2004・11・20   音風(TAIJI)ワンマン〜アルバム発売記念ライブ〜  新宿 MARZ  papa

        

新宿直行高速中央道は、紅葉に色好き、穏やかな表情を投げかけてくれていた。このチケットを買いに行った1ヶ月前は、台風23号のあおりで、雨の中長時間並んだり、帰りの新幹線は止まったり、散々の日であった。なにかTAIJIの荒れる日々から穏やかな日々への凝縮を、1ヶ月を隔てて語ってくれてるような綺麗な紅葉であった。ライブ帰りの中央道も綺麗であった。笹子トンネルを超え、甲府盆地に下りてくる景色は、市街の照明が銀河のように下界の大海原を埋め尽くし、大銀河の中へ我が宇宙船が入り込んでゆく感じであった。飯田辺りの下界から山腹に点在する照明も、星空が透明な湖に反射してるかのような美しさ。こう感じるのもTAIJIのライブ、よほど気分がよかったんだろう。
 新宿MARZ横の駐車場ハイジアには昼過ぎ着いた。休憩を取り、4時過ぎに出た。すぐ東の「あまりうまくない」という『ラーメン二郎』に行くことにした。GELLOMIMO雅さんが、そう言うのでどうなのかという興味からである。結果は当たらずとも遠からじ。旨いと言うには抵抗があるし、まずいと言うにも気の毒なという感じ。若い2人のお姉さんが切り盛りしている努力を考えて、「まあまあ」と評しておこう。ついでに新宿ロフト前の喫茶店グリーン(だったかな?)へ。ここのマスターは、誰かに似ていると記憶していたので、行って思い出そうとしたが分からなかった。ロフトで公演があれば、ここがファンの溜まり場になっているが、今日はそれらしき人はおらず、競馬中継を楽しんでいる老輩がテレビを相手にひとときを楽しんでいた。
 5時半オープン6時半スタートのチケ記載なので、半前にMARZに着いた。TAIJIのライブにはTAIJI熱狂の友人がいて、しばし熱会(?)の友人とよもやま話をした。去年の12月だったか、名札をつけて鹿鳴館に集まろうとの呼びかけに集まったライブ仲間は、なぜか親しみがあって会うと懐かしい。1月になって舞い上がったHPへの批判もあり、意気消沈したり傷ついた感もあったが、1年を経ても名札で集まった人にはなぜか親しみがある。そうこうするうち5時半を過ぎ、どうという変化もなかったが、50分会場入口に寄り集まっていた人に、通行の支障になるとのことで道路向かいの歩道へ移動するようスタッフの呼びかけ。チケで並んだ前の昼間は東への行列に注意はなかったが、夕方の時間帯はいつも東へのはみ出しに特に気を使っている感じがある。東は小さなビルにピンク系の営業の看板が前回(9月のHEATH)まであったが、今回歌舞伎町のクリーン作戦の影響か空きになっていて、世相の移り変わりを思ったが営業には見えない苦労もあるのは想像に難くないところで、店の前以外はどこでもOKの口ぶり。
 6時過ぎ、10番ごとの呼び込みで地階へ続く階段に2列づつ並ぶ。21,22番のは階段の中ほどで待つこと数分、6時10分開場されて地下2階の会場ホールへ。チケとドリンク500円を払い、パンフとドリンクコインを受け取る。すぐ横で今日の発売記念ライブのCDがあったので求める。ホールでは、HIDEの曲が軽快に出迎えてくれた。6時45分、ライトが消され、ステージの薄いカーテンに1uぐらいの映像が写し出された。何かを暗示する幾何でもあり模様でもあり、壮大な音楽と共に回転したりゆがんだり、砕け散って行く変化を繰り返していた。音風メンバーは、その内側でスタンバイの様子で待っている。僕には客の背中でステージの下は見えないが、立待をするメンバーの顔ぐらいが見えていた。5分ぐらいの上映があって、ゆっくりと薄カーテンが上げられ、MASAYO(CDではボーカルMAYOになってるが)の歌声が響いてゆく。ステージ後ろの壁面には、今までの映像が引き続き映し出されている。1曲目が終ったころ、『泰司ー』の小さなかけ声があり、TAIJIが登場したのかと思ったが、初めからステージのボーカル左斜め後ろに腰掛けて座っていたらしい。誰もが心配していたどういう姿での登場かという最大の懸案は、すでに登場という安心をもたらしていた。1曲目の演奏を安心と安堵のうちに誰もがホッとしていたのか、誰のTAIJIを呼ぶ声も聞こえず、ステージ下が見えない僕には、一人いつどういう形で登場かという懸案に取り残されていたようだった。暗いステージに変り、TAIJIの主演奏が始まり、かろうじてテンガロハットが揺れているところが見てとれた。3曲目は『取り戻そうよ』であった。MAYOのすがすがしいボーカルが力みなく自然に歌詞をたどっている。終ってMC 『皆さん、音風です。なんかさ、前にライブやったの1年前だったんですけど、すぐやると言ってたんですが、1年振りになりました。・・・その間に、CDを作ったんで、買ってください。その曲をたっぷりとしますんで、楽しんでください。ボーカル変ります』と言って、4曲目TAIJI
がボーカル。ハスキーな声で歯切れよく音に乗っている。客も首を振り出す乗り。『どうもありがとう・・』。座ったままベースを持ち替える。ドラムとベースのセッション、ベース独演、またセッション、独演の繰り返し。7時25分TAIJI両手を上げ、拍手を求め、松葉杖で下がってゆく。暗いステージにはスタッフが動いている。5分後の30分ギターの音色(クラッシックかアコースティック)。GENの演奏。40分ぐらいからFUJIMOTOとのギター共演。伴奏と旋律を刻む2人のコンビネーションで早いリズムを奏でてゆく。薄カーテンの中での共演、カーテンには初めの映像が映し出されている。45分ぐらいからシンセのピアノの音が響き、furani『百円玉の勇気』が流れ出す。furaniの姿は、左端に隠れて見えなかった。気が付けばTAIJIも演奏に加わっている。終るとTAIJIのMC『6月にレコード作ることから始まって、ちょっと事故っちゃってじん帯切って歩けなくなって、バンドの音風のみんなに支えられ、・・・長くなってごめんなさい。昨日やっと上がって聞かせることが出来、正直言って、すごくうれしい。ありがとう。こうやって椅子に座ってやるというの、申し訳ないと思うのですが、医者には絶対復活できないと言われて・・・何とか奇蹟で今日のライブ・・目標があって、応援してくれた事本当にうれしい。なんか弱くなってたんですけど、こうしてステージに立てること、自分でも信じられない。しばらくこのライブ終って、病に集中して両足で立ってやりたい。『REAL READ』の雑誌は、1本の木のオアシスのような気でやっている。・・ハードな曲は少し作れないが、みんな家庭を持って、スケ合わせてやっているので、椅子に座っても歓迎してくれ、皆に感謝します。ありがとう。僕が作詞・作曲の曲『想い』、音風ではないときの曲ですが、音風サイトで告白した事があって、みんなを思ってその時作った曲、聴いてください。』と言って、『想い〜ありがとう〜』。この曲も、洗練されてきた美しさが出ていて、綺麗なハーモニーの中にTAIJIの切々と語るような歌声が自然な感じがして、情感染み渡る味わいが出ていた。『ありがとう』で終る。続いて『実は12/26日に、鹿鳴館でまたライブやるんで、内容もってやりますんで、もし良かったら足運んでください。今日チケット売ってるんかな??・・(ライブ終ってからですの声)。ワンマンで・・何時間もやる曲はできてないんで、スローペースだけれど、なんていうか、皆にあえてよりいっそうライブが出来るように思うので、良かったら来てください』。次への演奏に、メンバーがまだでてこないようで、『なんかトラぶってる』と釈明。すかさず客席から「何かしゃべって」。『ドラムのHIDEKI君、エレキッド・ブース(不確か??)をやって活躍してるんですが、良かったらCD出してるんで・・・』。そしてギターの音色、MAYOの歌『Get Your Dream』が始まる。8時20分TAIJI『ラストの曲で、俺も大好きな相棒の曲、贈ります。Hideの『ロケットダイブ』』。TAIJIのボーカルでロケダイが会場を盛り上げる。『どうもありがとう』と言ってなんとか椅子から立ち上がり、ステージ前の人とタッチ、ケンケンで袖に引き上げて行った。
 すぐにアンコールの声が沸きあがる。3分後、TAIJIが松葉杖で出てくる。『メンバー紹介をします。ドラムHIDEKI。ギターGEN。スペシャルゲスト藤本泰司』と紹介、TAIJIとの4人で、楽曲だけの合奏を10分間繰り広げる。8時40分終了。
 TAIJIの8月の衝撃の報告で、ライブどころではない心配をしていたが、ステージに立って演奏してくれた事で不安は解消した。今回のライブに間に合わせる為のいろんな努力が必死に行われたことを思うと、TAIJIは確かに強くなったと思う。去年の鹿鳴館では、自分の病歴やその決意を告白し、メンバーの変動や形を作る努力の中でのじん帯損傷は、歩み出した出鼻をくじくにはあまりにも大きな出来事だったろう。それを乗り越え、今回のライブにこぎつけた事、CDも発売し、さらに12/26の鹿鳴館まで前向きに戦おうとしている事、うれしく思う。さて当方12/27はRa:INの大阪ネイブ。12/28日はLADIES渋谷O-Westの予定で、急な26日鹿鳴館は不可能かと思ったが、今レポを書いてる内に、TAIJIの心情がじっくり伝わってきて、どうしようかと迷いの最中。となると年末は26東京、27大阪、28東京、29三重、30横須賀ってなスケジュール、どうなるんでしょうか?_。

間違えた所もたくさん有ると思いますが、最後まで読んで頂いて有難うございますm(__)m