を研磨し、すり合わせを行います。
すり合わせの後バルブを合わせて計測します。バルブは、非常に大事な所で、圧縮が落ちエンジンがかからない場合があるそうです。
エンジンヘッド及びエンジン側のウォータージャケット(冷却水路)を掃除します。これが結構、手のかかる作業で、水路以外のところにゴミが入らないように目張りし、エアー及びブラシで掃除します。これが大変でした。
エンジン側のシリンダーの内面は、非常にきれいで、安心しました。
(ジンク交換及びウォーターポンプオーバーホールインペラ交換)フューエルフィルターのオーバーホール
フューエルフィルターケースオーバーホール 錆の出ているパーツjは、研磨しヤンマー純正スプレーで塗装
ウォーターポンプのオーバーホール ジンク交換 2箇所
メカシール及びインペラ交換
とりあえずエンジンを組み直し12月3日に完成し、エンジンの陸上試運転を行いました。
(第1回目上架作業 平成24年12月7日より12月13日)
いよいよ上架します。須磨YHの管理事務所で上架の手続きを行い、1週間分の整備ヤード使用料と上下架料合わせて
17,960円を支払い、朝9時30分より上架しました。
ノラ21は、エンジンも下ろし、推進力がないので、前日の6日にセールをチェックし、風の具合を見、ヘッドセールを張り係留
バースよりクレーン桟橋まで、帆走です。ちなみにディンギーの様な感じでうまく上架クレーン桟橋に着きました。
(やることてんこ盛り)
上架する前は、エンジンを載せ換え、ハルカラーをグリーンに塗装し、船底を塗り、ジンクを交換しと欲張りな事を考えておりました。
とりあえず上架した時の写真をご覧下さい。
こてこての養殖場になってました。
まあ、上記の写真を見てお解かりのように船底はフジツボ、牡蠣の養殖場で、14年無事浮いていたな〜との感想です。
また、須磨YHに持ってきてから解ったのですが、ガジョンのスケグ側ピンが電蝕で、朽ち果てており残骸が、スケグに残っておりました。
後で、別のノラ21も確認しましたが、同様の現象が起こっておりました。
(あちゃ〜1)
塗装はできない。
上架して改めて解ったのですが、塗装はできません。
なぜならば、須磨ヨットハーバーの船台はV船台でハル部分とオーバーラップする部分があり、ハル部分に吹きつけ塗装は無理なようです。また、初めて解ったのですが、NORA21は、キールが船体と1体成型で、キール部分にバラストのリードを注入している様です。
上記の事から、今回は、キールを接地せずV船台のベルトによって上架船台に設置しました。
(あちゃ〜2)
スタンチューブをオーバーホールしようと思いスタンチューブを抜こうとしましたが、外れません!
とりあえずシャフトと一緒に外し作業ができるスペースで作業しようと思い、プロペラをプーリー抜きを使用して外し、丁度エンジンを
下ろしているので、船内側に抜きました。まあ、下記の写真を見てください。
船内に抜いたシャフトアッセン プロペラ及びシャフトアッセン
びくともしないスタンチューブ げんのうで緩衝材を入れど突き倒して少し動いた。
バーナーで注意してあぶり、やっとのことで外れました。 スタンチューブ研磨オーバーホール
スカスカのグランドパッキン油分なし カップリングの留めネジの製作
シャフトアッセンを外し、スタンチューブ、カップリングをオーバーホールしようと思いスタンチューブを外そうとおもいますが、
外れません。セオリー通りスタンチューブのグランドパッキンを抜き取り、潤滑剤を挿入してプロペラ側にげんのうで緩衝材を入れ
ど突き倒しましたが、固着して動きません。最後の手段で、バーナーで炙りながらげんのうで、少しずつどついたら動きました。
今、改めて思いますが稼動部分は、時々動かすのが機械にとって良いと思います。
カップリングの方は、留めネジを外しました。これも、たいがい往生しました。固着して動きません。バーナーで炙り潤滑剤を入れ
マイナスのドライバーでは歯が立たずバイスクリッププライヤーで挟み込み回して外しました。
なんで、6角ボルトを使わないのかと、不思議に思いました。ステンの6角ボルトで作り直しました。
その後、カップリングをシャフトから分離しようと悪戦苦闘が続きます。今回に上架では、カップリングの異型ナット
がどんな事をしても外れず、そのまま使う事にしました。
新しくソケットレンチに溶接して作った異型ナットを外すレンチ
上架した当日は、船底のフジツボ牡蠣落としで船体もユーゲルクリーンと言う研磨剤入り洗剤で水洗いしました。
船体の塗装が出来なければ、船底塗料も塗れないな〜と思い、今回は、エンジンのインストールとシャフトアッセン
及びプロペラの研磨、塗装をする事に決め、工事を始めました。
(エンジンの積みこみ)
とりあえず、仕上がったエンジンを積み込む用意をし、須磨YHの作業業者のヤマハFさんの所にクレーン作業をお願いしました。
オーバーホールしたシャフトアッセンを装着し、スタンチューブのゴムブーツを船体側のシャフトホールに固定しました。
何故かシャフトを回すとゴムブーツが動いてしまい、これでは海水が浸入する事になるだろうと思いブーツ側のホースバンドを増やし
何とか供に廻るのは解消することが出来ました。船体側のシャフトホールの形状が、何故かテェーパー状になっているのが不思議ですが
稲毛マリンさんも変わった形状のシャフトホールを作るのかな〜と不思議に思っておりましたが、これが後で大変な事になります。
テェーパーになっているのでスタンチューブのゴムブーツは入れやすいのですが、ゴムブーツを固定するのに非常に固定しにくく
最悪の場合はずれる可能性が考えられます。とりあえず上架している日にちもないので、下架後もう一度チェックして対応しようと考えました。
(シャフトが重い)
エンジンを吊り上げる前にシャフトアッセン及びプロペラを装着し、手で回してみましたが、非常に重たく感じられました。
50歳をとうに過ぎ力がなくなったと思う今日この頃、体力が落ちたせいだと思っておりましたが、これも後で大変な事になります。
また、下架する前日に、エンジンの吸水キングストンのバルブを確認してみようと、ふと思い船内側よりキングストンにホース
を突っ込み、キングストンのバルブを閉め対水テストを行いました。どえらい事になりました。バルブを閉めているのにバルブ周りから
テストの清水が噴出します。バルブは、1GMを取り替える時に閉める様にし、可動したので安心しておりましたが、結局、船底を整備し、
フジツボ等を除去したら、電蝕があるようでゴミによって浸水がなかっただけのようです。急いで、寸法を測りバルブを購入し、取替えを
行いました。予想していない事が起きるもので、もぐら叩きです。
大変な事になりますと言うことで、、少しほったらかしにしていたので続きを書きます。
とりあえず、12月13日下架しまして、エンジンをかけ係留バースに移動しました。
下架後すぐは、エンジンの係りが悪く、すぐに止まってしまいます。
寒波が来ていたので、この寒さのせいでエンジンのかかりが悪く、止まるのかな〜
と思っていました。エンジンが温もれば問題ないでしょう!と安易な考えで無事係留バースに舫い、当日は終えました。
それから1週間こまごました修理をし、これからどうしようかな〜と考えながら、毎回、インストールされたエンジン(2GM)
を定期的に稼動させておりました。
12月もクリスマスの迫る21日夕刻、WHOON〜自宅に帰る前の事です。エンジンがオーバーランです。
なんじゃ〜これと思い、スロットルレバーが引っかかったのかな〜と、確認しますが問題なく、燃料カットのレバーを引きますが、全然止まりません。船内に急いで入りエンジンハッチを開け、デコンプレバーを引いてやっとのことエンジンが止まりました。
まったく意味が解らず、何でやねんと言う言葉しか出てきません。 この1週間程来るたびにエンジンはかけていたのになぜ、今なぜ、こんな現象が起きるのか、エンジンは寒い時期であり、プレヒートがついてないので、あおってやらないとかかりずらいと思っていました。
今、考えるとあの時のオーバーランの音が耳から離れず、エンジンが分解しそうな音でした。
とりあえず、年末まで、何度か艇に足を運び、エンジンをかけますが同様の現象が続きます。だいぶん疲れが溜まっていたので、年明けに考えようと思い、正月を迎えます。正月を迎える前に須磨YHに出入りされている友人であり、ヨット製作工場の専務であったMヨットのMさんに連絡し、事象を話し、年明けに一緒にエンジンを見て頂き、指導を仰ぐようにお願いしました。また、年末ぎりぎり29日にヤンマーのHPの質問欄で現象を説明したメールを送付したところ、お電話で返事が帰って来ました。ヤンマーの方がおっしゃるには、大変なことになりますよ〜との話でした。
具体的に言えばエンジンが焼きつきを起こす。ヘッドのバルブアッセンが壊れる等々です。
また、ヤンマーの代理店の東邦YTさんに連絡した所、親切にFAXで整備マニュアルのコピーを送ってくださいました。
ヤンマー及び東邦YTさんにお礼申し上げます。
年明け このレストア日記のを掲載した日になります。
正月明けの1週間
つづく
続きのお話は、2013年1月7日になります。
昨年末の2GMエンジンの不調より、原因をお正月の間にじっくり考えましたが、圧縮若しくは燃料系統の故障しかない
と、考えました。インターネットにて、いろいろと同じ原因で、オーバーランする事象を調べましたが、これはと言うものはありませんでした。
とりあえず、1月7日より前項で書きましたヨット制作工場のMさんに指導を仰ぐ事となり、7日の10時にNORA21のバースに来ていただきました。
1昨年大病を患ったことでありまして、Mさんには、作業は私がして口頭での指導だけで結構ですとお願いしました。
Mさんの方も私も同じ原因であると思うということで、状況説明をし、2度ほどエンジンをかけましたが、オーバーランの状態が起こり
それ以降、何度エンジンをセルで回してもエンジンがかからなくなりました。とりあえず、噴射ノズルの分解チェックを行いました。
噴射ノズルを視認できるとこに持ってきて、背後に白い紙をセットし噴霧状態のチェックを行いました。
噴霧状態は、2気筒のうち1気筒は正常で、1気筒は噴霧しません。噴射ポンプが正常ではないと思い、噴射管を外し噴射ポンプを取り出します。
噴射ポンプを取り外したあと、東邦YTさんより送っていただいた分解図及びパーツリストを見ながら分解、組み立てを行い再装着し
エンジンをかけますが、かかりません。作業をしだして3日目位にエンジンOILをチェックした所、OILゲージの際までOILが来ています。
燃料の供給量が異常に多く、ピストンとシリンダーの隙間から流れおちてるのだな〜と予測し、これ以上は、問題解決まで、
エンジンは回せないと思い、他考えられる作業を継続しました。
あれやこれやで、月曜日から金曜日まで、約1週間エンジンを触っていました。
その間、MヨットのMさんに指導を仰ぎお世話になりました。
また、エンジンを触っている時に解ったことですが、ウォーターロックの設置位置が悪いようで、ミキシングエルボーと平行に装着されており
エンジンがかかり排気圧がある時には問題ないが、エンジンがかからないままで、セルモーターを回すとウォーターロックが一杯になり
ミキシングエルボー排気側よりエンジンの冷却排水が逆流する事が解りました。
この事象が解ったのは、噴射ノズルをチェックしている時で、噴射ノズルを装着するハウジングに小さな水滴を発見した事からです。
大変な事だと思い、もう一度エンジンヘッドをめくり、ピストン及びシリンダーをチェックし、ピストン、シリンダーを綺麗にふき取り組みなおしました。
ピストン及びシリンダーは、綺麗なもので安心しました。すぐに発見できたのが良かったです。
結局、1月7日より1月11日までエンジン修理の作業に没頭し、朝10時より晩8時頃まで作業しましたが解決出来ませんでした。
エンジン修理中に須磨YH北ハーバーに艇を置かれるオーナーで、ヤマハ24(3GM換装)で、日本1週されたK氏が尋ねられ、
エンジン修理中に、あまり根詰めてやっても結果出ないから、自分の船台に上架させてあげるので、色でも塗って頭冷やして考えたら?
というお声をかけて戴き、お言葉に甘えさせて頂く事になりました。
再上架
とりあえず、船底整備 以前塗装していた赤と青の塗料を剥ぎ取りゲルコートを出す。
全部剥ぎ取るには時間を要し大変な作業である。 少し青の塗料が残っているが、後で240#の耐水ペーパーで研磨
1週間程かけて船底塗料を剥ぎ取った。
非常に長い間放置されていた艇なのでオズモシスが気になって船底の状況を見たかった為である。
船底は、思ったより綺麗でオズモシスもほとんど見当たらず、ほっとしたしだいでありました。
須磨YHのフランス製の豪華セーリングヨットで、船底がオズモシスだらけの艇があり、年式は、比較的新しい艇なのに
船底が、ぼこぼこでした。
オズモシスは、補修されておりますが、先般上架している艇を見て、また、オズモシスが出てきているようです。
とりあえず、船底の状況が確認でき、さあ何をしようかと考え、船体の塗装をする事にしました。
船体コンディションは、お世辞にも良いとは言えず、所々ゲルコートが剥げ、小傷ですが傷もありました。
船体にポリパテを打ち、320#の耐水ペーパーで研磨、これに3日かかり、船体に密着材を塗布しました。
密着材を塗布して乾かす間にバウのハッチの交換の為の工事を行いました。
12月に手持ちのリューマーのハッチの割れたアクリルを外し、アクリル加工業者にアクリルを発注しておりました。
お正月の間、手持ち無沙汰なので、新調のアクリルをハッチフランジに取り付ける工事をしました。
これも、たいがい難儀な作業で、割れたアクリルを取り外し、シール材を完全に取り除き新調のアクリルを取り付けるように出来るまで、
約3時間かかりました。途中でアクリルの上部に付いているベンチレータのボルトが異種金属である為固着して外れずねじ切りました。
ハッチのFRP工事
以前付いていたFRP製のバウハッチを取り外し、バウに採光性の良いリューマーのオーシャンハッチを取り付ける事にしました。
ただ、寸法が、小さくなるのでFRPの単板で積層する事にし、ベースのアクリル板をベースに積層をかけ、厚さ12MMの単板の構造にしました。
厚みを出すのが大変で、16プライの積層になり、ゲルコートで、最終処理し、研磨しました。
塗装
船体に密着剤を塗布してから1週間がたったので、いよいよ船体塗装を行う事にしました。
船体を320#の耐水ペーパーで研磨し、12月に用意したグリーンのウレタン塗料を塗布します。
塗装は、それ以前の下地処理及びマスキングが手間仕事で時間を要します。
ただ、今回は、全体を5回重ね塗りしたので、午前10時より午後3時30分までの時間を要しました。
途中コンプレッサーが電圧低下の為、動かなくなったりして、あわてました。
とりあえず塗装が終わり、乾く間に 以前より懸案となっていたE/Gを修理する事にしました。
今回は、クレーンがないので、艇庫の梁を使わせていただき、チェーンブロックを北ハーバーのアバキのオーナーよりお借りしての
E/G吊り上げです。北ハーバーに来られていたオーナーにお手伝い戴き、艇を艇庫の入り口まで移動し、艇庫の梁に吊った
チェーンブロックでエンジンを吊り上げました。これで、以前エンジンを積み込んだ時を含め4回目となりエンジンの縁切りもなれたものです。
初めての時には、3時間かかりましたが、1時間40分位で出きる様になりました。やはり場数ですね〜!
北ハーバーで、艇を押していただいたオーナー及びチェーンブロックを貸していただいたアバキの重松オーナーにお礼申し上げます。
エンジンの方は、前もって製作していたエンジン台に固定し、じっくり整備する事にしました。
エンジンFRONTのオルタネーター、プーリーウォーターポンプ等の付属部品を外し、ガバナケースの蓋を開け、ガバナのガバナウエイト他
可動部分を綺麗に掃除し、組みなおしました。ガバナケースの蓋は、10数本のボルトで固定されておりますが、長いボルトと短いボルトがあり
長いボルトの中にウォーターポンプを固定する部分のボルトだけが、少しだけ長いので、同じようにガバナケースをあけられる方は
気をつけてください。(ガバナケースの写真添付)
ガバナケースをオーバーホール後組み直し、付帯部品を装着して、エンジンを元どうりにし、翌日、陸上試運転を行いました。
セルは回りますが、始動しません。また、燃料ポンプを外したり噴射ノズルをチェックしたりして始動を試みますが、動きません。
結果判断として、これ以上エンジンに時間が取れないので、後日、東邦YTさんに連絡して状況を説明し、エンジンを持ち込む事にしました。
結果、エンジンに費やした時間は、延べ10日になりましたが、良い勉強と思っております。
後日、修理が終えたエンジンを取りに行った時に、原因を聞きましたが、噴射ポンプのプランジャーのプラスチック部品が欠損しており
ガバナでラックを調整することにより、燃料の流入を調整しますが、欠損の為燃料が行き過ぎるとの事でした。
エンジンメインテナンスハッチの製作
以前より改造しなければならないと思っていたところですが、エンジンルームのスタンチューブ及びカップリング、ウォーターロック
へのメインテナンスアクセスが悪く、整備するにも整備できない状態で、なぜ、このような構造になっているのかと不思議に思っておりました。
コクピットの床をぶった切り、アクセスハッチを作る事にしました。
前にカットして外したバウハッチのフレームを取っておいたので、それを活用し製作しました。
フレームの寸法を測り、コクピット床にハッチベースの穴をあけ、フレームを外と内より積層しました。
NORA21のコックピットの床は、ビックリするほど厚みがあり、FRP単板で作られており頑丈そのものでした。
改造する前のドッグハウスバウハッチNo1 No2
コクピット床にハッチベースの穴を開けハッチフランジをFRPで加工しました。
大きな問題発生
以前上架した時より疑問を持っていたのですが、シャフトの回転が異常に重たく、私が両手で回さなければシャフトが回りません。
12月に上架し、点検した時にはもっと重く、両手で回してもなかなか廻らず、どうにかこうにか回ったという次第です。
スタンチューブのグランドパッキンが、油分がなく、かさかさで固着して回らないと思っておりましたが、どうもそうではないようです。
前項で、書きました大変な問題が発生しました。
よくよく観察してみると、エンジン、シャフトホール、シャフトの軸受け(ストラット)の3点中心ラインが合っていません。
思わずため息が出てしまい、めげそうになりました。工事が厄介です。
丁度、シャフトのラインを見ている時に北ハーバーで今回、船台をお借りしお世話になっているKAMEのK氏が見に来られ
一緒に見る事になりました。K氏も私と同じ意見で、こら〜あかんで〜 と言う事になり、シャフトホールをやり直す事にしました。
軸受け、及びシャフトホールを船底を剥いで見てみたら、どうもFRP職人さんが工事したとは思えない仕上がりでした。
中古艇というものは、概して、このようにいろいろと問題が発生するものだと改めて思いました。
シャフトホールぶった切り
とりあえず、シャフトホールを切る事にしました。厚みを確認する為に小さなキリでドリルを使いシャフトホールの回りに穴を開け、
厚みを確認しました。確認したあとにディスクグラインダーで、カットしました。うまくカットするにはグラインダーの使い方に技術がいります。
CUTしたあとの写真
CUTした後内部、外部供にテーパー状に研磨します。
寒い時期だったので、下でコンロを焚きました。
シャフトホールの作業と平行して、ラダー及びスケグの補強のFRP工事をする事にした。
別段、ラダー及びスケグに異常はなかったのだが、中心の接合部分を補強する事にし、FRP積層作業を行いました。。
研磨しFRPマットを3プライ巻きました。 ゲルコートで最終処理最後に240#の耐水ペーパーで、水溶き
新しく作り直したガジョン 他のガジョンは、状態を確認し、酸洗いをし、ペーパーで磨きました。
スケグ側のガジョンも新調しました。
少しサボっている間に、6月の後半になりました。作業を思い出しながら、続きを書きます。
上架中の重要な工事も終わり、ホッとしたのも束の間、トイレの作動状況を調べようと思い、排出と吸水のスルハルバルブを開けようと思い
手で回しますが、びくともしません。ウォーターポンププライヤーで、スリーブバルブを回しましたら、バラバラになりました。
出たな妖怪と思い、また、工事が増えました。早速、スルハル及びバルブを手配し、買いに走りました。
1万円札が、ロケットの様に飛んでいくな〜。バルブも大変で、バラバラです。また、スルハルは、固着して外れないので、狭い中ディスクグラインダーを駆使し、ぶった切りました。なにぶん30年以上経過した艇なので、しょうがないと諦めました。
バラバラになったスルハル及びバルブ
新品のスルハル 吸水用 新品のスルハル 排出用
シャフト交換
以前使用していたシャフトのカップリングをどうしても外してオーバーホールしたく、前回上架時にチャレンジしたが、どうしても外れず、今回の
上架の時に外そうと毎日、潤滑剤を注入し、トライするがなかなか外れず往生しましたが、やり始めて1週間目にインパクトレンチで、ナットが外れ、
その3日後にシャフトとカップリングをプーリー抜きを活用し外せました。 万歳
シャフトを見てみると、所々電飾がありましたが、まだ使えると思い、精密加工されるところに持ち込みナットの製作をお願いしましたが、旋盤で回転させるとシャフトが曲がっている事がわかり、シャフトを新調する事になりました。
とりあえず、シャフトの長さを測り、ステンレス専門店で、以前より材質の良いSUS316を購入し、精密加工される所で、加工お願いしました。
燃料タンクの清掃
この作業も以前から作業しなければならないと思っていた作業であるが、燃料タンクを取り外し、中の燃料を廃棄し、スラッジを取り除き
水洗いしました。
以前、お客さんで同じ様にエンジンを載せ換えた方がいらっしゃり、乗せ換え後、暫らくしてエンジンの調子が悪いとおしゃられたので、
燃料タンクは、掃除しましたか?と尋ねた所、掃除したとおしゃられまして、整備する事になりました。
エンジンは新品のエンジンを載せ問題はないものと思っていたら、エンジンスロットルを上げるとブスブスいって息つきします。
これは、もう一度燃料タンクを確認してみようと思い、燃料タンクを取り外し確認してみるとスラッジ及び結露水が山盛り出てきました。
これが原因であることを伝え、掃除した思い出があります。
他にも、古い艇は概して燃料タンクに原因がある燃料トラブルが多いです。油水分離器のフィルターをこまめに交換するとか、2年に1回
位は、燃料タンクのオーバーホール(掃除)を行うとかすれば、問題は解決します。
比較的小さな燃料タンクで助かりました。設置場所もメンテナンスしよい場所でした。
もう7月にはいってしまいました。
続きを書きます。
とりあえずエンジンのインストール及びシャフトホール、塗装他その他諸々の重要工事が終えたのが3月末で、月末の3月31日
に下架し、ホームポンツーンのSB−01に戻りました。
4月よりホームポンツーンのSB−01での工事です。
まず、NORA21を始めて確認した時より気になっておったのですが、チェーンプレートの工事です。
下記の写真でお解かりのように、デッキのチェーンプレートと船体側のチェーンプレートの間に耐水合板を挟みこんで
(ボルト10mm)固定してあるのですが、水が浸み込んで耐水合板がパラパラになっており、セーリングは出来ない状態でした。
チェーンプレートを取り外しオーバーホールすることにし、挟み込むプレートをFRPの積層材をエポキシボンドで張り合わせ製作しました。
製作したFRPプレートに2箇所穴を開け、オリジナルのチェーンプレートでシーカフレックスを塗り挟み込みました。
左舷側のチェーンプレートの漏水がひどかった。 右舷側は、漏水はなかったが、同じくFRPプレートに交換した。
パサパサになった耐水合板の挟みこみのプレート 新しく製作した挟み込むプレート(FRP製 10mm厚)
デッキ及びドッグハウスの塗装
以前より行おうと思っていたデッキ及びドッグハウスの塗装を行う事にした。
ドッグハウスにフィッティングされているウインチ、ストッパー、ターニングブロック等々を外し、マスキングを行い、吹き付け塗装を行える準備をした。
結構大変な作業で、いろいろとあるフィティングを外すのに1人で作業するものだから、船内のナットをバイスクリッププライヤーで挟み込み、デッキで
ドライバーを回すという繰り返しで、フィティングをはずした。 製作段階で、ボルトをワイヤーカッターでカットしているボルトもあり、うまく回す事が出来ず
ボルトの頭をドリルで飛ばし、抜いたものもいくつか在った。デッキフィッティングの取り外し及びマスキンググに3日間かかった。
塗装の前に当初から取り付け予定していたベックソンのオープンポートを取り付ける為に傷んでいたアクリルのウインドーをはずし、FRP積層で目くらにした。
今回は、FRPの積層で作った単板を加工し、もともとピラーがあったアクリル板の取り付けの場所に埋め込んだ。
その後FRPを積層し十分な強度を持たせたつもりである。今回取り付けるベックソンマリンのオープンポートは、セルフドレン式の為、垂直の構造にしないと
セルフドレンが作用しないので、このように段差をつける形状になりました。
パテ打ちを6回行い、年増の厚化粧を行う事にした。パテ打ちは感性の問題で、プロの塗装職人さんには脱帽である。
一口に塗装と言うが、付帯部品をはずすだけでも大変な時間がかかるものである。
また、マスキングも大変な作業で、まず初めにデッキを洗剤で水洗いし、乾くのを待ってマスキングを始めた。
浮いている艇で、出来るだけ正確にマスキングいないといけない状態で、丸1日かかった。
マスキング終了後、次の日がお天気が良さそうなので吹き付け塗装を行う事にした。
吹きつけ塗装は、必ずしもうまくはいかなかった。液ダレし、後日ペーパーで研磨し、ポリッシャーにて磨く羽目になった。
塗装後のオープンポートの仮付け
オープンポートの取り付け
この艇持ち帰った時からの懸案であったオープンポートがやっと取り付けられる。
西宮のコスモマリンに発注し、1月末には手に入っていたが、なにぶん、作業が多くデッキ及びドッグハウスの塗装が終わらないと
取り付けできない代物であったため、やっと取り付け出来る。
もともとこのベックソンのオープンポートは、表側のフランジと内側のオープンポート部分の2ピースで出来ており、内側を船体の厚みのある部分
にスクリューで固定されるようになっており、表側は、防水シリコンなどで貼り付ける様になっている。
今回は、ドッグハウスの開けたホールにボルトで、縫いこむように加工した。
シーカフレックスで、シーリングをし、10本の5mmボルト、化粧ナットで縫いこんだ。
デッキフィティング木部のニス塗り
塗装前に外しておいたハンドレール及びスライドハッチガイド、差し板ガイドの木部の研磨を行いニス(インターのサテン)を幾重に重ねて塗った。
友人で、ヨット乗りの木工職人であるMさんが作ってくれた新しいティラー(ヒノキとニューチークのコンビネーション)も幾重にも塗装した。
スライドハッチのガイドの木部及び差し板のガイドの木部
デッキ及びドッグハウス上部のノンスリップペイントの塗装
デッキ及びドッグハウス上部をノンスリップペイントで塗装した。
これもマスキングが必要で、初めに(第1日目)ドッグハウスの屋根部分 2日目にデッキ部分と2日かかった。
デッキが十分乾いた後、デッキフィティングの取り付けを行った。デッキフィティングのターニングブロックが、経年劣化で、駄目になっているのが在り、
コスモマリンより購入した4連のブロックを改造し、3連にして取り付けた。この作業にも3日かかった。なにぶん1人で作業するものだから、上でネジを押さえ込み
下でナットを回すということが出来ず、バイスクリッププライヤーで、固定しネジを回すものだから、船内と船外の往復で、少し疲れた。
外観がほぼ完成したNORA21
8月もお盆を過ぎ、17日になりました。
少し時間が経ちましたが、その後の作業をサイトUPさせて戴きます。
5月も後半のとある日、以前より気になっておりましたマストTOPライトの点検にマストに登りました。
友人に来てもらい、自力で登るので、下でエマジェンシーのハリヤードだけ引っ張ってほしいということでボースンチェアーを
使用し、メインハリヤードで、登りました。
デッキの配線を接続し、マストTOPの電球を替えたらマストTOPは点くと思っておりましたが、まったく点灯しません。
また、それにましてハリヤードのシーブの動きがなく、ハリヤードワイヤーが、メインハリヤードのシーブの上でこすれて
ギシギシと音が鳴ります。とりあえずマストより降り、マストを倒す事にしました。
6月は、上記で書きましたデッキ塗装とオープンポート取り付けで過ぎ、7月の3日にマストを倒しました。
マストを倒す。
7月3日ヤマハ藤田さんにお願いし、マストをフォークリフトを使用して倒していただきました。
倒したマストは、作業できる場所に運び、あらかじめ用意していた台の上に置きました。
マストを点検し、メインハリヤードのシーブ及びジブハリヤード、スピンハリヤードを確認した所、
メインハリヤードのシーブだけがシャフトと固着し、まったく動きません。
とりあえず、メインハリヤードのシーブを外す事にし、ドリルで穴を開けやっとのことでシャフトを抜きました。
下記にハリヤードシーブの写真添付します。
メインハリヤードのシーブ及びピンシャフト
ハリヤードシーブは、見ていただいてお解かりの通り、使用に耐えれるものではなく、新しく新調する事にしました。
西宮のコスモマリンにて、少しサイズの大きく厚みの合うアルミ製のシーブを購入し、前シーブの中心にあるデルリンを
オイレスベアリングに変更し、ピンシャフトもSUS304の少し大きめのシャフトに交換しました。
オリジナルのマストのメインハリヤードのシーブシャフトは、片方がメクラになっており、シャフトを入れ、蓋でシャフトが
抜け落ちないような構造でしたが、今回は、メインテナンスを良くする為、マストトップでシャフトを貫通させ、抜け止めのボルト
をシャフトに取り付けました。また、両端に、シャックルを取り付ける穴を開け、その両端も利用できるようにしました。
メインハリヤードのシャフトピンを通す穴
ハリヤードの増設及び配線、メインハリヤードの交換
マストTOP及びロアーシーブの中古品を在庫していたので、取り付けることにした。
TOPシーブは、マストTOPの近い位置に取り付け穴を開け、タップを切り6MMのボルトで固定し、
ロアーのシーブも同様にポート側に固定した。それから、マスト内のハリヤードラインにテンションをかけ結束してから
新調のハリヤードを通した。
メインハリヤードも同様に以前使用していたハリヤードに新調のシートのラインを結束し、同様に通しました。
以前、点灯しなかったマストTOPの全周灯をばらし、ラインを引き抜くことにしたが、ハリヤードと絡まっているのかなかなか、
抜けなく往生しました。とりあえず抜く事はできましたが、2本の配線が、まともに入っておらず、マストの中で断線しておりました。
マストに新しいキャプコートを入れ結線し直しました。また、機走灯もマストのスプレッダーの上に取り付けることにし、配線、取り付け工事
を行いました。
ウィンデックスベースの取り付けも同時進行で行いました。以前付いていた形跡は有りますが、風見は見当たらず、マストTOPに直接穴をあけ
タップを切り固定しました。
マスト及びブームの塗装
せっかくマストを倒したのだから、マスト及びブームをウレタン塗装する事に決定し、
今までの塗装と同様にマスト及びブームについている
取り外せるパーツを外し、研磨を行い(240#ペーパー)マスキングをし、ウレタン塗装を行いました。
塗装前のマスト
塗装を終えたマスト
研磨をかけ新しいTOPハリヤードを増設装着しました。 マストの塗装を終え機走灯も装着しました。
新西宮のフローティングヨットショー
去る10月18,19,20日に西宮で、フローティングヨットショーが行われました。
16日の夕方に懇意にさせて戴いている(有)神戸マリーナの岡本氏より連絡があり、ヨット展示せ〜へんか?
と言う一言で、翌日西宮の神戸マリーナまで廻航する事になりました。岡本氏のところもNORA21(船外機)とデヘラー28
(どちらも中古艇)を展示するということで、翌17日の昼に須磨YHを出て夕方の15時30分に西宮の神戸マリーナに到着しました。
翌日の朝より船内の荷物を撤去し、船体を洗い埃を落とし新西宮に廻航しました。
西宮の桟橋にて
神戸マリーナ岡本氏のNORA21 9,9HP船外機売り物です。
エンジンの換装前と換装後
換装前のヤンマー1GMエンジン
換装後のヤンマー2GMのエンジン
西宮フローティングヨットショーが終わって。
10月18日より20日まで行われたフローティングヨットショーであったが、初日の金曜日は、曇りで、ウィークDAYでもあり、
人影もまばらで出店業者及び地元のヨットのオーナーとかの来場であったように思う。
また、翌日の土曜日及び翌々日の日曜日もお天気のせいでもあるが、雨で来場者は伸び悩み、ヨット業界の先々に物思う所でありました。
最後に、翌日の21日お昼よりホームポートの須磨YHまで廻航したときの
明石海峡大橋に沈む太陽の添付写真 明日になれば日はまた昇ります。
トイレの修理部品交換
さて、そうこうしている間あっと言う間にもう12月が来てしまいました。
以前からの懸案で、マリントイレ使用出来なかったので、修理する事にしました。
初めは、トイレポンプのリペアーキットを購入し、取り替える予定でしたが、いっそボウル(便座)だけを残して
ポンプ及びボウル受けのハウジングも交換する事にしました。
以前3月に上架中にバルブ及びスルハルは新品に交換したので、トイレに関してはほぼ新品になりました。
まず、トイレごと外さなければなりません。これが、非常に時間がかかりました。ボウルを固定しているベース(硬質プラスチック)
のネジのナットは、1箇所しか外れず狭い所で、ディスクグラインダーぶった切りました。
後で見て観ると、砲金のボルトにステンレスのナットを使用していたので、異種金属と経年による電飾でとも回りしてはずれなかった様です。
ノラ21の古いトイレ
古いハウジング及びポンプ 電飾で、ぶった切ったボルト
新しくなったトイレ 新しいトイレはポンプの排出口の位置が違うのでホースの取り出し穴を広げた。
トイレが綺麗になり非常に気持ちが良いです。
船内化粧合板及び化粧フレームの貼り付け
船内のロッカーのバルグヘッドに化粧合板を張り、フレームでアクセントをつけました。
以前ベックソンのオープンポートをつける作業の時に、どうしてもロッカーのバルグヘッドを切らなければならず、
工事に必要最小限の部分をCUTしました。
CUTした後にどうしても見栄えが良くないと思っておりましたが、化粧合板を張り、フレームで縁取りすることになりました。
結構時間のかかる仕事で、初めにボール紙で大まかな型を取り、化粧合板をカットし縁をチークの無垢板厚み8mmで縁取りしました。
かかった時間は、約7時間かかりました。貼り付けは、エポキシボンドと真鍮クギで作業しました。
スクリューの変更(2翼より3翼)
オリジナルのヤンマー1GMの2翼プロペラより新しく製作注文しておりました2GM用の3翼のプロペラに交換しました。
以前のプロペラは、ヤンマーの1GM用だった為、エンジンのマッチングが悪く、速力もMAXで5Knot行くか行かないかのSPEED
でした。今度製作してもらったプロペラは、DIAMATERが350ピッチも少しきつめに製作してもらった様です。
プロペラ交換の為上架し、30分位で下架しました。
速力の方は、これが同じ艇かと思う位、違った印象を受けました。GPSを取り付けてないので、実際の速力は解りかねますが、
フル近くまで回すとバウが上がります。やっと本来イメージしていた艇に近づきました。
コンパスの取替え
さる、4月1日に以前より気になっていたバルグヘッドコンパスにコンパスOILを入れようと思い、船室に入ったら
丁度コンパスが設置されている下に塗料をしまっているダンボールを置いておりました。
ダンボールを見ると、箱がOILで沁みており、箱の中のシンナーが漏れたのかな〜と思い、箱を表に出しふき取りを行い
シンナーを確認しましたが、漏れたような形跡はありませんでした。
なんでかな〜と思って、コンパスに目をやると、液が全然入っておりません。またかえ〜と思いコンパスを外し確認してみると
アクリルとプラスチックの接合部分がダメでした。とりあえずコンパスのフランジを外しサイズの合うコンパスを、
インターネットで探す事となりました。コンパスって、たかいものですね〜!
同サイズのプラスティモのコンパスは、どれも定価¥40,000.ー位でたかいな〜と思い、西宮のコスモマリンに電話をかけ
確認しましたが、勧められたのは新品のコンパスでした。とりあえずコスモマリンに行って掘り出し物を探そうと思い、後日でかけました。
その後コスモマリンのファウンダーのヨット業界の大御所T氏に出物のコンパスはないのか〜と尋ねた所、その辺にころがっとうやろ〜
との返事でコンパスをGETしました。新古品のSILVAのコンパス定価¥35,000.−で、程度の良い物でした。
とりあえずそのコンパスを頂き、後日、加工して
装着しました。加工を考えるのに半日考え、作業時間は、4時間でした。
コスモマリンのファウンダーのT氏は、無愛想でとっつきにくい方ですが、付き合ってみると中々ハートがあり、頼りになる方です。
以前のロイヤルのコンパス アクリルが、経年劣化でぼけて、液漏れがありました。 新古品のSILVAのコンパス プリズムが付いており中で方位ゲージ
が映るのですが、見難いのであえてさかさまにし方位ゲージを前に持ってきました。
まだまだ続く長いお話
長らくホームページを触っていませんでした。
昨年の5月に縁がありNORA21は、嫁ぎ先が決まり嫁入りしました。
以後も須磨YHのSB−01に係留する事となり、同じ場所に係留しており、新しいオーナーの元で元気にしております。
さて、今回は、少し問題がある箇所が出てきましたので、その対応と、定期整備の模様をご報告させて戴きます。
3月の晴れた日に定期的にE/Gをかけているわが娘NORAの所に出向きE/Gをかけ、全体を確認し、帰ろうとした所
少しバウデッキの方が浮いているように感じました。綺麗な鼻なのに少し上向きになってるんと違う?
よくよく見てみれば、デッキとハルの間に隙間があります。
こら〜具合悪いんとちゃうと言う感じで、詳しく見て、確認した所3mmくらい隙間があります。
バウチェーンプレートの改造
後日、とりあえず、非常に大切な部分であるので、船首の取り付け部分を確認しました。
BAWロッカー(この中に入りました) 工事前のチェーンP
船首の船内ハッチを外し、懐中電灯を携え船首の部分にもぐりこみ、ボルトを緩めチェーンプレートを取り外しました。
これは、あかんやろ〜と言うチェーンプレートがお目見えしました。
オリジナルのチェーンプレート1) 2)
デッキスタンディングリギンを固定するチェーンプレートと船内よりデッキを抱き合わせ固定するチェーンプレートの2分割になっておりましたが、
船内のプレートは、4mm圧のヒライタを2箇所曲げただけの代物でおまけに曲げずらかったのか、曲げる位置にグラインダーで切り込みをいれてある始末です。作業がしにくい位置にあるのは理解できますが、もう少し何とかならなかったのかな〜と思います。
ましてや、デッキチェーンPとの抱き込みは、1箇所だけで、この艇をレストアする前に確認した時は、横山晃さんの設計で、造船所さんが作った艇であるので問題ないと思っておりましたが、問題ありでした。ただ、ヨットと言うものは、こんなものかもしれません。
チェーンプレートは、外した後補強を入れるようにしました。ほぼ作り直しです。
改造新調したチェーンプレート1) 2)
グラインダーで切り込みがはいっていた部分に肉盛りし、左右2箇所計4箇所に補強を入れ、デッキチェーンプレートの後部ボルト
に接続出来るプレートを溶接しました。
チェーンプレートの取り付け
チェーンプレートの取り付けも大変で、鉄工所より出来上がってきたチェーンプレートを取り付けようと船内側から合わせますが、微妙
なズレがあります。左右2箇所補強を入れたので、びくともせず、もう1度補強部分を片側をカットし現場合わせで万力で曲げなおしました。
鉄工所に持ち込み再度溶接してもらいました。初めの予想で、多分1回ではスムーズに取り付け出来ないだろうと考えておりましたので、
折込済みです。一応出来上がったチェーンプレートを仮付けしたところ、今回はうまく出来ましたので、取り付けることになりました。
バウの狭いロッカーにもぐりこみ、デッキチェーンプレートより出ているデッキと挟み込む為のボルトを締めていると、ポキと嫌な音がしました。
折れたと思い案の定、チェーンPの前のボルトが折れておりました。慎重に締め付けたつもりでしたが、折れました。
後で確認した所、電喰が在った様です。ちょうど整備中になってよかったかな〜と善意に考えました。(手間は、かかりますが)
当日は、遅くなったので、新しいボルトを購入し鉄工所に持ち込み、溶接してもらい翌日取り付ける様にしました。
電喰で折れたボルトと新しくボルトを溶接したCP 船内から抱き込む、改造新調したCP
溶接箇所は、酸洗いで綺麗にしました。
バウロッカーにもぐりこみ、懐中電灯を握り、慎重に取り付けました。
チェーンプレートを取り付けた後は、バウのフォアステーの代わりに固定してあったハリヤードを引いて、フォアステーを取り付けようと
しましたが、フォアステーのターンパックルが合いません。しかたがないので、サイドのスタンディングリギンを緩め取り付け完了となりました。
結局、これまでの作業にかかった時間は、合計で図面を書くのも入れ7時間でした。
外部木部のニス塗り
以前のレストア整備の時にニス塗りを行ってから、約1年が過ぎました、
当初の予想通り、だいぶんニスの剥離部分が目立ってきました。現オーナーにも、その事は話しておりましたが6ヶ月から、1年ぐらいしか持ちませんと言う事で、ニス塗りの整備を、させて戴くこととなりました。
ニス塗装する前の状態
まず初めに、木部をすべて取り外さなくてはなりません。ハンドレール、スライドハッチのスライド部分、差し板の両サイド、指し板と在りましたが、
差し板を除くぶぶんは、スクリューで取り付けてあり、おまけにダボ(プラグ)で、目隠しをしてあります。ダボが60箇所在りました。
とりあえず、ダボの穴をドリルで注意深く削り、スクリューの頭を出し、ダボ(木栓)を止めていた接着剤をキリでホジクリ出しプラスドライバーの先
がは入る様にします。この後、ドライバーで、テンションをかけ1本ずつ取り外します。
なんで、電動インパクトドライバーでしたら簡単や〜とおっしゃるかたがおられますが、私の経験よりインパクトを使用したら、プラスネジの頭をなめる事が多く、後で大変なので、初めは丁寧に取り外す様にしております。
プラスのねじ山の部分をほじくるピンとドライバー及びドリル
結局、午前の10時から初め終わったのが、16時30分でしたお昼の休んでいる時間と休憩を引いても、5時間かかりました。
外し終わった後は、仮にスライドハッチを止めれるように作った雑材をタッピングで固定し、スライドハッチを使用出切る様にし、同じく
差し板も同様に作った雑材のフレームを取り付けました。また、ハンドレールのタッピングの穴には、養生テープを貼り付け雨水の。
浸入を防げるようにしました
研磨
取り外した木材の部材をランダムサンダーで研磨します。ムラは在りますが、ニス部分を完全に落としきります。
今回は、120番のペーパーであらかたの部分を落とし、320番のペーパーで仕上げの手がけ研磨です。
チークの部材が古いですが、あらかた綺麗になり面も出ました。 研磨時間約5時間
ニス塗装
ニスは、何度も塗らないといけない単純作業です。
まず、自宅の物干しに、ニスを塗るハンドレール他をピアノ線で吊るし、初めは、薄いニスの溶液で、塗り
徐々に濃くしていきます。使用したニスは、今回は、ハリコミ 1液性のエピグラスを塗りました。
結局、ある程度の塗面の仕上げを考えると、表面10回、裏面4回の塗装となりました。
また、ニス塗りは、延べ2日 10Hの時間がかかりました。
只、ニスの塗装をしても、太陽の紫外線の影響は大きく、物を落としたり、引っ掛けたり、足で踏んだ部分より剥離してきます。
だいたい、6ヶ月から1年位で補修しなければなりません。ヨットを維持していくのは、結構手間ですね!
取り外した木部の取り付け
ニスの塗装が完了し、ピアノフィニッシュまでは行きませんが、まあ、少し見てくれは良くなりました。
外して塗装した木部をヨットに運び取り付けを行いました。
1度取り外したスクリューは、使用できるものと出来ないものがあるので、今回は全て新しいスクリューで、木部を固定しました。
固定した後、木部の穴をプラグ(ダボ栓)で塞ぎました。ダボ栓をニスで3回ほど塗り完成です。 約3H
塗走後のハンドレール
補強を入れ新しく塗走をした差し板 以前の塗走前の差し板