REPORT 4
2004・2・8 神戸STAR CLUB papa
新しいライブハウスに行く時は、その店を探す煩わしさの引き換えに予感的中の満足を味わえる。JRのガード下にあり、JR三宮駅から東へ10分の神戸STAR
CLUBは、線路北側沿いをなぞって行けばよかった。すでにシャッターが閉められたガード下遠くに、ほのかな明かりとそこ1軒だけが開業中とわかるクラブ名のネオンサイン。ライブ関連の張り紙だらけの店先には、小机を出してチケ販売の兄ちゃんが一人。わかりよい地理であった分、駐車場がないのには困った。予約のチケを買う為に小机に近づくと、ハウス中の活気ある音源が路上に漏れてきている。神戸というところは、チキンジョージと言い、外からでも十分楽しめるライブハウスが多いようだ。
ライブハウスは、外扉を開き中の引き戸を開ければ、1mの距離で店内に入れた。間口5m奥行き20m高さ3mと言うところか。両サイドは足場鉄パイプの骨組みで機材や張り紙用に奥まで囲ってあり、奥5mをステージとして照明機材を天井に取り付けてある。鉄パイプ前には右側に物販の長机が並び左は音調機材が簡単な葦屏風で囲い置かれていて、観戦の床巾は2m。ステージ前は少し広いのか人ごみで定かでない。1バンド目終了間近の入場だったのですぐ休憩時間。これほど狭いライブハウスなのに、休憩時間が始まると、拡声器で当店のライブ告知、この後の出演者の案内、途中で帰るとこれは法律違反ですと話し掛けている。妙な違和感と共に味わいある話し振りが耳に心地よい。
7時40分、ライトが落とされ、真っ暗の中、鈍いライトがステージを照らす。一呼吸置いて、突然のライトと演奏が同時に闇を切り裂く。ショーマフラーをあやしながら、迫力ある演奏をバックにいつものユニークなパーフォマンスが始まった。(1)『摩擦』らしい。ステージが狭く、どうも窮屈な素振り。全開モードではなさそうだ。2曲目はベースの入り。Vo.もギターを抱かえ、(2)『歪め表情』を、目をむき必死に叫び続けるという歌い方。次曲「あー、あー」とやるせなさのため息を発しながら(3)『墜落スル感情ヨリ』。インビシの演奏は、小節ごとのリズムに合わせ、体をしゃくり、首を振り、小刻みに反応してゆく演奏。常に動き回り、アクションで攻めてくる。ギターがステージ前ににらみを効かせ、客を挑発してくる。(4)『不明』列車の音。ドラムのバチの合図。ベースのイントロ。ドラムが後ろから就いて行く。なにやら軽音楽の曲風。Vo.すばやくマイク前で両手を広げ、マイクをとってモンキーダンス。せわしく横へ上への手振りの動作。「君の・・、僕は・・」と歌っている。パイロンに渡す工事用の黒黄色模様の棒を振り上げながら、3mの範囲を行きつ戻りつ、歌い続ける。ギターのアクションが目を引く。(5)『熱い戯れ』ステージ前でのフラフラダンス。(6)『破砕』はドラムからの入りで、演奏のみ。単純なリズムの繰り返しだが、裏悲しい思いを表している。かけ声一発(7)『真夏の経過』は、音階を全演奏で押し上げてゆく入り。静寂にVo.が歌いだす。間奏はまた大音量で音階を押し上げてゆく。(8)『不明』ざっくばらんな音遊びの中から、ドラムが小刻み軽快にリズムを刻みだし、ベースが太い旋律を作ってゆく。Vo.手振り踊りだし、うずくまっては紙をちぎり振りまいている。足場パイプになでなでポーズ。座って歌うかと思えば後ろへ飛び出してゆく。ティシュを持ち出してきては客の頭にふり投げている。パイプによじ登るが、今日はよじ登る高さがない。諦め降りてバチをもって暴れている。(9)『不明』間髪を入れず、曲突入の初めより、ベースの雄たけび。ずっと今まで控えめに演奏するだけであったのに、今日のベースはアクションも大きくなり、曲の先頭を切り出すとは乗ってきてる証拠。息継ぎの瞬間、メンバーのリズムをしゃくるアクションが曲に勢いをつけている。終わる間際の、ギター(Vo.の方)かきむしり、アンプを肩にかかえだすわ、頭上パイプに懸垂。(10)『君を隠して』は、速い軽快なリズムで始まる。マイクにくっついて歌ってる。工事用電光棒をかざして歌いだし、ステージに沈んだ後はアンプを抱えて歌いだす。「アイー、アイー」と気合入れ。ドラムの太鼓抱え出してきて、両手に数本のバチ握り、狂いだたき、その上へギター重ねてかきむしり。5段はしごを持ち出してきて、よじ登って上からミネラルウォーター吹きだしている。かぶりつきの客は濡れたはず。小さいはしごを持ち出し、横から差し込んだ。さらに電光棒を上から差込み、ギターも押し付けて暴れている。もう自分の世界に遊んでる。Vo.の去った後のギターには、切れた弦が揺らめいていた。8時29分終了。
今日は、帰らないといけないので、顔見知りの物販のお姉さんに声かけようかと様子見たものの、忙しそうなので外に出た。出たとたん、拡声器のおじさん、待ち構えてたとばかりに「途中で帰るのは、法律違反でございます」と目の前で拡声器で呼びかける。ユニークな発想、好感持てて「非常に気に入った!」と話しかけてるところへ、物販のお姉さん「アンケート書いて」と慌てて出てくる。「じゃ、書くので、ゲットしたドラムバチにサインお願い」と言うと、宮野さんのサインをもらって来てくれた。狭いステージに激しく動くエキサイティングな公演、引き締まってよかった。拡声器の話ぶりも、も一度聞きたいと思う。Ra:INのライブでインビシ気に入り、インビシのライブで拡声器が気に入った。変なつながりだなぁ。
間違えた所もたくさん有ると思いますが、最後まで読んで頂いて有難うございますm(__)m