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技術資料室

A06  遮断容量(短絡電流)の選定    y-326
NFBの第1次機能は事故電流を安全に遮断す
ることであり、このため
(電技38条5項及び内規150節5)において
「過電流遮断機はこれを施設する箇所を通過
する短絡電流を遮断する能力を有するもので
なければならない」

ここでいう短絡電流とは金属による完全短絡
を考えて、推定される短絡電流の最大値をも
って定義し、これを計算等により推定しこれを
上回る遮断容量をもったNFBを選定するのが
原則である。

しかしながら電技によると、低圧電路に限って
短絡事故点及びNFBの遮断容量について、
下記により考えてよいことになっている。
  
1.主遮断器としてのNFB

1-①主配電盤の母線までの電路が裸導体で
ある場合には主遮断器としてのNFBは、その
負荷側端子(図 X 1)における短絡電流よりも
大きい遮断容量を有する事。
             A > X 1    

1-②主配電盤の母線までの電路が絶縁電線
ケーブルまたは絶縁バスダクトでもって施設さ
れている場合には主遮断器としてのNFBはその
延長上の母線(図 X2)における短絡電流より大
きい遮断容量を有する事。
              A > X2
2.フィーダのNFB

2ー①分電盤に至るフィーダが裸導体により施
設される場合にはフィーダ用遮断器としての
NFBはその負荷側端子(図 X3)における短絡
電流よりも大きい遮断容量を持つこと。
              A1 > X3    
 

2-②分電盤に至るフィーダが絶縁電線ケー
ブルまたは絶縁バスダクトにより施設される場
合には、フィーダ遮断器としてのNFBは、分電
盤電源端子(図 X4)における短絡電流よりも
大きな遮断容量を持つこと。
              A2 > X4
3・分電盤主遮断器としてのNFB
    
NFBはその負荷端子(図 X5)における短絡電
流よりも大きな遮断容量をもつこと。
              A3 > X5    
4・分岐回路のNFB

第1負荷点(図 X6)における短絡電流よりも大
きな遮断容量を持つこと。
                  
300KVA以下の変圧器のもとにおけるNFB

100V 200V級の単相及び3相で、300KVA以下
の変圧器から供給される電路の短絡電流は下
表のように考えてよい。    
 電路の区分 定格電流
(A) 
最大短絡電流
(A) 
 100KVA以下の
変圧器から
供給される電路
 30A以下 1500A 
 30Aを
超えるもの
 2500A
 100KVAを超え
300KVA以下の
変圧器から
供給される電路
 30A以下  2500A
 30Aを
超えるもの
 5000A
したがって、上記の電路に施設されるNFB
は少なくとも上表の最大短絡電流より大きな
遮断容量をもっていなければならない。