REPORT 19

2013.4.6 ToshI CHERRY BLOSSOM 桜のゆうべ 東京国立美術館2階 「ラー・エ・ミクニ」1部   papaさん

当方にとっては、チャリコン以来のToshIのライブである。元気な姿が拝見できればそれで良しとしたい。会場は東京国立近代美術館内にある三国シェフのレストラン「ラー・エ・ミクニ」に於いてである。午後2時前に近代美術館に到着。代官町通り入り口から 敷地内に車で入ると、警備員が飛び出してくる。「駐車場はあるの?」と機先を制して尋ねると「ない」。近くの駐車場を教えてもらい、そちらに入庫。早速、「ラ・エ・ミクニ」の下見に出向いた。北の丸公園の駐車場から歩くこと3〜4分、美術館手前の所にレストランの入り口があり、エントランスの空間と店内入り口へ通じる階段を取り囲む立派な黒石の石垣が、格式の高さを象徴しているかのようだった。階段下には、昼のメニュー表が白紙に印刷され、立脚の上に上品に置かれている。階段を15〜20段上るとレストラン入り口まで数歩の距離である。オットセイが水面から顔を突き出すように、階段を上るとレストランの店内が見えてくる。が、じろじろと見れるという雰囲気ではない。上る勢いで踊り場まで上がり、機転を利かして店内にお客として入ることにした。いささか、服装に問題(全くの普段着)があったが、迷い込んだ場違い人で冷笑されるだけである。2名と告げるとテーブルへ案内してくれた。四角いテーブルに、レザー張りの高級な椅子。通り方向に奥へテーブルが3列5基ほど並び、奥のほうに厨房がある長方形の店内となっている。たぶん、ここでライブがあるんだろうが、ステージは、入った入口か、奥の方か、たぶんこのテーブルに座ってディナーショーという形になるんだろう等想像。¥3500円のランチを注文した。なりあいな服装を打ち消す見栄を張った。店内はガラス張りの壁面で囲われ、通りの桜並木の散りおさめの枝がガラス越しに中高で見て取れ、遠望に皇居の石垣が重厚な背景を映し出している。桜の満開には、店内はにぎわったことだろう。全面ガラス越しに見える風景が皇居の森や周りのビル群であり、雄大な景色を取り入れるスチュエイションは、ガラスの透明感と相まって、見事な風景である。料理にはいちいち説明がついたが、よく聞き取れなかった。上品な接待、料理もおいしく、ウエイター・ウエイトレスも親切、ざっくばらんな話にも付き合ってくれた。会計で今晩のディナーショーのことを相棒が聞いた。5時15分から受付が始まる というぐらいしか聞いてないようだった。その時刻に来場すればいい感触だった。3時、店を後にした。 
 レストランの下見から帰る頃より降り始めた雨が、本格的に降り出してきた。衣装を調え、5時3分レストランの階段に到着。10人前後の人が階段に列を作り、石垣のそばで話しながら待つ人など、待つ決まりもなく待つことになった。5時15分、レストランから男性スタッフ2人が階段を下りてきて、「お足元の悪い中・・・」と挨拶、「今から入って頂きます」とのご宣言。18分、並んでる順序を中心に全体が階段を上って、上がったすぐの入口じゃなく、後方(厨房方向)の入口からレストラン内部に入る段取りで、2〜3人が入ると、スタッフが制止して先入者の手続きが終了するのを待って、制止を解き中に入れてゆく。入口を入ったところで長机に2名のスタッフが、差し出された会員証と名簿をチェックして、名簿に印をつけた後、座席表を手渡し、何番ですと明示し、各人座席についてゆく。私は25番のシートで、前から2列目であった。テーブルには、お皿の上にひざ掛けクロス、その上にCD2枚とグッズパンフに本日のメニュー表、ボールペンが置かれている。昼間のレストランの入り口から入ったところには、中央に譜面台とスタンドマイクが1本、その中央部の空間をある程度確保した両側に、脚つきスピーカーが左右に配置されている。ステージという一段高の部分はなく、フロア平面になっている。ToshIがその中央で歌うであろう後ろには、2枚のボードのような衝立があって、背後の目隠しとステージの引き立てを担っている。衝立右側には、音響装置が置かれてある。テーブル上には、細長ワイングラス4本にウォーターグラス6つが置かれ、テーブルは昼間とほぼ同じ配置で、最前に3テーブルあり、それを先頭に後方に5つのテーブルが直線上に並んでいるようだった。それぞれ4人掛け、定員60人というところ。本日の定員は50人と聞いていたので、見当合致。5時35分には、大体の受付も終了し、グッズ販売も大体終わったのか、ほぼ着席の状態。レストランホールには、入場の時からToshIの歌声がBGとして流れ、雑談の会話を通してよく聞こえてきている。テーブル間を、ウエイターやスタッフが行き交い、騒々しくも思えるが、準備段階でもあり致し方ない。外は、暮れ始めたところで、雨模様だが、散りかけの桜の残り花が、雨に洗われ、暮れなずむ色合いにひときわ花びらを輝かせているかのように浮き出て見えている。5時40分、「物販のお品は、雨模様でもあるので、本日に限り、無料で郵送します。CDはToshIのサイン入りで、是非聞いてください。では本日の公演、楽しみにお待ちください」のスタッフのアナウンス。そしてワイングラスに、赤ワインが注がれてゆく(当方、車なのでオレンジジュースを所望)。勢いのあるToshIの歌声が流れた後、しっとり調の曲になると、騒音が勝っている程に打ち解けてきた。それぞれのテーブルでは、メニュー表をながめたり、席を立ったり、初対面の話で盛り上がったりとかまびすしい。天井平面に埋め込まれた丸いライトの照明がテーブルを表面を照らし、白いお皿と2種のフォーク、ナイフ、パン小皿にバターナイフを輝かせている。パン小皿に1個のパンが配られる。5時50分、前菜が出てきた。51分「カメラの使用は、ToshIの登場まではよろしい」のアナウンス。後方の入り口入った所には、ビデオカメラ2台が、前方へ向けて設置されている。夜が次第に暗闇を増し、レストランホール内の様子が、ガラス面に反射され、両側の遠方までレストランの内部が続いているように映っている。6時7分、メインディッシュが出てきた。ウエイターが料理の説明をするが、よく聞き取れない、が、なかなかおいしかった。当方のテーブルは、私はメモで忙しい、あと3人の女性も話し合ってることもなく、だんまりでその分食事も早い。6時17分、メインを食べ終えたお皿が引き上げられる。それに伴い、パン小皿もワイングラスも全部片付けられた。21分、デザートのスプーン、フォークが配膳され、29分デザート。4点盛り。35分コーヒー出る。37分デザートのお皿片付け。39分、後ろのカメラの人が、ヘッドホーンを頭に取り付け、スタンバイの状況が目に入る。大体のテーブルも、コーヒーを飲み終え、片付けを待ってる状況。ToshIの歌声が、会場の話し声に」押されて聞き取りにくい。盛り上がっている。
 6時43分、どこかのテーブルの人が驚きの声、歓声が沸き、ToshIがステージの左側から現れる。スタンドマイクをはずして「皆さん、こんばんわ。久しぶりに人前に出ますもんで、全く打ち合わせもないんです。(キャー、ToshI!・・・)相変わらず、うるさいな。今日は、三国さんのレストランでおいしい食事を。僕はまだ食べていません。皆と一緒に食べたくありません。終わった後、一人で食べようかと。実は、今日は桜が満開のはずだったんですが、今日は嵐になるということで、・・・何人かはこれないということです。来れただけでも皆さんはラッキーで、新しいアルバムも出来、新しいか活動も始まり、1年半前の都庁での活動以来、地下に入ったように創作活動してまして、たまってきましたのでこの辺で出そうかと。3月に出しまして、実はこの後、新しい曲を来月、出すんですけど、普通の形じゃなく、言っていいのかわからないんですけど、新しいトシ、クリスタルロックというコンセプトアルバムを出します。1章から3章まであって、あるストーリーがあって、音楽と洋服、スッイーツがあって、音楽は僕、スッイーツは三国さんで、その楽曲を創作してたんで、まもなく出せるということで、いろいろ企画してゆこうと思っています。歌も歌わなくては・・・あっ、何ですか、乾杯ね、ない人に配って・・・ “皆さん、おめでとうございます 乾杯”  儀式も終わりましたので、本日はここでオーケストラを入れまして と思ったのですが、入らないので、カラオケで、カラオケ大会で、「チェリーブロッサム」歌います。3歩下がって、“今日は桜が満開です。チェリーブロッサム”」   
6時50分1曲目が始まった。一言歌い始めて、ダメダメのジェスチャーを身振り大きく繰り出して、「初めて歌うんだけど、キィーはずしました」と落ち着き払って、ツカミをとる演技のように言って笑いを取った。「テレビで、歌手が出てきて歌うやつあるんですけど、でれないです。出ないですけど」と言って、再び歌い始める。少し歌って、マイクの集音部の網状を指でたたいて、音響装置にいるスタッフに合図した。黒いスーツ(上下)に、白いショーマフラー、左胸の襟には、扇形をあしらった銀ブローチ。髪の毛は、野生的に荒立て乱れ風。ホワイトシャツの襟を立てている。黒いサングラス、ややうつむき加減に、右手でリズムを取りながら、大振りな身振りではなく、右手を体の前で小さく動かしながら、全体をそのような形で歌い、最後右手を顔の位置に上げて、静かに1曲目を終えた(57分)。「初めて歌いました、チェリーブロッサム、あと何分ぐらいですか。握手したいんですが、今日、何したらいいんですか、人の肌に触れるのが出来ません。“はねゆび”という病気になって、オペをしてちょっと前に、まだ1ヶ月前に、ここを切って(指を示して)、中に何か入れて、握手したいんですが痛くて。ピアノ、一生懸命練習しすぎたんですかね。最近、バイオリンも始めて(SUGIのバイオリンの弓を振るまねをして)、これは出来るんですが、いろいろ習い事も音楽以外にもしてまして、お茶、歩き方、日本の文化、習おうかとの思いです。畳のヘリを踏まないように、笑い事じゃなく、一生懸命してます。日々、いろんな仕事もしてます。クリスタルロックも、面白い企画なので、いろんなこと頑張ろうと思うので期待下さい」。マイクに女性スタッフが何かするしぐさで出てきて、ToshIにもう1曲の催促めいたことを言うと「もう1曲、よろしいですか って、何で君が決めるの」とさしでがましいという気分が見て取れた。「じゃー、何、歌うかと思ったんですが、『ここに生きる』。おととし、都庁、もうおととしですが、歌って以来(レコーディングはしたんですが)、警視庁、お堀の筋の横にあるんですが、警視庁の皆様にお世話になりまして、けっこういい友達なんですよ。警察の歌を歌ってくれよ と飲み会した時に言われまして、警視庁の歌、作ってくれよー という感じで、ここすぐ近くに皇居があって、桜田門 ここに立つ と歌っている歌手も僕だけかと思いますが、警視庁から贈り物頂いたんですが、お酒なんですが、お酒のビンが焼き物なんですが、“ここに生きる”と(陶器に書いてあり)、大分麦焼酎、10本作って頂いてプレゼントしてくれました。大丈夫かな、歌ってないんだけど、サブタイトルが『治安の闘志達にささぐ』と言うタイトルもあり、僕の知ってる人達は、市民のために働いてくれる。敬意を表して歌ってみたいと思います。都庁でやる時、警察音楽隊も一緒にやってくれるはずで、ブラスバンドの様式で、トランペットをYOSHIKIに吹いてもらおうと思ったんですが、下手なので、そういうアレンジで作りました。僕、好きなんです、桜田門、ここに生きる、精錬として生きる と言う思いです」。トランペットのソロの伴奏が始まる。「ここYOSHIKIが出来ないもんで」と付け加え、7時7分2曲目始まる。行進曲調の楽曲。2番が小太鼓で始まると「ここは中学校の終業式のドラムののり」と添える。ジェスチャーも大きく、体の揺れも大きく動いているが、視線は楽譜スタンドを見ながら歌っている。歌詩の最後「ここに立ーつ」で、7時10分終わる。大拍手。これに対して、敬礼しながら「敬礼は(手のひらの裏が相手に見えるようにしてはダメ)、手の内見せるな とすごく怒られまして。今日はこのぐらいにして、僕も2部があり、体力もありますので、今日は桜も満開で、天候にも恵まれ、人みしりな者で(イヤーとか、反対の声上がる)、気安く声掛けるな!。皆さんは当選でラッキーです。これでよろしいですか(イヤダー!の声)、また次回、次はいつ(スタッフ向いて)、お名残り惜しいですが、これでおしまいです。皆さんのこと、一生、忘れません!けっこう嘘つきと。皆さんのこと、愛してるぜー!、じゃ、また」。7時14分会場に来た方向へ出て行った。アナウンスがあり「1部の公演を、7時15分を持ちまして終了とします。2部の方、もうじき受け付け、始まりますので、前の方から出口へお願いします。物販も後ろの方でやってます。ありがとうございました」。
 ToshIの元気な姿をつぶさに拝見でき、地下にもぐった創作が、春に啓蟄のように出てきて活動し始め、よかった。結構、明るい感じだった。軽妙な客あしらいや逆説的にうまく話を組み立てる様は、上品な話芸とでも言うべきで、見事な創作と言える。本日の公演の、目玉はそう時間的に少ないだろうと言う予感は誰しも立ってる訳で、音楽設備のないレストランでの公演には、それなりの事情もあったのだろう。YOSHIKIとの話題も最近はなく、その辺の心配もあったが、YOSHIKIの名前も出して話をしてくれたので、杞憂としたい。来月には新曲も出すと言う。楽しみなところだ。
 


間違えた所も有ると思いますが、最後まで読んで頂きまして有難うございますm(__)m