北ア 双子尾根から杓子岳・白馬小蓮華尾根下降


2004年5月1日から5日
参加者 CL:義晴さん・征一さん・吉則さん・雲水(計4名)

 ゴールデンウイークを利用して、北アルプス後立山連峰の杓子岳・白馬岳・小蓮華岳の縦走を行った。 バリエーションルートの双子尾根から杓子岳に登り、白馬岳を越え小蓮華岳から小蓮華尾根を降るルートである。
春山バリエーションの入門としては、特に人気のあるルートであり、双子尾根上部には「樺平」と呼ばれている大きな樺の木が一本生えている所があり、 絶好のテントサイトです。
1日の午後9時過ぎ東加古川駅前を出発、阪神高速・名神・中央・長野道を経て猿倉に早朝到着。 沢山の車で駐車場は満杯状態。奥まで進み駐車場所を確保出発まで暫し仮眠。
簡単に朝食を済ませ装備の分配も済ませいよいよ出発の時間を迎える。 沢山の登山者に混じって猿倉山荘前から台地に揚がる。林道を歩き長尻沢出合を少し行き過ぎてしまう。 出合まで戻り堰堤の脇から長尻沢に降りそのまま沢を詰め登る。 天気も上々、台地からは、残雪を纏った白馬三山が眼前に広がり、双子尾根が覆い被さるように迫ってくる。 夏道沿いに台地をトラバースし尾根に取り付く。雪壁を登り小日向のコルに到着一本立てる。
杓子岳1 杓子岳2
雲海の向こうに栂池方面 いよいよ双子尾根を登る

振り返れば栂池方面が見渡せる。昔スキーで登った天狗原や白馬乗鞍岳までクッキリと見える。 上部に目をやればこれから登る双子尾根が高みに向かって伸びる。
 登るに従い尾根が段々痩せてくる。ブッシュ混じりの雪稜をひたすら登る。両側はすっぱりと切れ高度感満点。
 登るに従い植生が変わる、ダケカンバが段々少なくなり大きなピークを越えると目の前に一本の大きな樺の木の生えている窪地に到着。
ここが本日のテント場の樺平です。既にテントが張ってあり、我々は少し上の岩壁の下の台地にテントを張る。 まさに別天地。快晴で風も少ない。テントの傍に雪のテーブルを作り、周りの景色を楽しみながら食事を作る。 これ以上の贅沢はないロケーション。苦労して登ってきた甲斐があった。

杓子岳3 杓子岳6
樺平のテントサイト ジャンクションピークから杓子岳

 翌日も快晴。風が強く天気も下り気味。朝食を済ませ、テントを片づけ出発。 尾根も次第に傾斜を増し、雪稜を登るようになる。足許はスッパリ切れ、足の間から樺平が見える。 スリップに注意を払い、風も横から急に吹き上げバランスを崩さないよう、一歩一歩踏み跡を伝い登り続ける。
40度を超える斜面をトラバースする所では、ピッケルを深く差し込み足許を崩さないよう登る。  漸くジャンクションピークに到着、一休み。ここは双子尾根と杓子尾根を分ける小さなピーク。
 振り返れば、遠く八方尾根から唐松岳、足許には今登ってきた双子尾根が小日向山まで一直線。  見上げれば杓子岳まで続く雪稜が覆い被さる。写真を撮り再び登攀開始。
一段と斜度も急になり、所々岩場を通過するようになる。頂上直下の雪壁ではザイルが欲しくなる箇所も有り緊張する。 最期の雪壁を越えると突然展望が開け、頂上に着いたようだ。
 今まで東側しか見えなかったが、黒部渓谷を隔てて立山連峰が眼前に広がる。雪を纏った剣岳もはっきり見える。絶景!
 麓から眺めると尖って見える白馬槍も、ここからの姿は台形で全く別の山に見える。

杓子岳7 杓子岳4
杓子岳頂上から双子尾根 ジャンクションピークより八方尾根

 杓子岳で少し休み、ガレた斜面を降り主稜線を白馬岳へ登る。白馬岳頂上から東はスッパリ切れ落ち、 人気のある冬のバリエーションルートの白馬主稜が幾つものピークを持ち上げ頂上へ迫り上がっている。
 最期の斜面は本当に登れるのか疑う位の傾斜だ。頂上には沢山の登山者に混じってテレマーカーやスキーヤーも多い。
 その中にこの尾根をスキーで降りようとするエキストリーマーもいる。これにはびっくり仰天。 本当にこれを降りるのか見ていると、60度はある斜面をアッという間に降りていった。すごい人もいるのだ。
 頂上を後に小蓮華岳へ向けて降る。雲も少ずつ多くなり天候はハッキリ下り坂。ガスも沸き視界も悪くなってきた。
 栂池方面から何組も登ってくる人に会う。小蓮華岳から白馬尻へ降る小蓮華尾根への降り口はわかりにくい。 ガスに為初めての場合は見つけることは難しいが、そこはCL下山口を探り当て下降開始。いきなり急傾斜のため、 後ろ向きで、ピッケルを打ち込み一歩一歩足許を確かめながら下降。時間は掛かるが確実に下れる。 やっと傾斜も落ち前向きで下れるようになるが、ガレ場の下降に手間取る。ガスが掛かり視界は極端に狭くなり、 ルートが解りづらい。時には這松を漕いだりしながら尾根を下るが少しルートから外れる。
 CL、征一さん、吉則さん、雲水の順番で急な雪面を下る途中で吉則さんがスリップ、 弾みで征一さんを巻き込み滑落。運良くCLがクレバスを利用して二人を抱き留め、クレバスに落ち止まることが出来た。
クレバスが無ければ二人とも滑落を続け、大事故になったであろう、幸運に感謝。
ルートを探りにCLが下り暫くして戻り、急斜面をトラバースしルートに戻れた。ほっとしたのも束の間、吉則さんが再びスリップ。 今度も斜面の窪みに入り込み停止。
 天気が崩れ雨も降り出す。更に降り傾斜も緩くなり、夕暮れが近いので小高い丘の上にテントを設営。 雪と雨交じりの中ずぶ濡れになったがテントに潜り込めば中は天国。てきぱきと準備を無駄なく進め暖かい食事で落ち着く。 新タマネギのサラダに焼き肉、アルファ米。最期にはコーヒー。 長時間の行動で疲れたのでよく眠れました。

杓子岳5 杓子岳8
小蓮華岳から栂池方面 白馬岳への稜線から剣岳をバックに

 翌日も小雨ながら雨が降り続いている。狭いテントの中で食事を作り、パッキングを終え、装備を調え外に飛び出す。 素早くテントをたたみ白馬尻へ向け下山開始。昨日より傾斜は少ないので快適に降る。
 白馬尻で右岸に渡り一般ルートを猿倉へ降る。最期の林道を下り駐車場まで無事下山。途中の温泉で冷えた体を温め一息、 道の駅で軽い食事、来た道を加古川へ帰る。

 春山のバリエーションを登ることが出来ました。テントを担いでのバリエーションは、体力的にも厳しいが、 テントでの生活技術、悪天候下の行動など、今回色々と経験でき有意義な山行となりました。 まだまだ学ぶことが多いが、楽しく安全にクライミングを楽しみたいものです。


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