MEMBER'S PAGE YOSHIKI(9)
HIDEが、サーベルタイガーを解散し、美容師1本でやって行こうと決意した頃の]は、「Xなんか絶対入んない方がいいよ」と皆に言われるぐらいひどいバンドだった。ライブハウスの人が「やめとけ」と言う。噂もホントに、「]」のこと良くいう人っていうのに出あったことなかった。素行が悪いからっていうのと、“暴れる”っていうのがいちばんだったらしい。が、『昔HIDEのバンドに『入らないか』ってYOSHIKIとTOSHIが誘われたことがあり』、HIDE自身もそれなりにYOSHIKIへの興味を抱いていた。HIDEの心の中には、全くの否定ではなかった。ドラムのテクニックにしろ、容姿の魅力にしろ、自分のバンドに入ってもらいたいなにかを認めていたようだ。HIDEのバンドからの誘いの頃より、『その頃からもうヒデとは知り合いになってて』、知り合いになってるということは打ち上げとかその他で会話もしていたということだろう。また、YOSHIKIの方からも、HIDEにバンド加入を誘いかけた。HIKARU,JUNが抜けた後、TAIJIが入って、『タイジとメンバー探しにいったりしてて、・・まあ、最初からヒデは頭にあったんだけど・・俺が引き抜きに行ったんだ』。ヒデのバンドは人気もばんばん出てて凄い順調だった。『それなのに『行ってくるわ』って1人で、“セブンス・アベニュー”かなんかに行って、で打ち上げに行って『組まない?』って。どうして今順調なバンドがこんなボロボロなバンドに入るのか、みたいなのあるんだけど』『結構堂々と言っちゃったっていうか、他のメンバーいる前で言っちゃった』。向こうのバンドを目の前にして言ったというから、無謀な]を率いる評判どうりの無謀なYOSHIKIの非常識を疑われたに違いない。。HIDEの方は、その時周りから「]なんか絶対入んないほうがいいよ」って言われたとのこと。順調なバンド活動ができてる時に、そんな話に乗ることも考えることも出来ないのは当たり前。しかし、思うに、かつて自分の方から誘いに行ったYOSHIKI本人が、誘いに来てくれた、しかもこそこそじゃない、無謀にも公然と誘ってくれた、という事実は、HIDEの心に衝撃と感動を与えたんじゃないか。自分が好きだといった人から、時間をおいて好きだと言われたようなもんだから。前に断っといて今さら何をと思うのもあることだが、そうじゃなくHIDEは嬉しかったんじゃないかと思う。その時は実現しなかった話が、HIDEのバンドの解散によってにわかに現実味を帯びてゆく。それは、HIDEのYOSHIKI個人へに抱く魅力が後押ししていたように思う。