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 M05  LANケーブルの作り方      y-326
 

1.ツイストペアケーブル
ツイストペアケーブルとは、その名が示すとおり2本の
ケーブルを撚り合わせて1ペアとした形状のものを指し
ます。こうすることにより、単純に2本のケーブルを平行
に引いたときよりも外界からのノイズ耐性が高くなり
ます。
LANケーブルでは、4ペア8芯タイプのツイストペア
ケーブルが主に使われます。

シールド被覆の有無で2種類、STPとUPTという違いが
あります。STPは前途の通りツイストペア線がシールド
されており、外界からのノイズ耐性がUTPに比べて高く
なります。

ケーブルの性能(周波数特性)によってケーブルの
グレードがクラス分けされています。
グレードは「カテゴリ○」と表記され、数字が大きくなる
ほど高速伝送にも耐えるケーブルとなっています。
2.モジュラープラグ
LANケーブルの両端に取り付けるプラグも用意する必要
があります。これも、単線用と撚り線用、STP用とUTP用
などがありますのでケーブルと合わせて準備します。
3.圧着工具
ツイストペアケーブルとRJ-45モジュラープラグをかしめ
接続するための専用工具です。
4.ケーブルテスタ
LANケーブルが正しい性能を有しているかをチェックする
機械です。
単にケーブルの導通チェックを行うのみならず、作成した
ケーブルの高周波特性調査やツイストペアのペア誤り
検出等の機能も備えています。
5.ニッパー
6.カッター
 
結線
LANケーブルの結線には2種類、「ストレートケーブル」と
「クロスケーブル」があります。
ストレートケーブルはHUBとパソコン、HUBとADSLモデム
などを接続する場合に使用します。
クロスケーブルは、パソコンとパソコンをダイレクトに繋ぎ
たいときや、HUBを多段接続する時のみ使用します
(但し最近のHUBは、多段接続時にもストレートケーブルで
接続可能な製品が一般的です)。
現在はストレートケーブルがあれば問題ない環境になって
きていますので、クロスケーブルを作成するのはごくまれ
でしょう。

結線の前に、RJ-45モジュラープラグのピン番号を確認して
おきます。
上の写真のように、プラグの爪のないほう
端子が見えている方を手前にし、左から1番と数えます。

 
左図は、その568B方式でのストレートケーブル、クロス
ケーブルの結線図です。
4つのペアのうち、10BASE-Tと100BASE-TXでは、実は
2ペアしか使われていません
(図の送信+等と書いてある箇所)。
1000BASE-Tでは4ペア全てが使われます。

クロスケーブルは、ストレートケーブルの片方の結線を
一部入れ替えたものです。パソコン同士を直接接続する
事を考えたとき、ストレートケーブルで接続してしまうと
送信同士・受信同士を繋いでしまうことになり、データが
送受信できません。
そこでケーブルの片方のみ、送信と受信を入れ替える
目的で1番と3番・2番と6番を入れ替えます。

 
次に、RJ-45モジュラプラグにはめるために撚られている線を
真っ直ぐに延ばし、順番通りに整えます。
何も考えないで真っ直ぐに延ばして順番に整えようとしても
うまくいかない事があるので、まず写真のように十字に
分けます。十字に分けますが、その時にも、モジュラプラグに
差し込む色の順番を意識して、「橙のペア、緑のペア、
青のペア、茶のペア」の順に時計回りに配置するといい
でしょう。

そして、モジュラプラグに差し込む色の順番で、
ケーブルを真っ直ぐに直し、その都度並べていけば綺麗に
いきます。

最初は「白橙・橙」なので橙のペアをバラし、
左から白橙・橙の並びにします。

ペアを真っ直ぐにするときは、被覆の内側5mmくらいまでを
真っ直ぐにするつもりで作業をすると綺麗になります。

 次は「白緑」なので、緑のペアをバラし、白緑を橙の隣と
します。
そして「青・白青」をバラし、白緑と緑の間に順番通りに
並べます。

最後は「白茶・茶」をバラし、結線順に整えます。
色の順番を整えた後、被覆の端を左手の親指・人差し指で
押さえ、ケーブルの端部を右手の親指・人差し指で押さえ、
その状態で左右に揺らすように動かすと、ケーブルに
かかった癖が取れて真っ直ぐになります。

ケーブルが素直になったら、モジュラープラグに差し込む
ために必要な被覆から2cmを残して、先端を切断します。
このとき、少し手でケーブルを持ち替えたくらいでケーブル
の順番が狂ってしまうようであれば、まだケーブルに癖が
残っている証拠です。
被覆の端とケーブル端部を硬く押さえて前後左右に揺らし
無用なテンションを取るか、被覆内部数ミリまで真っ直ぐに
なっているか確認してください。
 
 
ケーブルの順番が狂わないように気を付けて、ケーブルを
モジュラープラグに強く差し込みます。
このとき、確実にケーブル端部がモジュラープラグの前端に
達しているかを確認してください。
中途半端にしか差し込まれていないと、接触不良で
通信エラーの原因となります。
また、ケーブルの被覆も、モジュラープラグの奥まで差し
込まれているか確認してください。
モジュラープラグを真横から見ると判りやすいと思います。
これは、ケーブルとモジュラープラグとの物理的接合を、
主にこの被覆端部のかしめで行うためです。 
 
 ケーブルをモジュラープラグに強く押し込んだまま、
圧着工具に装填します。
圧着工具にプラグを装填したら、ケーブルの被覆も強く
モジュラープラグに押し込みながら圧着してください。
強く押しながらでないと、被覆がモジュラープラグから
抜けることがあります。
圧着が終わったら、被覆がきちんと差し込まれているか
ケーブル端部はきちんとモジュラープラグ前端まで達して
いるかどうかを目視で確認します。もし不適切なら、
モジュラープラグの根本でケーブルを切断し、
やり直しです。

最後にケーブルテスターで、結線が正常かチェックします。