REPORT  5

2004・11・28   インビシブルマンズデスベッド   心斎橋DROP       papa

昨年4月奈良ネバーランドでのRa:INの前座に出ていたインビシブルマンズデスベッド。それが最初の出会いであった。独特なライブパフォーマンスになぜか引き付けられ、数日後京都磔磔のライブでも再会、メンバーがバンド紹介のパンフを持って客に話しかけに来てくれたが、その際武田君と話しが出来、「このままのスタイルでやったら良いよ」と話したのを覚えている。アンケートにはアドレスも書いておいた。音楽も特異ならボーカル・デスベッッドも独特なアクションで歌う。そんなステージをしばらく見ないとやたら見たくなって来るのは不思議な生理現象。どこかに何かが隠れているのかもしれない。そして去年の12月、彼らがテレビ東京『日経スペシャル ガイヤの夜明け』に出た。2003年12月2日『革命児の新たなる挑戦状〜音楽ビジネスの常識を破れ〜』のタイトルで放送された番組。大手レコード会社(ソニー・ミュージックエンタテイメント)を退社した丸山ワクチンの開発者を父に持つ丸山茂雄さんが『247ミュージック』を立ち上げ、大手レコード会社が立ち並ぶR246号に対抗して、新たな音楽事業に乗り出す話しであった。その『247みゅーじっく』の下にある3つのグループ会社の一つ和製ロックの『ウッド・ゴー・レコーズ』の第一号ミュージシャンがインビシブルマンズデスベッド。彼らの挑戦を放送していた。最近その放送分が日本経済新聞社より『ガイヤの夜明けU』で出版された(2004年10月22日)。丸山さんがなぜ彼らを選んだかはわからない。
 ドラム宮野が、マネジメントを引き受け、自分達のバンドを自分で売り込む。アルバイトも辞め慣れない広告宣伝に苦心する様子が映しだされていた。その放送の12月までに2回、その宮野とライブ場入口で偶然あう事があった。1回目は、難波のライブ場で用待ちで外扉前にいたところ、カップルが入って来た(女性はいつも一緒の物販の人と後日分かってくる)。何も気に留めなかったが、突然当方の名前を言われてびっくり。ライブはスタートしていたが、自分達の出演時間前ギリギリの到着。もう1回は京都。雨降る日で、地下鉄への入口B1にライブ場があって、濡れた傘・服を直していた所に入り急ぐ宮野さんが来た。その時は、市場にないCDをインビシHPへお伺いしていたが、出会うとすぐに『例のもの用意して持って来てありますから、受け取ってください』と言って入って行かれた。苦心の経営中での出会いだったと後で知ったが、その時は「なぜ名前知ってるのだろう」「さっそくの準備、ありがたい」と感じて、まじめな人柄にも感じ入ったが、まだアルバイトから急いできた頃だったのかも知れない。
 昼間、全日本大学女子駅伝の行われていた御堂筋も、夕方7時前にはその賑わいも消えていた。三角公園西隣にあるライブ場「DROP」は初めて。すぐ近くのBIG STEPのPが最適。心斎橋を御堂筋で東西に分けた西のアメリカ村、東のヨーロッパ村には、それぞれお気に入り駐車場があって、アメリカ村界隈はいつもBIG STEP。歩く事2〜3分。三角公園を抜けた西隣正面の視界に「DROP」はあるはず。が、よく見てもない。調べたmapでは間違いなくこの前に位置するはず。急に不安が出てきたその意識の中へ、確かにライブ場の音源が聞こえてくる。目ではわからないが耳が低音地響きの音源をキャッチ。何歩か歩くとタイミングよく隠れていた看板が見えてきた。最初はいつも偶然のいたずらで苦心する事が多い。ビルのB1が「DROP」のライブ場でキャパ200〜300ぐらいのこじんまりした新しいホール。7時スタートでライブは始まっている。華々しくにぎやかなバンドがオープニングを勤めて、客のテンションを掻き立ててる。まだ慣れない耳には、いやーうるさい(ごめんね!)。そのうるささでさっきは助けて頂いたので、感謝したい所だが感謝の変わりと言ってはなんだが、記憶に刻印されたバンド演奏はすぐに思い出される場所にしまわれたはず。一生懸命さには好感が持てた。
 幕が閉まって場内真っ暗。ホール4隅から、サーチライトのような照明がゆっくり回って客を照らし出して行く。4つの光線が交叉したり離れたり、闇を切る刃の閃光にも似て、動く照明はムードを冷まさず保温してる感じ。8時5分、ステージが開放され、青い照明が静止のインビシを凍らせている。9ヶ月振りの懐かしい音楽が鳴り響いて1曲目『歪め表情』が始まった。デスベッドの頭掻き振る叫び、武田のギターぶっ飛び、ドラム・ベースのはじける動作が、過激にリズムをまき散らし、曲調を激しく激しく奮い立たせてゆく。2曲目もとにかくせわしなく動く。少しの曲間があれば、ギター抱えて左へ右へ走る。ステージ前手すりへかけのぼり、よろめきギターを掻いている。手すりは客の押し出しを防ぐはずが逆転、インビシのはみ出しを防いでいる。客は手すり一列引いてインビシライブに手すりまで開放。3曲目は『16秒間』。同じリズムの繰り返し伴奏、ベース西井のすさまじい叫び声が割り込む。歌詞を発する時だけマイクに張り付き、後は止まらぬ体、せわしく動きまわる。振り回されるギター、何と一体格闘してるのだい?。3曲ぶっ放して一休み。のど浸しギターの調音と何よりの静寂。しばしの暗い静寂空間もドラムの先走る乱入で雲散霧散。4曲目もイケ面ベースの乱れ叫びが入る『摩擦』。武田の哀愁を含むギター音が音階を駆け上がるフレーズは、一度聞くと忘れられない。うわー、マイクのコードしがんでる!。曲が終るたびに客の「イェー」の喚声。一瞬の静寂を置いて『僕は君の体の上を かさかさと這い回り かさかさと這い回り 人生を全うする まるで虫のような人生行動』の前置きして、5曲目が始まる。今日スーツ姿のボーカルは、音楽にあわせスーツ襟もって激しく開け閉め、モンキー歩き、片手リズムを激しくとり、ドラムステック引き抜いて客を指揮。あたり構わず何かしでかす。6曲目デスベッドその上着脱ぎ捨てギター持ち、全員で歌なし演奏。単調リズムだがダイナミックな音源、アクションも演奏専念で静まったかと思うと、やはり飛び跳ね出してくる。ストロボ光線の切れ間にパントマイムのコマ送り。
7曲目は、ギターの高音のイントロから入る『真夏の経過』。前半静かな「静」の部分は、ステージ下からだけの照明、後半「動」の展開は激しいライトの照明。続けざまに激しい曲へ。8曲目は『?』。とにかく激しくなると体に電流が走るのか、飛び回る、駆け上る、跳ねっ飛び。9曲目はステージ飛び出し、フロアーまん中でデスベッドギター狂い弾き。そこへ武田ギターが飛び込み、二人が中央で乱れ弾き。2分ぐらいは狂っていたが、ステージに戻るのは先にギター投げ込んで戻ってゆく。揃った所でフィナーレの締め。5回ぐらいの連打音を繰り返し終わる。よろめき引き上げていった。客の喚声も一際高く、満足な雰囲気。自分も何か落ち着かない気分が、やっと正常になった気がした。8時45分終了

間違えた所もたくさん有ると思いますが、最後まで読んで頂いて有難うございますm(__)m