REPORT  3

2004・1・21 十三ファンダンゴ    papa  

今年のライブ初めは、去年「ガイヤの夜明け」で紹介されたインビシブルマンズデスベッド。Ra:INつながりで昨年4月から「面白そう」の興味本位で数回参戦してきたのである。何回目かにあった難波ライブで、ライブ開演中に会場に着き、用足しでドア入り口前で待っている私に、後ろからアベックのお二人が入って来たなぁと気にも留めなかったが突然、「〜さんでしょ」とこっちの名前を言われ、「そうです」と慌てて答えた。「インビシブルのドラムの宮野です」と言われる。なんでこっちの名前知ってるんだろうとびっくりしたが、「ガイヤの夜明け」の番組見て、宮野氏はアルバイトも辞め、バンドマネージャーも兼ねて奮戦されてる映像から、その日の客の入りや誰が来てくれてるかを詳細に見ておられたんだなぁと思った。一つのバンド、自分には本命でない無関心のバンドでも、ライブハウスに出演する苦労は、はた目で見るほど簡単ではないようだ。ましてライブの収益だけでバンドを運営し、自分の生活もまかなって行こうとすれば、必死の計算をしなくてはならないはず。心ならずもお目当てでないバンドには、今まで心はそれていたが、そんなことを感じるようになって、どんなバンドにもまずは一生懸命聞いてあげよう、MCも演奏も雰囲気もいまいちであっても、ステージに立ってる彼らには、客の反応こそが自信になり、やる気であり、もっと精進しようと動機ずける心の泉。次にその成果を出し、積み上げていってくれたら、すばらしいバンドになってくれるかもしれない。最初から客を手玉に取れるものではない。いくつもの積み重ねと努力と経験が、いいバンドを作って行くとなれば、客自身がライブを将来楽しむ秘訣は、いつか成長してくる無名のバンドにも暖かいまなざしを向けることにあるのかなぁと思ったり。「やっと芽生えた成長の芽を大きな樹に育てる」日本経済の現状も、無名のバンドの現状も、考え方はよく似てるかも知れない。
 下手なレポの滑り出しになってしまった。十三ファンダンゴは、初めてのライブハウス。行ってみて、まさに十三ピンク街のど真ん中にある。周りは、客引きの若もんが声かけてくれる。道路に面したドアをくぐるとその奥に2つの頑丈な防音扉があり、その先がもうライブハウス。道路から5mの平面移動で着いた。その町の雰囲気にも似て、7時から始まったライブのトップ「鉄と鉛」こそ普通のバンドであったが、2番目の「倭製ジェロニモ&ラブゲリラエクスペリエンス」は、4×3mぐらいのステージに9人が立つ、ショーをも兼ねたライブステージ。太ぶちグラサンのボーカルの左にはサキスホーン2人、右にはトロンボーンとトランペット、後ろドラム左右にギターとベース、左端にキーボード。舞台せましと曲に合わせて楽器を振り上げたり、曲に合わせたリズム踊り。なかなか楽しかった。3番目の「赤犬」と言うバンドはさらにその上を行く。シュバイツァーヘルをかぶった者やピンクの衣装に背羽をつけた者などまたもや9人が勢ぞろいしてる。始まるやかぶりつきに隠れてた4人が舞台に飛び出し、総勢13人が3列のイモ洗い状態でやってくれる。仮想行列かと見間違う飛びだし4人。よく見ると片目黒塗りの牛、とさかくちばしを似せた被り物のニワトリもいる。どうも堺の出身らしく、「好きなことしてるとこうなる、大人になれない大人のサイテーバンド」と言いながら楽しませてくれる。途中より飛び出し3人(ボーカル除)は、パンツ1枚で熱演。ステージとの段差は50cmぐらいで客席床続き。若い女性もお構いなし。見ているだけで楽しい。「いろいろ伝染病がはやっているが、もう(牛)けっこう(ニワトリ)」と落ちどころへ落としてくれた。
 10時からインビシブルデスベッド。曲の開始と同時に、ギターの武田君、中央アンプに飛び移る。右手よりショーマフラーを首にまとわりさせながら、デスベッド君、踊りステップで登場。歌よりも視線がそのパーフォマンスに集中してしまう。激しく手をもがき、不規則なステップ移動で、マイクをもてあそんでゆく。どう評したらいいのか、うまいのかうまくないのか。でも客はダンシングオールで乗っている。舞台袖から丸椅子を持ち出してきて、頭上にのせてよろめいている。ベースと交差しそうになり、もう少しで落とすとところであった。3曲目には、自らも白いギターを抱えて歌いだすが、ステージ床にのけぞり、後ろのアンプによじ登っては、登りきれずに後ずさり。一方。武田君も、大きなアクションでギターを振りながら、すばやく1回転してアンプ上へのかえるとび。身軽と言うか、フットワークはなかなかだ。ベースは自領内での熱演だけではみ出す素振りはない。ドラムは、ひたすら叫びながら、必死にこらえて叩き続けてる。ハイテンポが続いて行くので、握力も限界ぐらいの様相。デスベッド君はライブ中、こんなテンポで踊りまくり、手当たりしだいもてあそんでいる。7曲目には、客席中央のテーブルで、客の雨傘ズボン前で閉じたり広げたり。頭上で振り回しては、投げ出してステージへ。少し消えたな、どこへ行ったかと見てると、どこからかパイロン(道路にある三角帽)を持ち出してきて、かぶってふらついて暴れてる。根元が裂けて覗き見できるや、ギターへかぶせてしまう。その間もそれなりに歌い続けているのである。ミネラルウォーターを口に含んでは霧上に客席、ステージへ噴出す。頭へかけ流し、なくなればぐちゃぐちゃにして放り投げる。ビール瓶、持ち出してギターにこすり付けて噴出させている。やや無謀でもあり、許される限界でもあり。ライブでは、必ずよじ登る、必ず客席で何かする。以前にステージ仕切りのドラム缶、それを客席へ転がし始めた時には、どこへ逃げようかとあせった。少し離れての見学が楽しむ余裕を与えてくれる。10時40分了。




間違えた所もたくさん有ると思いますが、最後まで読んで頂いて有難うございますm(__)m