大峰山系 モジキ本谷から稲村が岳・岩本谷下降


2005年6月17日〜18日
参加者 CL:雲水・丈夫さん・雅生さん・吉則さん(計4名)

 大峰山系北部の稲村が岳に突き上げる沢と言えば、神童子谷が昔から有名ですが、モジキ谷も人気のある沢です。  大昔の30数年前、まだ学生だった頃ワンダーフォゲル部の仲間と1泊2日の行程で登ったことがあり、 懐かしい沢の一つでもある。
 今のようにウエアも木綿しかなく、ひとたび濡れれば乾きが遅く、いつまでも冷たい、 勿論ウエーディングシュウズも無く、草鞋に地下足袋で登ったものです。
 その時のルートは、二俣を右のドンブリ辻へ抜け稜線を石楠花の藪こぎで稲村が岳に登り、洞川へ降りました。  思い出すことと言えば、滑床の岩の上でビバークして、夜空一面の星空に大感激したこと。  今でもこの時以上の星空にはお目に掛かったことは有りません、いつかもう一度見てみたい星空です。
 期待に反して、昨年の台風で谷筋は大荒れ。水量も少なく大峰の沢にしては物足りなさを感じた沢でした。

 大淀町の道の駅で午後11時、神戸FACの吉則さんと待ち合わせ、下市口から黒滝を経て天川河合へ走り、 洞川への道の虻トンネルを抜けた観音峰登山口にある駐車場に車を止める。
 新しい設備の整った綺麗な東屋で仮眠。翌朝ラーメンの朝食を食べ、 車一台を下山口の白倉谷奥の岩本谷出合に回し、モジキ谷入り口へ移動。
 神戸から来た二人連れのパーティが一組同じモジキ谷を登るという。彼らは下りに葛城谷を選び大川口へ自転車を回送するらしい。 早速支度を調え河原に降り入渓。
 天気は生憎の曇り空。水量の少ない沢を遡行し取水堰堤から本格的に沢登り開始。 小滝が多く、難しい所はないが、やはり大峰、岩が大きい。
モジキ3 モジキ5
水の少ない涸れ沢状態 昔と違い水量が少ない

 快適な遡行が続き、天候も回復傾向に有るのか日が差してきた。大峰といえば大台と同様日本一雨の多い所だが 日頃の行いが良いのか天気にも恵まれ快適だ。
 やがて水は伏流しガラ沢となる。写真を撮ろうとしたがシャッターが下りない。ア!シマッタ!記録カードを入れてない事に気づく。 幸い丈夫さんがカメラを持って来たとの事、代わりに写真を撮ってもらう。 この記録の写真はすべて丈夫さん撮影によるものです。有り難うございます。

 やがて二俣に到着。正面の岩に赤のペンキでルートが記されていた。昔来たときは右の沢を詰めドンブリ辻へ登ったが、 今日は左の本谷を詰める。昨年の台風の影響かここも倒木や流木がやたら多い。やがてこの谷最大の18m滝に到着。 上空からチョロチョロと水が流れ迫力なし。写真を撮りこの滝の右ルンゼをロープに導かれスリルのある高巻きになる。

モジキ4 モジキ1
15m大滝も水量は少ない 水量はチョロチョロと

 きわどい高巻きを終え本谷に戻りさらに上を目指す。
と、突然上から人が下りてきた。 ヘルメットを被り沢山のカムディバイスをぶら下げ、どこを登ってきたのか物々しい格好だ。 この沢を降るという。恐るべし5人組パーティ。
 水もなくなり最近崩れたと思われる岩屑で谷が埋まりガイドに書いてある滝も判別できない。 ほとんど岩登りの世界となる。
源流部を詰めいよいよ頂上稜線へ向け急傾斜(40度)を這い登る。 頂上直下は断崖絶壁のため少し右に避けないと行き詰まってしまうので、更に右上を目指して這い登る。
 漸く笹の茂る稜線に到着。ガスの間からバリゴヤの頭が望まれ、遙か彼方には弥山が大きい山体を現す。  東側は神童子谷へ真っ逆さまに切れ落ち、細い稜線を稲村が岳を目指し、 赤のテープに導かれ石楠花の茂る中を登り頂上に到着。
 神戸からの二人組も到着しており、頂上すぐ傍に登り着いたとのこと。 頂上には展望台が設えてあり、ハイカーが多い。
 ガスが掛かり頂上からは東側に大普賢岳が見えるのみ。座る場所も無いので三角点の周りで軽く食事をする。 入れ替わり立ち替わりハイカーが訪れ、人気の高さを伺わせる。
隣にある大日岳の切り立った山容は、遠くからでも確認できる。

 岩本谷を降る前に、大日岳に登ることにする。頂上からほんの少しで大日岳と稲村が岳の間にある大日キレットに到着。
 ここも人気の場所、ハイカーも荷物を置いて登っている。 我々も荷物をフィックスして、梯子や鎖、ロープを伝い急な岩尾根を登るとすぐに頂上に到着。
 頂上には、大日如来を祭ったお社が二つ並んで建っている。山名プレートも掛かっている前で記念撮影。

モジキ2
大日岳頂上で

 キレットに戻りここから岩本谷へ向け降る。ハイカーからは、こんな所を降るのと驚かれるが、 ここが車へ戻るには一番近いルート。大きな滝も無く難易度も高くない。
とはいえ、出だしから急で足許が悪く、早速懸垂で降りる。50mザイル一杯まで降り、落石を避けながら全員無事終了。 ザレた斜面を落石だけに注意をし割合楽に降れる。
 時々シュリンゲを使うところもあるが、割合簡単に小滝をクライムダウン。  漸く傾斜も落ち、少しずつ水も現れ沢らしくなってきた。 右や左から沢が集まり所々ゴルジュも現れるが、注意すればどこでも降ることが出来る。
 美しいナメ床などもあり楽しく沢下りを楽しめた。2カ所だけザイルを出し懸垂する。 周りが少しずつ開ける頃左岸に林道を確認。這い登り一投足で出合に到着。  振り返れば、大日岳の鋭峰がガスの間から望まれた。 吉則さんの車でモジキ谷出合まで移動。車を回収し、洞川温泉で汗を流し、一路稲美町へ帰った。 雨も、山行中は降らなかったが、車に戻る頃やっぱり降り出した。

 大峰北部の沢で人気の高いモジキ谷は、初心者でも楽しめる沢ですが、やはり水量が多い方が楽しい。
 今回の沢は、水量も少なくあげくに流木と倒木で谷が荒れ面白味に欠ける沢であった。
初めて大峰の沢に挑戦された丈夫さん、吉則さん、印象はいかがでしたか?
 今シーズンも楽しく安全に沢登りを楽しみましょう。


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