REPORT  2

2004・2・7 THE IRON MAIDEN FESTIVAL    papa
-EDDIE IN THE EAST-

12月のチャットでメイデンの大阪公演があると教えた頂いたおかげで、運良くライブを目の当たりに出来た。かつて]のメンバーが、「キッスとかアイアン・メイデンを聴いてる」とインタビューに答えていたので、ぜひ一度聴きたいし見ても見たいと内心思っていたが、キッスは2000年10月頃に大阪城ホールで、そして今回メイデンを同じところで見れたということで、]のステージに影響を与えたであろうスーパーバンドの有り様が合体して、]がどう取り込んで行ったのかを自分の中で探ってみたのであった。
 2時開場3時開演というスケジュールは、ライブとしてはあまりにも早く、いつもたそがれ時に地元ライブ会場へ行きかける習性からは、まぶしい外の光であった。2時に大阪城ホール東の広場に到着。予想としてはまばらな人影かと思いきや、なんとグッズ売り場へ続く長い列が正面入り口売り場テントから階段を下り東出入り口まで延々とつながっている。すごいなぁと思った。それもそのはず、寝る暇もないほど仕事に忙しい東京のチャットの友人が、休みを取って来るというんだから、知らぬが仏の我が身の無知を恥じるしかない。ほとんどが男性のファン。そういう意味でハードでエキサイティングなライブへの期待が、無知識な心を高ぶらせてくれた。何を買ったらいいのかのグッズ選択に迷ったものの、3時ぎりぎりに会場に入れた。グッズの列に向かって「時間定刻に開演しますので、今から並ばれても開演に間に合いませんのでご了承」とか告知している。しかし延々と並んでいるのである。もう何回も来慣れてるファンには、本命メイデンのライブがこの後3時間後しか始まらないと先刻承知してるという余裕だったのだろう。会場のシートはアリーナ席の一番後ろ60列。ステージまであまりにも遠く見えない。そのせいか何も知らない無知な人間(私)には、3時から始まって5時には終わるだろうとばかり思い込みの中、3時5分に始まったライブを見えないと勘違いで本命とばかり勘違いしていた。ステージ天井から放たれる照明は12本の静止光線。盛り上がりどころで24本ぐらいになる。後ろからステージへ放たれる4本の照明と頭上の8球ワンパックの電光ライトが4基。照明のほとんどがこの繰り返し。客も軽く身をゆすってるだけで、乗ってるとう域にはない。3時54分に終わる。休憩かなと勘違い。4時半次のステージ。5時20分ごろ終わる。なんか盛り上がらない。ここで人の動きが激しくなる。帰る人もいそうな動き。知らないからゆっくりしようと思っていたら、東京の友人がシートに来てくれた。「なんかボーカルが前半と後半で違うように思うんですど・・」。曰く「今までのが前座で2バンド出たんですよ。これからが本命メイデンです。とにかくすごいんですから」。目からうろこ顔から血の気引くとはこのこと。古典で習った仁和寺参りの参拝者、何やら奥に上がってゆく人がいたと帰って話す本尊参らずを思い出した(チケットにはその2バンド名もきっちり印刷されていた)。苦笑い、無知とは恐ろしく知らぬが仏とはありがたい言葉。満足は思い込みで叶えられる見本。気を静めるためにトイレへ。なんと男性トイレに長い行列。ライブでは行列は女性と決まってるはずなのに身動き出来ない行列。見たことない光景であった。思い込み・勘違いの悪夢を流して、気分も新たに本命アイアン・メイデンのライブ「DANCE OF DEATH WORLD TOUR」が、6時に始まった。
 白い光線の照明が交差し、放射状のライトがステージに降り注ぐ。城壁のような一場面の背景、両サイドには大がまを持った死神らしき人物像。中央にボーカル、左サイドに2ベース、右サイドに2ギター(と思う。遠くて見えない)。ボーカル後方には一段高いステージで、城壁の壁に囲まれた位置にドラムが陣取っている。Vo.の声が場内響き渡ると、アリーナ、2階ともウォーと地鳴りのように答えてゆく。ギターアクションも飛びはね、掛け合い引きなど遠くからでもエキサイティングにアクションを繰り返してるのが見て取れる。Vo.が城砦の壁上を駆け走り、アピールをすれば、地底を揺り動かす地鳴りの呼応。それを切り裂くVo.の声。白い透明の光線が客席を射って行く。3曲ほどやってMC。『オオサカ!・・Welcome・・』大きなかけ声。何かのジェスチャーして笑わせる。4曲目が始まり、風の音、吹きすさぶ音の中、ギターのイントロ。城砦の天井は、無数の照明がきらめく。ほっぺをくっつけてギターの掛け弾き。光線を束にしたライト。城砦後ろには大スクリーンが現れ、動物面をした女性の顔。マントかぶったVo.が城砦上に現れ、ステージに下ってダンスの回転。次の曲の始まりは、稲妻を模した照明。両側の人形が照明を得て浮かび上がる。曲の1小節ごとに天井から降り注ぐ照明を揺らしてゆく。ダイナミックな照明のパラダイス。一転して青の光一色の照明ステージに変わり、城砦上でバラード調の歌声、力強い音量の演奏。続いて戦争の爆撃音。スクリーンにはなぎ倒された兵士の情景。イントロギターと大音量のギターの音色が交互に鳴り響く。無数の照明、稲妻の照明、それを高速回転させて点滅を繰り返す。もう光のスペクタクル。前座の照明8球1パックの照明が12基になり、天井から降り注ぐ照明も1列無数のライトを備えたのが4列、そこへ小さい回転するライトの照明がちりばめられ、後方から太い帯の光線がステージをめがけて放たれてる。色とりどりの色彩を照明が作り出し、ルミナリエが動いて回転して一帯はもう光のページェント。唖然と見とれる以外にない。城砦の両サイドは客席方へ突き出している。舞台の中くらいの高さがあり、アリーナ後方からでもVo.の所作はそれなりに見える。左右に移動しながらのパーフォマンスも汗が滴り落ち、曲中でも裏方のバスタオルで拭いているのが見えた。大音量のダイナミックな演奏。リズムを効かせ、ビートを間断なく打ち続け、ドラムといいベース&ギターといい、ファンの欲してる的を得た音色をオンパレードしてゆく感が、この熱烈なファンをさらに熱して行く。前半最後には、スクリーン両サイドの大カマを持った死神のモニュメントがスクリーン中央手前にせり上がってくる。目が光り、右手に大カマもち、左手を左右に動かしながら、指先まで動かしてこちらをゆび指している。7時20分第一部終わり。引き際には、ドラムのばち、ギターのリストバンドなどを客席に投げ込んでいた。アンコールの拍手がすぐに沸き上がり、早い調子の拍手は、高速リズムが乗り移ったかのよう。すぐに登場。Vo.によるメンバー紹介。手拍子を求めてアンコール1曲目が始まる。2曲目には、スクリーンに妖怪が映し出され、ステージには黒装束の大男が左手より、噴射蒸気の中を大きな動作で現れ出る。4m弱の高さの大男右袖までギターとかを蹴散らしながら歩いてユーターンして来た道を消えていった。3曲目には、スクリーンに妖怪の決闘シーン。歌も最後のとどめの曲ではないようなやや抑え目の曲での締めくくりであった。フリスビー、サッカーボールなどを客席に投げ込み、7時43分ライブは終了した。
 なるほど、キッスはビジュアル面で]に影響し、音楽ではメイデンが影響したかな。もう20年以上も前にこれらのステージを見た幼い心には、そのインパクトはすごいものがあったに違いない。無知な鈍い感性しか残ってない我輩にも、今日の公演はすごいものであった。彼らの当時の生き生きした感性には、どんな衝撃で伝わったのか。今なお、これだけの熱烈なファンを動員できるアイアン・メイデンやキッスには、時代を通していつまでも活躍してもらいたいと願わずにはいられない。



間違えた所もたくさん有ると思いますが、最後まで読んで頂いて有難うございますm(__)m