REPORT 2
2006・02・25 「 Underground Heaven vol.2」 GALMA 町田 WEST VOX papa
Underground Heaven
Vol.2の町田は、選挙戦(市長・市議会)決戦の最終日に当たっていた。通りを行き交う選挙カーにあおられて、浮き足立ってる町風景。外部の侵入者にも熱い視線を投げて来るが、当方の決戦はライブハウスにあり。4時open5時startと今回も早いが、場所も知ってる余裕があざになり、スタート5分前の到着になってしまった。半時間前には到着したかったが、心理的に決戦場に遅れるというのは半分勝敗を逃している。前回寂しかったエレベーター口は、今日はそう感じなかった。B1に降りると、受付の後ろ側、先回りの場所に降りる。正面階段から降りてくる入場者を待ちうける受付の裏をかく登場は、どこか楽しい。が、待ち受ける側もそこがポイントか、リーダーもそこにいて予約のケイタイグッズを頂いた。手作りというシロモノは、重量感あってしっかり出来ている。大量生産ほどの安価ではないが、心血を注いだ手作りは、将来バンドのメジャーを待って値打ちが出そうな一品。投資に興味のお方はお買い時かも。そんな商談をしてる間も5分は刻々減少し、受付を済ませ会場に入った。ざわついている会場内は、スタート前の期待と緊張がお客の顔にも投影され、話し声、その表情にも躍動を見せている。10分ぐらい遅らせようかというささやき声。当方も駆けつけ3杯食う時間がほしかったので、内心ラッキー。今日は4バンド(@WHAT'S
THAT
MEAN? Aベーキングパウダー Bきらぼし CGALMA)。@はAwake率いるバンドなので見逃せない(別途レポ)が、Awake氏がマネジャーを務めるGALMAがやはり本命か。@にも軒を借りて母屋を取るぐらいの気迫を、GALMAにとっては軒を貸して母屋を取られる危機感(軒は貸してもそこまでは見当違いを思い知らせる鬼気感?)にさいなまれる、切磋琢磨のせめぎ合いを期待したいところだ。きらぼしにはリーダーのいとこにあたるうまいギタリストがおられ、ベーキングは愛嬌あふれる地元のバンドらしいので、この一団が全体として上昇に転ずれば申し分ない。
8時17分、準備が続行されているステージはもう少しかかりそうな状況だったのに、突然演奏が始った。自分の油断か、スタート合図を聞き漏らしたか。こういういたずらも面白い。油断の会場を慌てさせるっていうのも。]がいつか、いつもスタートが遅れていたのを、スタート前にはじめたらしい。グッズ買ってる人やゆっくりしている人が、慌てたという。作り出すハプニングも次のライブにはドキドキ感につながってゆく。今日のドキドキはGALMA新ボーカルの登場と新曲「新世界」に焦点が当たっている。GALMA見参の軽快な足音を響かせる演奏、1〜2分の短い気炎をあげるリズミカルな演奏が目的を終えると、続けて次の曲調が始り、バックの光点が放つストロボの閃光が輝きと闇を織りなす中、新ボーカルNobyのシルエットが右ステージより登場。マイク前に進んで鬨(とき)の一声。薄暗いシルエットが、マイクをハンドに持ち替えた瞬間、スポットが当たりお披露目となった。声量は太く、圧倒的なボリュームの演奏にも飲み込まれないしっかりとした発声。ステージ全体にも照明が当てられ、Gogaの粋な黒テンガロが白い肌黒ベストにのぞく肌の対比の際立ちを顔の色っぽさに集約させて輝いている。「おお、色っぽいじゃない!」と同感の方も多いんじゃない?。リーダーは派手なアロハスカート風短パンに覆面ギャング。Nobyも頭上に帽子を載せて半袖Tシャツにキャミソ重ね、編みタイミニスカ衣装。バヤシはサングラ。1曲目は『45』(と、メンバー間では言ってるらしい)。ベースのみなぎるステップ、どッしりと抱え込んだギターの立ち居。演奏のリズムを強く打ち出しているバヤシのドラム姿は、リズムの貢献度に比べ奥まった暗さの中、ステージ3人のスクランブルな動きに視線を奪われ、視界に届きにくい。ドラムの躍動をさらに反映させればステージがアクティブ、攻撃的になるかもしれない。強烈なリズムは会場の床を熱した鉄板にして、人をはじける水玉に踊らせる。左手を泳がせ、歌のテンポを取りながら、あるいはマイクに両手を添えながら床に視線を落とし、練習の成果全開に今一歩不安な足止めを食ってるような戸惑いが読み取れる。コーラスがバックのギター、ベースから放たれると、ボーカルはステージ後ろに下がって、KITAHARA高速ギターが歌の間奏を埋めてゆく。高速回転が回り切るところで後ろのボーカルに目配せ、目の前に迫る客のステージ前に進み出る。きらぼしボーカルは、このステージが気に入ったと言っていたが、初めてのボーカルにはインパクトが強すぎるかもしれない。ほぼ目線は同じ目の前に客だから。歌の〆は短い節のコーラスの繰り返し、ギターを高音へ引き上げた所を引き伸ばして終る。Vo.MC「ありがとうございます&スイマセン」。引き取ってリーダー「ハイ、お詫びを言えた所で、今日はボーカルが新人ということで厳しいヤジはお断りします(笑)。あたたかく見守ってやってください(へぇーへぇーしながら、覆面が)、これ、結構息苦しいんです(大笑い)。今日は本当にありがとうございます。時間も押してますので、巻きの方向で行ってみたいと思います」。Vo「ネクストソング、ガルマ」。ギターのイントロが入り、雄大な伴奏が一旦休止するとVo「行くぞー!」。テンポが急展開に激しさを加え、ゆったりとボーカルが曲の中に歌を載せてゆく。次の小節に入るところで急ぎすぎたか出だしを間違え、歌いだしてすぐ口を押さえ、両手の肩を上げ下げ後ろを向いたりと場の繕いに照れ笑いも動員。何秒か後には無事に軌道に戻ったように大きな声量で客を呑み込んでゆく。が、ちょっと下を向く回数も増え、歌詞忘れを防ごうと準備したものが足下にあるらしい。後での話では3日前に歌詞を渡したばかりとのことで、無理もない。歌い終ると伴奏の続く中、首でリズムを取ながらハンドのマイクをスタンドに戻して「ああ、歌い終わった」とホッとした表情で、暗いステージ後ろへギターソロと入れ替わった。ギターのソロ速弾きが繰り広げられる後ろでは、ライトに片身が照らし出されたGogaの半顔半肩が白く輝いて、先ほどひきつけた視線の後を追ってしまう。ギターの演奏が終ると足早にVo.マイクを引き抜いて、続きのセンテンスを歌い繋いで、サビ部を展開して力唱してゆく。ステージ後ろに下がった距離から、終ったのかと思ったのは勘違い、まだ続いていた。だんだんと伴奏のリズムが大きく間隔を取り出して、ギターのイントロに戻り、再び声量一杯の叫びをあげて終る(拍手)。Vo.MC「・・・&スイマセン」。ステージ前の気心知れた人に「こんばんわ、こんばんわ」と挨拶のジョブを交わしながら笑ってごまかして「許して・・」、笑って「何?」、笑って「皆さん、ありがとうございます、来てくれて」、笑って顔をマッサージしながら「生まれて初めてのステージなんで、あんまり責めないで下さい・・ハァ・」(客も大笑い)。ステージにしゃがんだ後をリーダーMC「ありがとうございました&スイマセン。これは僕が言えと言ってます。ノビは町田の某洋服屋さんで店長が紹介してくれまして、どうしても本気でやってみたいということで、試用期間を設けて今回起用しました。今回のヤジがあんまりきつい様だと、本人に勧告処分という事になりますので・・・あのー、乗せてやると結構実力を出すタイプと思いますので・・(ベースの音響機材が調子悪いのか、GogaがMCもそっちのけで試弾きをしているのを、リーダー「邪魔だなぁ」と何度も振り返りながら(会場は大笑い))・・ベースのワンマンショーが終わったところで」としゃべって、ボーカルニコニコ顔で起き上がって「ネクストソング、ノーネイム」。軽快なドラムがリズミカルに走り出し、ギターのノイズが響くと、アップテンポに乗せられて、Voが入る。声を腹底から響かせて自分の持ち場を務めあげる。ギターのソロにマイク前を明け渡し、それが終ると戻ってVo.「ありがとうございます&スイマセン」。今度はギターの調子が変調きたしたらしく、リーダーしゃがみ込みチューニング。Vo.「ギターの人が(といった所で会場大笑い)・・ギターがちょっと調子悪いみたいなんで・・・トーク?・・それじゃ荒川静香のモノマネ(イナバウアーのジェスチャー)」。リーダー一際大きな声で「スイマセン」。Vo.「それじゃ皆さん、おなじみのあの曲を・・ヒヒッ・・ラスティ」といって客にマイク差し出し「ネイル!」。ギターが導入を切ったものの音程がずれて、リーダー「スイマセン」。チューニングすぐ終えてVo.「お待たせしました、行くぞー!」。ギターのイントロに何度か大きなリズムが重なるとラスティネイルが始った。客から渡されたブーケをかざしながら、ラスティリズムに聖火を高々と掲げるように縦乗り、バンザイの振りで自分も舞い、客を煽り、一時の緊張がゆるんだように客共々楽しく歌った(ベース後ろの機材ではスタッフがかかりきりで調べてる)。終るとVo.「ありがとうございます&スイマセン」。リーダー続けて「本当にスイマセン、なんでトラブル続きで・・・ノビ・・トークでもやれ!」。Vo.「ハァーハァー・・・えぇ・・・あー・・・そうだ・・・へぇー・・・えっーと・・アンダーグラウンドVol.2に来て頂いてありがとうございます。実は私、Vol.1ではお客さんでした。まさか私が立つとは思いませんでした、へへへェ・・えっと・・・えっーと(後ろを向くとOKのリーダーの合図)、ハァ(と深呼吸)・・ちょっと待ってください(としゃがみ込む)」。リーダーあたたかい目線で「ハィ、チェックします。何か歌が聞こえないと思ったら、そこに紙が・・・何かおかしいと思ったら・・大丈夫」。Vo.「それでは皆さんを新しい世界に」。リーダー「いきなり!(笑)」。Vo.「ここに来てくれた皆さんを新しい世界にいざないましょう。We
come to new world
カモン(恥ずかしそうに力なく)」。(本日の新曲が始りかけるも調子悪く、再びセッティング)。リーダー「スイマセン&スイマセン、気を取り直して」Vo.[気を取り直して」リーダー「新曲です」Vo.「アー、新曲です」リーダー「あっ、どうでもいいか」Vo.「なんで!We
come to new
world.カモン」。出だしのリズムを打つと体を踊らすリズムが走り出す。今日お奨めの一曲ということで気合の入った演奏。Vo.も渾身の力唱で正面を見据えてる(たまにチェックも兼ねて下向く)。間奏はまくし立てる速弾き。終ってVo.「ありがとうございます&スイマセン」。ギター、チューニング音を2、3度響かせて音響ブースのスタッフへ指示「中音のハイを落としてください。モニターからギター多く戻して下さい」。リーダー「ガッツ!」とVo.に声かけるとVo.「気合だ!気合だ!」。リーダー「本日はまれに見るボテボテライブに・・・(大笑い)、お金は返しませんが、気持ちだけ・・・(笑・・マイクを取って)それじゃ、恒例のメンバー紹介」。ドラムのはじけるリズムが始ると、ベースGoga(簡単なソロ)、ドラムバヤシ(簡単なソロ)「先ほどから何度もスイマセンのニューフェイスNoby!」。ノビ「研修期間中のNobyです。よろしくお願いします」。ここでバトンタッチでギターの紹介をVo.がする順だが、新人の負担を考えて、リーダードラムの演奏を制止して「俺が、KITAHARAだ!!(バンザイ)、OK、ありがとうございます(客から歓声)。じゃラスト、1曲決めようということで、今日は機械的なトラブルにやられちゃいました。ということで、今日出来が悪かったのは、ヒザが悪かったという理由で、じゃ最後、タイトルコールを」。Vo.「ラストソング、エッ?、“モ”スカレード。行きます!マスカレード。行くぞー!!(バンドと調子合わず)えっ?、えっ?」。導入のギターのノイズ音が、形となってリズムの軽快さを帯びて全開の伴奏に達すると、Vo.の骨太の声が聞きなれた旋律を辿って行く。まん中に新しくVo.のおしゃべりの入る間奏部分が加わり、頭の記憶の旋律が先走るように曲の展開を先導してくれる。ノリノリな会場、フィナーレを華やかに演出して終る。Vo.「どうもありがとうございました&スイマセン」。リーダー「本日は本当に忙しい中、ありがとうございました。僕たちが主催するUnnderground
Heaven、今日Vol.2ということで、すでに企画書ではVol.4002、4千飛んで2まで上がってますので、死んで灰になるまでロックして行きたいと思います。今日は本当にありがとうございました。またお会いしましょう」(拍手)。メンバー左よりGoga、Noby、バヤシ、KITAHARAの順に並び、バンザイをして終る。9時10分。
アクシデント続きで、ボーカルには酷なデビューのステージとなってしまった。太い発声は練習すればいい味を出す声。本来ならもっと寒々しく白けるステージに、ホンワカとした雰囲気が漂ったのは、ボーカルの根明な“笑い”と温和な性格が染み出していたからだろう。アルバム発売も考えてるようなので、それに合わせて歌を磨いていただきたい。今回の試用期間のカウント、勧告処分への積み上げは無し。乗せれば実力出すタイプと見てるにも拘らず、お膳立てが全く出来なかった訳で、次は“乗せられた”姿に遭遇したいと願ってる。
間違えた所もたくさん有ると思いますが、最後まで読んで頂いて有難うございますm(__)m