2004・12・26   TAIJI  音風LIVE 鹿鳴館  papa

去年初めて鹿鳴館に来て以来、もう何回も来ていたのに日曜日と言う曜日の来場は始めてだったらしい。いつもの都の施設の駐車場は、地下の入口まで行くとシャッターが下りている。なんじゃこりゃと思いながら、事務所に聞きに行くと、日曜日で休みとの事。知らなんだということは一度も今まで日曜利用はなかったということか、と嫌な偶然もあるもんだと得心しながら、出にくい狭い通路を逆さでバック。近くの100pに止めた。この100p、どんなお返しがあったかはレポ最後のお楽しみ。
 5時open6時startの音風ライブなので、4時45分ごろ鹿鳴館に着いた。先月と同じ顔見知りのメンバーがそこかしこに到着していた。前の続きの話やら新たな話やら。開場なく寒さがしみてきた5時半、保坂似のスタッフらしき人が出てきて辺りを観察、入ったかと思うと、入場が開始され、10番づつの呼び込みに歩道の人垣が空いてゆく。当方70,71。いつも連番なのであとくっついて行きかけたが、70番までに気付いて戻る。そのまま行っても、階下の受付では並んで待つことになったので同じだったが、いつもライブ初めは殊勝な気持ちが満ちてる。5時40分地下2階のライブ場に。いつものシートがフロアを占め、スタンディングはステージ前とシート間の通路と2階天井が圧迫するシート後ろだけである。去年最初に座ったシート辺りの方向に体が向いてしまうのは、私の帰巣本能とでも言うものか。Hideの楽曲が流れていて、先月と同じ。スタート6時Hi-Hoが途中で途切れ、ヒュルヒュルヒュルのテープの故障音が流れる。スタートの始まりかと思ったが、雑音は処理され、GOOD BYEが前をしのぐボリュームでかかりだす。が、初めの少しだけ鳴って止んだ。しゃべり声と空調の音。またそれをかき消すようにGOOD BYEが鳴り始める。幕内からギターの調音が聞こえた。まだしばらくの時間を要する雰囲気に、ふとこの有名な東京の鹿鳴館の、その似つかわしくない古風な出で立ちが目に止まる。ステージ幕の上、折れたひだにはほこりが模様を描き、天井には、以前の照明がガムテープでつぎはされた修理あとをさらし、そのライトもまちまちのものが収まり、今は使われてないままで置かれている。かつてステージを照らした照明のアングルも、蜘蛛の巣にほこりがまとわりついている。両側の後付けダクトも、形が違っていて、去年初めて鹿鳴に来た時の、チケットとお釣りをパニックになって慌てふためいていた館主(?だったか)の人柄とこのライブ場の装いがなぜかマッチしてくる。あのほこりの中には、80年代の]のほこりも堆積しているかと思い、あの照明このシートもあの当時のままかと思うと、時間はタイムスリップして、古代魚ならぬ古代ライブ場が現代に存在してくれてることに、積み重ねた歴史のような安堵を感じてしまう。
 ロケダイがかかり、ピンクスパイダー、ever freeと続いてゆく。ステージ前は、4〜5列の折り重なる人垣。Hurry go round、Tell Me、6時半ごろにはEyes love youがかかり始めた。32分、幕の中でギターの試し弾きの音。35分Hideが止み、ステージ幕はそのままだったが、シンセの雄大な響きが演奏され始める。宇宙船の船出のような、宇宙を航行するような空想の音色が、壮大なイメージを膨らます。4〜5分の演奏が続いたあとビビつく宇宙人のじゃべり声。突然ステージが開放されて、もやがゆったり空中に漂い、青い照明がそのもやを鮮やかに輝かせてライブが始まった。1曲目は「Get It Your Heart」か。驚いたことにTAIJIは立って演奏している。後ろには椅子が用意されているが、自分の足で体を支えて、確かに介添え無しに立って演奏している。1ヶ月の期間にこれほどの回復があろうとは驚きの瞬間だった。それと共に、これなら心配した本人の落胆も希望が出、前向きな気持ちに変りつつあるような劇的なシーンだった。それを照明するように2曲目は、TAIJIのベースがダイナミックに響いて始まった。「Do It Yourself」か。リズムをとり、テンガロを揺らして、音の波に体を泳がせている。勢いを感じる出だしの2曲であった。終ってMASAYOのMC「こんばんわ。ありがとう。汗を拭きます。1年前もここでやったんですが、ハイ、チューしちゃうてな感じで、年末来られた方、よく待ってくれました。あばれちゃってください。2キロぐらいやせてください。歌あり、漫才ありで楽しんでください。次はVo.チェンジでTAIJI」。3曲目はTAIJIのボーカルで、マイクに立ち向かい、勢いよく歌ってる。かけ声も途中はさみながら、照明を受けてはつらつと歌ってる。終ると椅子に腰掛けてベース替え。4曲目は演奏のみ。ストロボの照明の中、ドラムとTAIJIのベースのセッション。早いドラムにTAIJIのベースが間欠的に入ってゆく。椅子に座ってのベース。激しいドラムの中へベースをまぶしてゆく。終るとベースだけの演奏。今度はそこにゆっくりとドラムが入り、ベースと合わさってゆく。時折、料理の匂いが漂い出したりの会場の空気。次はシンセがベースとあわせてゆく。TAIJIの技量に伴う表現が続いてゆく。ドラムの単調なリズムに変り、TAIJI拍手を求めて、ベースをかぶせて、リズムを繰り返してゆく。ストロボが走り、音が繰り返し続く中、TAIJI両手を挙げ、さらに2〜3頭上で拍手して、にこっと微笑んで、びっこをひきながら左袖に下がっていった。ステージにはストロボとそのままの音楽が続いている。
 ちょっとの間の後(7時10分頃)、シンセの壮大な曲、Furaniにスポットライトが当てられ、Furaniの演奏。一点止んだかと思うと水の流れる音、「雨、今日も雨」の歌。
「雨 雨 もっと降れ ・・・見上げた空 少しずつさしてきた・・・」。Furaniが終るとギター(ゲン)とTAIJIが登場(17分)。二人でアコースティックのギター演奏(「8月11日」か)。シンセの伴奏も入り、TAIJIが旋律の中心を辿ってるような・・・。綺麗な曲であった。途中よりドラムも入ったが、ドラムを照らす照明がなく、暗いのと自分の端位置からはドラムが見えにくく、実際に叩いていたのか否かは不明。23分「Dear Angel」(?)か、2つのギターの絡み合う音色が美しかった。やがてシンセの伴奏が入り、ステージにはスモークが立ち込め、TAIJIのテンガロハットめがけてスモークが吐き出ている。立ち込めたスモークが、エアコンの風にあおられて、噴出してるように見えてるようだった。心地よい音色に、中華の匂いも降りてきて、ほのぼのとした気分。小刻みにTAIJIのハットが振動している。濃い濃霧に満たされたステージ、深い霧状態の中での演奏は、あと2曲ほどあったと思うが、CDの曲かどうかは不明(〜37分まで)。終るとTAIJIと叫ぶ声がそこかしこに上がった。そしてTAIJIのMCが始まった。『皆さん、メリー・クリスマス。・・きのうか!(笑)。11月にもライブやったんですけど、それで12月と言うのは、音楽やって行く上、ブッキングするのは、お客さんが少なくなると言うのは分かっていたんですけど、この鹿鳴館で年を越すと言うのは、僕の中ではすごく大きなことなんですよ。ここにはずいぶん思い出がありまして、皆んなもそうだと思うんですけど、僕らが旅立って行く拠点になった場所、鹿鳴館が。ここの人たち、スタッフの皆さんも昔から知ってる方もいらっしゃるんですけど、僕にとって鹿鳴館と言うのはほんとスタート地点であったわけですね。ここら辺で、最前列、ここら辺ですね(笑)。皆さんと共有できて年を越せたらなぁと思って、ここでやろうともう決めました。それで、今年の中ほどに、こないだも言ったんですけど、事故っちゃいまして、雑誌なんかを見てくれた人はわかるんですが、じん帯を切ってしまいまして、骨折は治るそうですけど、じん帯の場合は、お医者さんにかかっても手術しても治らない可能性が高いから、賭けといえば賭けなんですが、スポーツ選手なんかもそうなんですけど、リハビリで治した方も中にはいるんですけれど、僕の場合、治んないといわれてますけど、治るんだと思い込んでこれから生きてゆこうと思ってます。さっきも立って出来たので(拍手)、ネガティブじゃなくて、今を大切にして生きようと覚悟決めました。そんな僕に共感してくれた仲間達が暖かく接してくれ、すごく暖かなバンドなんですよ、音風と言うのは。それで、ええ・・あの・・何を言っていいのか分からないという状況になってるんですけれど・・・ねえ、どうすればいいかな、ゲンちゃん(笑)。(続ける?)・・・みんな忙しい中集まってくれて、ホントありがとうございます。心から感謝します、どうもありがとう(拍手)。こうやってみんなと一緒に楽しめることが僕にとって一番の幸せであり、これからも僕の使命だと思っています。音楽を通してみんなに安らぎを与えられたらいいなぁと思っています。そういう想い、僕が一時期ギターを手にするのもイヤになったことがあって、そういう時にきっかけになった仲間たちのこと、みんなの想いを詞にしまして、ギターを持ってなかったんですけど、聞こえてくるというか、聞こえてきたんですね、それで出来たんですけど、『想い』という曲があるんですけど、行き着くところ残ったのが「みんな、ありがとう」ということだったんですよ。それを曲にしました(拍手)、ありがとう、聞いてください』。ゆったりとスモークが漂い、青・黄の照明が交叉する下、『想い』を語るように歌うTAIJI。ややうつむき加減に、テンガロひさしで鼻より上を隠して想いを尽くして歌ってる。シンセの伴奏とコーラス、ドラムも入っている。情感を漂わせるうちには、いろんなことがよみがえり、ありがとうとの想いが湧き出ていたのかもしれない。(〜50分)。終るとFuraniのシンセがピアノの音色に変り『百円玉の勇気』が始まった。Furaniがボーカル兼ピアノでTAIJIはベースに持ち替え伴奏に回っている。終るとまたギター(?)に持ち替え、タンバリン持ったMASAYOが出てきて『Get Your Dream』。途中、暗転からドラムのひとりショー。TAIJIも立って見とれてる。照明も点滅の呼応で調子合わせ。いったん区切ってボーカルの歌が入り、ゲンのギターショーの間、MASAYOがタンバリンで踊っている。次、手拍子を求めて、大合唱で『取り戻そうよ』。TAIJIは2曲続けて立ったままの演奏。立って弾く姿は、何もケガをしてるようには見えないほど自然。胸の十字のペンダントが一際揺れてはまばたくように光を放ち、体を震わし、リズムを刻んで弾いている。終ると『ありがとう』。TAIJI投げキッスを放ち、両手を上げて笑ってる。ステージ鼻へ進んで、客の手と右から左へ順にタッチ、メンバーも同じくタッチをして、袖に下がっていった(8時14分)。
 暗転の中、TAIJIと叫ぶかけ声、アンコールを求める声とが交錯。アンコールの声が大きく広がり大合唱。途中、スピーカーから突然衝撃音が出たとたん、リズムが変り、今度はTAIJIを呼ぶ掛け声に、さらにアンコールを求める手拍手に変っていった。19分TAIJI 出現。「うわぉー」。演奏がすぐに始まり、ドラムにTAIJIのベースがべギュ、ベギュと割り込む。Vo.なく楽曲のみ。客も軽く体を乗せている。演奏最後にMASAYOの歌声が少し入る。最後にTAIJIより、メンバー紹介がなされてゆく。『俺、しゃべると、シーンとなッちゃう〜・・』と言って、『最後やります。イエーじゃなくて・・Hideのロケットダイブ』。TAIJIのボーカル、最後の方は息も絶え絶えの呈。歌い終わると、ステージ前に進んでメンバーを呼び、5人並んで礼。『よいお年を』と言ってライブは終った。8時44分。
 表に出た。「新宿に友人が来てるので一緒に忘年会いかが・・」と誘われた。しかし、暮れの日程が詰まっていて、あすの日中の予定もあり、後ろ髪引かれる思いで、帰ることとした。さて問題の駐車場に到着。アクシデントと言えば、悪い方が通り相場だが、行くときも変だとは思ったが100円パーキングの制止板が、すでにおりていると言うか、上がってないと言うか。料金は4600円の表示が出るのに、いくらお金を入れても戻ってくる。裏返してみたり、新札が反応しないのかと旧札の1000円を入れても、どうしても戻ってくる。どうしたって戻ってくる。どうすることも出来ず、もう踏み倒すこととした。良心の呵責もあるが、努力の果ての故意はどう判断されるのだろう。先に入った都の施設のパーキングが日曜アウトで困ったが、変な所で浮いちゃった。TAIJIのライブの1人前はサービスと言うわけで、パーキングさん、ありがとう。

間違えた所もたくさん有ると思いますが、最後まで読んで頂いて有難うございますm(__)m