2005・3・17   YOSHIKI成田空港出迎えレポ   papa

もの好きにも程があると内心思いつつ、ここ3ヶ月の鬱積(子供の受験でライブ等自粛)が跳ね上がった反動に身を躍らせて、成田は格好の初物(空港も初めて、YOSHIKIも本格活動の初帰国、僕自身数ヶ月ぶりのライブ感)を味わいに行く感覚だった。YOSHIKIの事ゆえ、浜松辺りから小ぬか雨、静岡・沼津辺りからしっかりと雨足もフロントガラスを鳴らすようになり、成田の主は台風の接近のような、風雲急を告げる様相を心にかもし出してくれた。深夜の高速にそぼ降る雨と街灯は、ライブ前のライトの落ちたステージの静寂とよく似ていた。
 午後1時15分成田空港に到着。4時ぐらいの便の帰国には十分。国際線は第二ターミナルなのでそちらのパーキング(P)へ。空港入口では検問が敷かれていて、免許証の確認と後ろの荷物の確認があった。Pは案外と詰まっていて、結局1階に止めた。2階が旅客ターミナルで、だだっ広いエレベーターで2階へ(先行く事ばかり気がせいて、この辺りを覚えておくべきだった)。長い動く歩道を降りると、ガードマンがお聞きくださいと突っ立ってる。到着ロビーは1階との事。1階係員に国際線到着出口はどこかと聞くと、AとBと2つあり、どちらかは不明。とりあえず待ち人の多い方で待機しようと相談、Bに向かう。しかし誰もいそうにもないのでAへ。確かに6〜7人の若い女性の集団。相棒さん、尋ねに行く。その間待合椅子に腰掛けたとたん、横の「GREEN PORT NARITA TV」の映像に、静香「生まれし花」と言う歌の放映。「え、え、縁起でもない!」。全くもってバカな偶然はいらん(憤)。我に帰って相棒の方を見ると、なにやら話し込んでいる。これを見て1時35分、やっとYOSHIKI成田到着ロビーに自分達が到着と言う事になった。10分ぐらい話し込んで帰って来たところでは、「ぼくカノ」試写会にフォーラム出口で出待ちをした皆さんだった。我々出待ち組がお迎え組みに変った訳か(笑)。横のTVは、人の気持ちを察したのか、あれから一向に音楽をやらないので不思議に思って番組表を見ると、何分かの小刻みな番組がかわるがわる放映されてるらしく、音楽は各時間共通の24〜26分、57〜00分の二回のみで、後は観光案内、天気ニュース、NAAトピックス、空港ガイドとかなってる。1時間にたった2回合計5分の、そのうち2分のしかも代わるがわるの放映が、座ったとたん偶然静香が放映とは、「どういうこっちゃ!」。57分からは岩崎宏美「ただ・愛のためにだけ」が流れる。これならなんとなく気持ちを逆なですることはないが・・・。
 あちこちへ情報を仕入れに行って帰って来た相棒によると。ロスより成田直行便は、4:05と4:25の2本らしいが、Aに着くかBに着くかは不明。コロンビアの人も来ているらしいが、コロンビアの人も分からないとの事(2時15分)。正面には到着案内の大きなボードが、到着スポットを順次AかBと表示しているが、到着まで分からないとなると、間際になって大移動が生じると言う事にもなりかねない。誰を待つのか、心なしか人垣が、手すりや仕切りテープに立ち止まっている。待合椅子の最前が空いたので2列目より移動。目の前を手押しカートにボストンバッグを重ね合わせ、機降者が通ってゆく。「ぼくカノ」みたいにこのスチュエーションで出迎えられたら良いのになァと一瞬思ってしまった。2時32分、2階の手すりの所にコロンビアの人らしい方がいるので聞いてくると相棒さん。「いなくなってた」と戻ってきて2階を見ると、5〜6人のスーツの男女が固まってる。「あれや!」とまた聞きに行く。忙しいこっちゃ。2階にはVIPルームがあり、エスカレーターで2階へ上がるらしい。VIPルームがAのみしかないのなら、Aから降りてくるということになる。2階を見るとスーツの中に割り入って、一番年配の方らしい横で手振り身振りで話してる。回りの若いスーツが覗き込むようにその話の中へ身を向けている(43分)。Aロビーの出口は、AゾーンBゾーンの2つの別れていて、2方向から人が出てくる。その流れが中央の手すりで仕切られた出口に合流されて、あとは各人の好きなほうにお帰り下さいの設定で、正面左右の3方向に人がはけてゆく。YOSHIKIは合流出口から右折れして50mぐらい先のエスカレータに乗ってやや戻る方向へ登った2階のVIPへ入るはず。生き生き顔で帰って来た相棒の話すのには「Aで間違いない。で、YOSHIKIはここでファンが出迎える事は知ってるので、何らかのアクションをしてくれるとの事。到着時にはカメラが入るので、その時だけちょっと控えていただきたい」との事(48分)。そこで位置取りを考えて、私は2階へ上がって、Aロビー出口のAゾーンBゾーンいずれも見渡せ、しかも合流出口からエスカレーターへ向かう通路1階フロアーを見渡せ、且つエスカレーターを登ってきたYOSHIKIが通るであろう2階VIPへの通路に一番近い手すりの場所を待ち場所に、相棒は合流正面中央に出待ち出迎え組みの皆さんとご一緒させていただく段取りとなり、別行動に。2階のそこは歩く歩道の終点入口、さっきガードマンが突っ立ってた辺りだった。VIPルームは帰って来た人もこれから行く人も利用できる位置にも設けられてる訳で納得。
 3時になった。到着便ご案内のボードには15時45分迄の到着便が表示されている。14時50分の時刻の便1ヶ所に点滅がついている。すぐ15時00分の所に点滅が始まり「730便は7番ゲートに到着しました」のアナウンス。ABの区別もその辺りに表示。到着アナウンスがあってその客がいつAゾーンBゾーンに出てくるのかが測れたら、YOSHIKIの到着と出口出現の時間が概算できるのだがと考えたが、出て来る乗客の何便かの区別を付け難く、無理と思った。2階から見てると合流出口の通路を確保する仕切りテープに沿った列が2重になり、ABゾーン合流辺りには流れ来るものの堆積のような人垣が重なってきている。離れた所の手すりや仕切りテープにも人がまとわりついて、図形の輪郭が徐々に出来上がるようでもあり、輪郭内が色塗らるれて行くように図形が鮮明に浮き上がって来るように見える。3時20分、ボードには16時10分までの表示が出ている。確認すると16:00にLos Angelsがある。「これかなぁ、16:05と違うが・・・」。2階の私の通路横で関係者スタッフがいろいろと話していて「もっと人が集まればいいのに・・」とか話している。「お前さんの横にももう集まってるんじゃ、文句あるんかい」とフン。しばらくしてVIPの前に戻って行った。1階には花束を抱えた人が図形に色取りを付け加える。人垣によって形作られる通路が次第にエスカレーター方向に伸び、機降者の流れがその中で停滞したりしている。別の花束の人が、さらに列に重なって伸びてゆく。しかし列はまだ確固としたものではなく、不意にその場を去ってゆくと列は簡単に消えたりした。消えては形作ろうとうごめいてるせめぎあいの現場は、やがて満ちてくる人に押し切られて2本の列となった。ABゾーンへ対面している手すりや仕切りテープ内は、人が詰まって来、通路を取り囲む人垣も3〜4重に重なり合い、合流部は通路を狭めるほどに盛り上がってきている。合流部を中心に太い列がこっちに伸び、さらに向こうへも出来かけている。合流部から花道を歩いてくる列のせめぎあってた所(私の真下)には、スタッフが数人、その後ろにテレビクルーが機材を置き、撮影用脚立に腰掛けて待ち構え出した。この異様な雰囲気は、一般客にも感じ取れるらしく、51分後ろで「誰が来るんだろう、ほらカメラが・・赤とか緑とか前の方に並んでてない?。若い人が多いじゃない?カメラマンがいるし楽しい現場見れて・・・」。“赤とか緑”は当たりー!と思ったが「もしかしたら]JAPANの・・」の一声を期待したが出て来なかった。55分、私の向こうの手すりに群がってる人を押しのけて、ガードマンが仕切りテープのピンを立てかけ出した。手すりから50cmぐらい離して設け、その中にガードマンが入る。私の横には案内ボードがあって、列の延びた最後尾の真上2階なので、2階真ん中ほど人垣はなく、仕切りはその時は設けられなかった。「こんな2階まで仕切り、そんなんセッショな・・」。
4時になった。1階には通路を挟んで人が何重にも重なってる。その通路に、ガードマンの隊列が入ってきて、合流出口辺りの警備や通路内側から客に向かって警備のポジションにたった。スタッフもスタンバイの様子で持ち場に就く動きで、とたんに場内は緊張とざわめきがみなぎって、その瞬間の期待が一気に盛り上がった。合流付近には15人ぐらいのガードマン。通路には3m間隔でガードマンかスタッフがファンに対面する。仕切りテープがさらに延ばされ、私の真下まで設けられる。そのあわただしい動きが、その瞬間が間近い感を如実の物語っているようだったが、それはあくる日のスポーツ紙によると、予想以上の人が詰めかけたことによる“慌て”に近かったようだ。群集は、ABゾーン側(航空施設側)にはスペースが限られて入れなくなってるので、反対側に膨らんでいった様で、私の見える2階の手すりの庇下側へ人がもぐりこんでいて、わずか真下のカートの移動通路の表示の辺りが空いてるらしく、そこには警察官が2m間隔で警備してる様子がのぞかれた。辺りは、物々しい警備の有様で、外人の人などは不安の表情を浮かべている風にも見えた。テレビカメラクルーが、ライトを点灯、辺りを撮り出した。取材のカメラマンもそこかしこに動いていて、私も手すりにしがみついた。そんな得も言われぬ緊張がこの後、1時間以上続くとはYOSHIKIの術中に最初からはまってしまったという事か。今か今かと悲鳴のとどろく瞬間を待ったが、ガードマンやスタッフの動き関係者の出迎えのスタンバイが、今にも出て来る緊張感をあおり続けて、気が抜けず微動だにせず待ち続けた。ついにガードマンが自分の手すりにも仕切りテープを設置し出す。設置は仕方がないので黙ってみていたが、向こうに行ったところで足で蹴飛ばして、仕切りをすぼめて手すりの乗りかかっていたら、やっぱり直しに来るわけで、またいなくなったら蹴飛ばして、直しに来てと4〜5回繰り返した。すぐ横に取材のカメラマンが来て、女の子が「明日載るの」と聞くと、「明日のスポーツ紙に載るよ」と答えていた。僕の体を押して覗き込んでる子が、「誰が来るんだろう」と友人4人と会話してるので、教えてあげた。「あーん、あーん、あん、あん」とうなずいた。知らない人でも名前をいえばもう分かる程度の敷衍性(広がり具合)、今度のCDが人の心を捕まえたら、いっぺんに大ブレイクするんだが・・・。5時過ぎだったか(4時からメモも取らずにじっと待っていたので)Bゾーンから出てきた外人さん、ものすごい観客に感動したのか、大きく両手を開いてアピール。どんな人かは知らないが、芸能関係者ならいざ知らず、大観衆の前でとっさにあんなジェスチャーとパーフォマンスをやってのける外人さんはさすがだなぁと緊張がほぐれたようだった。5時18分、歓声が湧き上がり、Aゾーンより、ゆったりとYOSHIKIが現われる。YOSHIKIの周りは2m前後の空間が保たれていて、その中を軽く手を挙げ合図の手振りでふり向ききびすを返しながら、ゆったりと進んでくる。合流付近では、人の圧力がどっと押し出してきて、YOSHIKIの周りの空間は押しつぶされ、護衛のガードマンやスタッフは懸命の防御に奮戦していたが、YOSHIKIの進路もふさがれ、体がもみくちゃにされてるようにも見えたが、YOSHIKIだけは悠然と笑顔を絶やさず、ライブのダイビングを久し振りに楽しんでるようによじられた体でも笑っていた。昔の事を思えば、これしきりの事YOSHIKIには何にも支障がないわけだ。もみくちゃの群集の中を押し出されるように前に進まされたYOSHIKIは、体を翻しながらも後ろを振り向き、ファンに手を振っていたのは一人余裕の境涯にいたようだった。そんじょそこらの有名人とは違うのは、その場にいる誰よりももっと過激なライブや荒れ狂う群集のなかに生きてきたYOSHIKIならではの経験に裏打ちされたものがあるからだろう。10mぐらいのもみくちゃから、防御の体制も成り立ち、体勢を立て直したYOSHIKIはガードの中を姿勢よく歩きながら、振り向き、、周りに気遣い、プロテクトから伸びでた5本の指を直立に立ててもみ動かしながら、ファンに帰国の挨拶と出迎えの感謝を精一杯伝えてるようだった。YOSHIKIが真下の庇に隠れ、そん後を渦巻くようにファンの流れがなだれ込んでいった。私はすぐ後ろのエスカレーター前に行ったが、別段ガードマンがいるわけでもない、あれれ?と思っているとVIPに通じる奥の方のエレベーターから降りたYOSHIKIがVIPに手を振り入っていった。VIP前では何人かのファンが待っていたが、大多数は1階に投げ出された格好で漂っているので、まだ2階までは時間的に間に合わなかったみたいだった。5時23分ごろだった。
 さてどうするのか。相棒さんはどこに行ったか。エスカレーターで1階に下り、皆が帰る方向で待ち構えていたが分からない(携帯はたまたま圏外を表示)。2階へ戻り、見渡すと、真下にいた。
5時40分ごろ2階に上がるとVIP前はまだ空いていた。相棒はVIP前に私は後ろでマイチェアー休憩。相棒が並びかける頃は前1列ぐらいの人が待ってるだけで「ここにいてもYOSHIKIさんは出てきません」と言われたらしい。6時ごろには30〜40人の人が集まり、動くわけでもなく突っ立っている。係員がその周りにあちこちいたが、先ほどとは打って変わった放心状態で気抜けして立っている。人盛りに、何事かと立ち止まる人に人が重なり、エスカ前はすぐ詰まる。「ここは通路なので通路を確保してください」と呼びかけて入る。仕切りテープを用意して、はみ出さないよう仕切って行く。VIP前で待ってる人はおとなしく待ってるが、立ち止まる人が通行の支障を作ってゆく。人盛りも100人ぐらいに膨れ上がる。ガードマン以外にも、責任者らしい人が通路を確保すべく「前を・・」と立ち止まる人に促してる。だんだん人垣の引力に吸い付けられる様に、立ち止まる人の輪に輪がかぶさり「こちら通路になります」とさばくが、人垣によそ見、それを見る人垣よそ見でどうしても流れが止まる。しかし立ち止まる人の言葉からYOSHIKIが来ていると言うのはだいたい知ってるらしく、「YOSHIKIだって」とか言いながら通過して行く。前に立った男の人が妻らしい人にYOSHIKIの説明「XJAPANの・・男でおかまっぽい・・」と説明。ビジュアル系はまあ一般にはそうかも知れんなぁ、仕方ないと思った。どこで聞いたか、女子学生が「YOSHIKI・・」と言って上がって来て並んだ。6時40分、だんだん人が増えて、エスカレーター前は相当邪魔になっていたが、あまり注意もなく「足下に気をつけてください」とか言ってる。その時、YOSHIKIが会見場から顔をだし、歓声が上がったがすぐにVIPに戻った。ちょっと手を振ってくれたらしい(人垣で、後ろからは見えない)。「YOSHIKI!」「YOSHIKI、お帰りなさい!」歓声。YOSHIKIがVIPに入ると半分ぐらいの人が帰って行かれた。相棒さん言うにはなおもしばらく待ってると、係りの人が「これからYOSHIKIさんが出て来ます。スタッフも後ろに下がってよく見えるようにしますので、騒がないでください」と仏の声。その時に「ヨンさまのファンは規律正しいが、]ファンはこれほどすごいとは思わなかった」と言う意味のことをおっしゃったらしい。後ろから見ているとしきりに携帯で写真を撮ってるが、何をとってるのか不明。45分、カメラのクルーが引き上げていった。その時VIPルームから出てきた人には細長い箱が外入口で渡されていたらしい。「土産のワインだわ、きっと」と話し合っていたとの事。55分ごろには、先ほどの人数以上のファンが集まった。7時過ぎ、歓声が上がり、イスか何かが倒れる音。YOSHIKIが出て来て、手を振ってくてたらしい。そしてカメラクルーが出て行った方向へ歩きかけたが(したがって、待ってるファンのすぐ前を右から左へ通過して行こうと)、係員が行き先を言って向きなおし奥の方の出口へ向かった。何度も後ろを向いてVサインをしながら手を振ってくれたらしい。すぐに自動ドアの向こうに消えていった。7時2分。
 帰る方角は、長い動く歩道を渡って駐車場の1階と覚えていた。VIP前の歩道を渡ってゆくと「南棟」とあり、1階の駐車場に行ったが少し記憶と違う。とりあえず駐車した場所に行ったが、車がない。その辺も探したが車がない。元に戻ることにして、係りの人がいたので尋ねてみると、どうも同じ施設が「北棟」にもあって、そちらかも知れないですねとのこと。VIP近くの待合椅子に相棒さんを残して、別の長い歩道を見つけて記憶を頼って行くと車があった。長い動く歩道は、一つと思い込んでたが、後で思い出すと、AロビーBロビーどっちに到着かと迷っていたことから2つ同じ施設があると気付けばよかったのに、やはり舞い上がっていて先のことしか頭になく、帰りの事まで気が付かなかった。もう迷いませんが、ややあせった。


間違えた所もたくさん有ると思いますが、最後まで読んで頂いて有難うございますm(__)m