木曽の御嶽山から転進、伊吹山へ

 民謡木曽節にも歌われた「木曽の御嶽山」へ雪山訓練と銘打って年末に出かけた。
 御嶽山は飛騨山脈最南端の三千メートル峰で、コニーデ型の火山でもあり、独立峰として知られ頂上付近は絶好の雪山訓練の山である。
 中央高速を中津川ICで降り「寝覚ノ床」などの景勝地を持つ木曽川上流の上松から西へ入った御岳スキー場がその登山口となっています。
 気象庁の予想では「暖冬」と言われていたが、12月中旬からものすごい寒波が日本列島を覆い、日本海側は大雪に見舞われその影響か 太平洋側まで雪が降った。このため阪神高速、名神高速が軒並み通行止めになり、煽りを受けて基幹道路は大渋滞。
 稲美町から垂水まで2時間、米原付近で朝を迎えることとなった。果たして御嶽山まで辿り着けるか。


【山 域】滋賀県東部(湖東)伊吹山地
【場 所】伊吹山
【日 時】2005年12月22日(木)~25日(日)
【コース】伊吹山ゴンドラ乗り場→三合目ホテル→スキー場上部、往路を戻る。
【参加者】CL昌三さん、章博さん、明宏さん、ひろみさん、雲水 (5名)
【天 気】雪後晴れ



伊吹スキー場から関ヶ原を望む
 前夜のうちに上松に到着し仮眠の予定が、渋滞のため大幅に遅れ、翌朝6時過ぎても滋賀県を抜け出せない。 御嶽山を諦め近くの山に変更せざるを得なくなった。関ヶ原付近ではやはり伊吹山をおいて他にないだろうと言うことで目的地変更。 伊吹山麓のゴンドラ乗り場まで小一時間程車を走らせ集落入り口の有料駐車場に駐車。準備をして出発。

 民宿街を抜け、ゴンドラ乗り場から三合目まで運ばれ、一気に冬山へ到着、ホテルを探しひとまず中に入る。 スキーシーズン開幕日で歓迎を受け、中でしばし休憩。スキー客はと辺りを見渡せどもちらほら状態、これでは経営も大変だろう。 スキー客は金を落とすが、山屋はゴミを落とすだけ、どちらかと言えばホテルにとっては厄介者のはずだが今日の扱いはすこぶる丁寧だ。

 良く考えてみると今日登る予定の伊吹山の地図が無い、ホテルに尋ねてもそんな物が有るはずもない。CLと私は以前一度来たことがあり記憶を頼りの山行となってしまう。 留守本部の一典さんには、変更したことも告げていないので、運悪く吹雪にでも閉じこめられ下山出来ないなら一大事。 登山届けも無しでの入山で、捜索にでもなれば「御嶽山」てなことにもなりかねない。無理は禁物、登頂出来ないでも雪山訓練は出来るはず。


わかんの装着に悪戦苦闘中

具沢山の夕食の準備
 ホテルを出るとそこは雪が吹きつける雪山、リフト最上部の上にあるテント場を目指し出発。 スキー場のゲレンデとはいえ大雪のため「わかん」無しでは膝まで潜ってしまい10m進むにも大汗をかく。 以前いなみ山の会の夜間登山で来ただけの記憶を頼りにゲレンデを進む。ガスのため周囲は全く判らず進むスピードも上がらない。ついにCLから「わかん」装着の指示が出る。 章博さんは雪山が初めてのため装着に時間が掛かる、見かねて仲間で装着を手伝いやっと履くことが出来再び出発。

天気は相変わらずガスと吹雪、暫くラッセルを続けるがここら辺が限界と見極めCLから戻るよう指示が出る。 夕暮れの時間も近いので、適当な斜面を整地しテントを設営。しかしここはゲレンデのど真ん中本当に大丈夫か少し心配である。 相変わらずの吹雪だがテントに入ればそこは天国、靴のまま入り一息つく。

 夕食までたっぷりと時間があるので、バーナーでお湯を沸かしティタイム。 相変わらず外は横殴りの風と雪、この天気ならスキーヤーも滑ってこないだろうと一安心。山行での出来事等ぐだぐだとしゃべり頃合いを見計らって夕食の準備に取りかかる。
CLの献立で、本日はビーフシチュウとハンバーグ。準備も万端で材料も既にカット済み、何と手回しの良いこと。CLに感謝感謝。
 α米をお湯で戻し、いよいよ調理開始。肉の焼ける香ばしい匂いに腹の虫も騒ぎ始める。コッヘルに山盛り一杯、本当に食べきれるか心配な量だが、日本酒も入り全て腹に収まったのには驚いた。


 お腹も膨れ身体全体が暖かくなってきた。一晩中寝ずに走ってきたので気持ちよく寝られそうだ。 外も幾分暗くなってきたが相変わらず吹雪いている。後は明日の天候の回復を祈って寝るしかないので、片付けて寝ることになった。
章博さんは初めてなので中程に、CLと私が両サイドで寝ることに決定。新しいスキンマット敷きシラフに潜り込む。

スキー場から関ヶ原を望む

朝のテント場にて
 最初はぐっすりと寝ることが出来たが、途中から背中が寒くなって目が覚める。 端に寝ていたので雪のためテントが埋まり動きがとれない状態に気が付く。オマケにマットの空気が抜けている。 空気が抜けたことにより体温で雪が解け、身体ごと沈んでいたのである。道理で寝難いはずだ。 雪を押しのけどうにか埋まることは無いが、寒いので熟睡出来なかった。

 翌日は少し天気も回復傾向か外は明るい。食事を手早く済ませテントを撤収。 頂上は無理としても出来るだけ上に登り雪山訓練をする事になる。ゲレンデの端をラッセルしながら登る。
 さすがにゲレンデ、圧雪しているので余り潜らない。先頭を交代しながらリフト最上部に到着。振り返れば3合目ホテルが望める。
 ここからゲレンデを離れ上部台地目指してラッセルの訓練となる。左斜面からの雪崩に注意しながら樹林の中を選んで進んでいく。
 深さも膝くらいまで潜る、大股で一歩一歩踏みつけながらのラッセル。深雪には短いピッケルでは全く役に立たない、 やはりWストックの方がバランスを取るにも楽。
 次第に傾斜がきつくなり稜線に近づくにつれて風がきつくなる。 目出し帽を被っているので眼鏡が曇り前が見にくい。終いには外さなければ見えなくなる、雪山で苦労させられることの一つとしてこの眼鏡が上げられるが、 どなたか良い解決方法を伝授願いたいと感じているのは私だけではないだろう。

 尾根に登り着きしばし休憩。風が強くジッとしていると寒い、何か食べようと思うがザックを開けると雪が舞い込み中が濡れないか心配だ。 CLから、ここで訓練を行うと指示があるが、雪が深く急な斜面だが滑落しない。斜面を踏み固めるため全員で横一列になり何度も往復する。 最初は滑落停止訓練。ピッケルの持ち方構え方を教わりいざ実践。雪が締まっていないのでピックが刺さっても本当に止まったのか判らない。 頭から前のめりに転けた場合のピッケルの打ち込み方も練習。次にザイルを結び、肩がらみでパートナーを確保する訓練を行う。 スノーバーならぬ棒状の杭を雪面に深く埋め込みビレイ点を作る、こんな物と思ったが意外や意外しっかりと食い込んでいる。
 雪面に足場を固め斜面沿って身体を傾けた姿勢を作る。パートナーを滑落させ止める訓練、コツはザイルを流しながら徐々に止めること。 急に止めようとするとショックが大きく一緒に引き込まれてしまい危険だ。時間も昼前になり訓練を終え降る。相変わらず風が強く寒い。 章博さんは初めての経験、装備の点で色々改善する必要性を、身をもって体験できた事でしょう。お疲れ様。



伊吹山(ゴンドラ乗り場前)
 降りは割合早く降れた。ゲレンデの声が聞こえるようになりスキーヤーもチラホラ。 風が強いのでホテルで食事をする。お昼時沢山のボーダーで賑やか、天気も回復日も差してきた。ゆっくり休憩し本日のねぐらを探しに外へ出る。平らで周りに木がありゲレンデから少し離れた場所を見つけテント設営。 トイレも作り極上のテン場が出来上がる。2日目の献立はビーフカレー。日も落ち風も収まり星空が綺麗だ。マットに問題があり持ってきた物全てを着込みシラフに入る。 敷物を工夫し何とか寝ることが出来た。雪山にとってマットの破損は大問題、寒くて眠れないのは体力に影響する。やはり取り扱いには十分注意が必要だ。

 翌日は快晴。早めにテントを撤収しスキーコースに沿って下山。途中から一直線に沢状の斜面を降る。注意点はゴンドラの下を西側へ大きくずれないで降ること。 一度林道に出るが尚も一直線に降りゴンドラ乗り場へ無事下山。車を回収し米原から高速道路に入り渋滞もなく早めに垂水まで帰ってきた。  今回は異常な天候のため目的地には行けず残念でした。もう一度3月頃に再挑戦してみたい。その時はよろしくお願い致します。皆さんお疲れ様でした。



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