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N01 絶縁抵抗測定の方法 y-326

絶縁抵抗計(メガー)

測定は幾つの測定方法がありますが、最も多く
用いる方法はメガーと呼ばれる絶縁抵抗計を
用いた測定です。

メガーによる測定は簡単で扱いやすい上測定器
が小さいので現場での測定に向いています。

メガーは本体に2本のプローブを接続して使用
します。

プローブは一方がワニ口クリップ、一方が棒状
の金属になっており、ワニ口クリップをアース
端子、棒状のピン型プローブを被測定回路に
当て測定します。

測定方法 

1)被測定回路を非充電状態に。
被測定回路は無電圧状態にしなければなりませ
んので、被測定回路の直上の遮断器、
ブレーカーをOFFにします。

その後、検電器等で無電圧を確認します。

2)ワニ口クリップをアース端子に接続。
確実にアースされている所にワニ口クリップを
はさみます。
アース端子が一番望ましいです。

3)アースチェック
ピン型プローブをアースされている金属部分に
当て、メガーの測定ボタンを押し、メーターが
0を指示することを確認します。

これをアースチェックと言います。

一見ワニ口クリップがアース端子に接続されて
いるように見えても、実は絶縁部分に噛んで
いるいる事があります。

この場合、被測定回路の絶縁抵抗が0であって
もアース端子とワニ口クリップが確実に接続
されていないことにより、メーターの指示値が
間違った正常値を示してしまうので、
アースチェックを行いこれを防止します。

4)測定
被測定回路に当、メガーの測定ボタンを押す
そして、メーターの測定値を読み取ります。

5)被測定回路の放電
被測定回路の残留電荷を放電します。

静電容量が大きい回路の場合、測定時に印加
したメガーの測定電圧により電荷が残り、感電
の恐れがありますので放電が必要です。

最近のメガーは放電機能付が多いので、
この機能を利用して放電します。

アース端子にワニ口クリップを接続した状態で
ピン型プローブを被測定回路に当れば放電
します。当然、放電は測定ボタンを押さずに
行います。

測定上の注意点

被測定回路は無電圧になっているか?
被測定回路は無電圧にしなければなりません
無電圧になっていることを確認してから
プローブを当てましょう。

測定電圧は正しいか?
電圧切り替え型の場合、被測定回路に接続
されている機器を破壊しない測定電圧を選択
しているか、確認の必要があります。

検査電圧はDC125V250V500V1000Vなど
マイナスの直流電圧が出ています。
検査電圧はピーク電圧以上の電圧で測定
すべきです。対地電圧が100Vなら、直流150V
以上で測定すべきです。

特にパソコンやインバーターは、内部部品が
定格電圧を超える電圧に弱いので注意が
必要です。

被測定回路の静電容量

コンデンサ、ケーブルなどの静電容量の大きな
電路の測定では、絶縁が正常でも静電容量を
充電する為電流が流れ、測定開始直後は0Ω
を指示します。

この場合は

①メーターの指針が上昇して止まるのをまつて
から読み取る。

②被測定回路が遮断器や開閉器などで分割
できれば分割する。

③メガーの測定電圧を被測定回路負荷に影響
がない範囲で電圧を上げる。

④静電容量の大きい負荷を切り離し、電路・
負荷を別々に測定する。

絶縁抵抗の下限値

絶縁抵抗の下限値は電気設備技術基準で
以下のように定められています。
電路の電圧  絶縁抵抗値 
300V以下 対地電圧が
150V以下の場合
 0.1MΩ
 その他の場合  0.2MΩ
 300Vを超える   0.4MΩ
対地電圧とは、接地されている電路であれば
電線と大地の間の電圧、非接地の電路に
おいては電線間の電圧となります。

例えば中性点が接地されている
単相3線式100/200V回路であれば、対地電圧
は100Vですので、0.1MΩが下限値となります。

特に測定電圧の取り決めはありません
屋内配線だけで電気機器が接続されていない
場合の絶縁測定はDC500V~1000Vの高い
電圧で測定するのが望ましいです。

停電出来ない回路の
絶縁測定


最近負荷がパソコン、サーバーなどなかなか
停電できない状況が多くあります。

しかし、メガー測定は停電しないと使用出来
ません
停電しないで絶縁測定を実施する場合は
クランプ型漏れ電流計を用います。

クランプ漏れ電流計で、被測定回路を
クランプします。

この時、
単相2線式では2本
単相3線・3相3線式では3線
3相4線式では4本の線をまとめてクランプ
します。

被測定回路が正常であれば零相電流は小さく
なります。
逆に、漏電が発生していれば、漏れている
電流値がメーターに表示されます。