REPORT 39

2014.8.16YOSHIKIディナーショー2日目(六本木GRAND HYATT TOKYO)   papa

お盆の、ふるさと帰省や行楽地観光の大移動の折、20年来の心のふるさとXJAPANのリーダーYOSHIKIのディナーショーが東京であった。田舎のお盆の行事もあり、2日目だけの参戦となった。ToshIのディナーショーにゲスト出演したこともあって、今回のYOSHIKIのディナーショーは、彼自身初のディナーショーではあるが、黒い衣装で登場したシーンが思い出され、初のディナーショーと言われると意外にも感じる。
 前日も参戦した相棒の情報もあり、開場間際に行けば十分のようである。18時30分の開場前、グランドハイアット東京の3階、ディナー会場に入った。ささやかな受付のチケ確認を済ませ、広いロビーに入ると、ドレスアップした女性がひしめきあっている。目を奪われてる間に時間通り開場となり、会場のグランドボールルームのホールに入場となった。その途中、YOSHIKI着物の展示がなされているが、横目で見るだけであった。
 ホール内は、8人掛け丸テーブルがテーブル番号を表示してたくさん並んでいる。ステージは、奥中央にしつらえられ、先に入場したファンの写真撮影の的になっているクリスタルピアノには、調律師が張り付いて調律の最中である。私の席は、テーブル17の132である。ステージと平行に並ぶテーブル列の2列目であった。テーブルは1列目は9テーブル、2列目以降は10テーブル、全6平行並んでいるようだった。ホール内には、YOSHIKIクラシカルの静かなバックミュージックが流れる中、調律師のピアノの点弾きの音が甲高く聞こえている。
 田舎者の高級ホテルの物珍しさもあり、回りを見渡し、天井を仰ぎ、挙動落着きなかったが、やっとここに存在できた安堵感もあった。ステージの左右の中高の壁面には、2×3mぐらいのスクリーンがはめ込まれていて、「EVENING with YOSHIKI    IN TOKYO 2014    special Dinner Show    at    GRAND HYATT TOKYO」の文字が5段抜きで表示されている。テーブルについてから、旧知の仲間との会話もあり、ショー開始前の親交が各所で繰り広げられている。華やかにドレスアップした女性陣の誇らしげに話す会話には、艶と気品が感じられた。各テーブルには、ウエイトレスがホテル制服で立ち、格式めいたディナーショーにも見えた。仕事を終えた調律師は、ピアノの羽をクロスで拭きながら、最後の仕上げとしているようだった。一通りの社交を終え、昨日は花束準備をしなかった無念を晴らす本日の花束駆け込みルートを思案してる間に19時となった。
19時、会場に変化があり、照明が陰ったか、アナウンスがあったか思い出せないが、ステージにはYOSHIKIクラシカルのボーカルケティが登場、英語で挨拶があった。通訳もいて「ショーは今から1時間後に開始しますので、お食事を楽しんでください」とのことであった。挨拶が終わると、ざわつきとお皿のかち合う音がして、テーブルナプキンののったお皿が下げられていった。少し興奮で上ずった会話が各テーブルで交わされ、また食事のテーブル領域を確認などして、なごやか朗らかにショー前の楽しい気持ちがあふれている。ビデオカメラを持った撮影スタッフが、ランダムに会場内を撮影している。8分、前菜登場。料理の説明が一言なされて置かれていくが、見た目、食感が作動して、うまそうか否かに分類されるだけである。バックミュージックは、ForeverLoveや愛知博テーマソングのオーケストラバージョンが流れている。16分、冷製スープ。別ウエイトレスによって赤ワインが注がれた。26分メインディシュの魚とお肉。10分ぐらいで食べ終わったが、お腹にこたえてきた。ボリュームなさそうで、ありそう。すぐにコーヒーorティーの確認にウエイトレスが回ってきた。見てると、コーヒーはスプーンを向こう側、ティーは手前側に置いて区別して、別のウエイトレスが注いでくれた。41分デザート。ピアノを模したチョコレートデザートに野イチゴ・イチゴ添え。50分、食事を終え、次の準備の化粧室へ。3階は女性のみで男性は4階とのこと。チケットを出して、確認の印をしてもらい、チケットをなくさないようにと念押される。先の人の後をついてゆくと喫煙室だった。バックしてまた探す。高級すぎて迷路である。個性的に凝った造りで、手すすぎに至っては、蛇口をひねると下のとゆに水が流れ、そのとゆの水の落ち口で手洗いするわけで、そんな仕掛け、楽しめる立場にまだないなぁと感じた。そんな邪念が生じて、帰りは1階まで下りてしまい、慌てて3階へ戻り、チケット出して入場、時間のかかる話である。
 席に戻るとすぐに、消灯となった。20時3分。スクリーンには、YOSHIKIクラシカルのインタビュー映像が映し出された。ストリングスのメンバ−4人が、ピアノのYOSHIKIの背の側にスタンバイ。インタビューの次のスクリーン映像は、東京ドーム、天皇奉祝、東京ドームドラム各30秒、日産スタジアムYOSHIKIピアノ、World  Expoのオケ指揮各20秒、東京ドーム、ドラム突っ込み、シンフォニーコンサート、東京ドームドラムとピアノ映像、東京ドーム全体映像の短いショット、続いて世界ツアーの行き先々の映像ショット、最後東京ドーム、空中ドラム演奏が次々映し出された。東京ドームの映像は、解散コンサートが主であった。20時10分、ここでYOSHIKIがステージ背後の出入り口から登場。ひときわ歓声が上がった。会場はまだ暗い状態。ピアノ楽譜台に譜面を広げてる様子などが体の動きで察知でき、座って暗いままの内にピアノ演奏が始まった。『ラストソング』が流れ出した。ステージに淡いライトが天井から当てられ、クリスタルピアノに反射して光を放っている。曲が進むにつれて、だんだん光度が増し、輝かしい演出が工夫されている。ストリングス(今日は4人、バイオリン2人、ビオラ、コントラバス)も途中から伴奏に参加して、太い流れのラストソングが会場に響き渡っている。終わりに近づくと、ボーカルケティもステージに登場、ボーカル部分を歌っていった。
  8時16分最初の演奏を終わって、マイクを手に立ち上がり、ステージ前方へ歩み寄り『YOSHIKIプレミアムディナーショーにようこそ。・・OK、じゃね、・・何?、はい、はい。きのう、ちょっとしゃべりすぎちゃって。ケーキ、おいしいよね。チョコレート、マジソンあるので控えてるんだけど、おいしいよね。横浜の前にも何かあったりして。うそ!うそ!うそ!。あしたは、話しちゃダメだよ。明日は無理だよ。言っちゃダメだよ…言っちゃ中止になるって。そーね、ニューヨークにいて、ワイン飲んで、何か手が動いてしまって、・・・あんまりしゃべると…。教えない!!・絶対!!。教えないでここまで来たから、絶対教えない!!。直前にツィートしたりして』。客の突っ込みを楽しみながら、話をさえぎっているが、話してるのと同じ状態に見えた。客「遅い時間か、昼間か言って」。『午後、おやつの時間しかない。次の曲、やろう。2012年、アメリカゴールデングローブ賞を作曲。曲でもテーマ曲です。(ピアノ楽譜台、めくりながら)譜面、どこかへ行っちゃった。ちょっとまってて。この曲は結構難しくて、(難しい割には簡単に演奏してるように見えて)俺たち、損してるだよね』。そうこうするうち譜面もあり、23分テーマ曲の演奏が始まった。会場内、照明がゆっくり回転している。ステージは一際明るい照明。誉れ高い賞の、テーマ曲作曲という栄光に輝いている。26分終了。『はい、OK。次の曲は、(一瞬の間)なんだったかな。この前、聖闘矢星やのテーマ曲出して、日本では6月公開なりましたが、これから南米とか公開しますが、まだリリースしてない。(客「付いてゆくから大丈夫!」)そう言うから出せないんだよ。(客「早く出して」)一応聞いときます。ケティにも入ってもらいます。“ソング オブ Hero”』。29分始まる。ケティの歌声が会場に響く。YOSHIKIのピアノの旋律が、強弱をつけながら、力強く流れてゆく。照明が、白→赤へと移り、また白色へ戻って行った。32分終わる。ケティが一礼して、手を上げて振り、下がった。マイクを持って『今日の構成は、この後1曲やって、チャリティーオークションやって、きのうコンサート長かったので休憩10分して、後半に入ります。10年前、XJAPANがラストソングで解散して、Hideが亡くなって、表に出るよりは裏方に徹しよう、作曲家にでもなろうと1年ぐらいしたら、奉祝委員会から、作曲しないかと依頼があって、とても光栄なことなので母親にも相談して、その曲書かしてもらって、演奏もしないかと言われて、ステージに立って、ファンの方から声援受けて、やっぱりステージに立ちたいと思った曲、アニバーサリー』。35分始まる。ピアノの音階が高音からつぶ音を連ねて下がって来る。照明が動く。激動の時に差し掛かると照明を多用し、視覚にも動乱的。平穏の時が流れると照明も動かず、やがて下から上へと移動して行く照明が華々しい明るさとなって絶頂期へと移ってゆく。バイオリンが流れるとYOSHIKIのピアノは一旦止まって黙然と動かず止まっていたが、またその流れに合流して、切り刻む伴奏が入って、静かな流れのバイオリン、穏やかな時が流れ、そしてフィナーレ、YOSHIKI右手を高々と上げて終わった。
 余韻が通り過ぎるのを待って立ち上がり、『じゃぁ、オークションの人、オークションする人、今日は後ろからですね(若い女性のオークション采配人、客席後ろから登場)。今ね、アニバーサリーは、ピアノ大変なんですよ。照明ないと、ピアノ見えなくなっちゃうんです(鍵盤が見えなくなるの意味)。この曲は、鍵盤見えないと弾けないので、照明明るくしてと言ったら、明るく花形に見えちゃったんですが、何とか弾けました。私、2010年にYOSHIKIファンデーション設立して、いろんなところに寄付してゆくんですが、昨日のオークションも今日のも、そこに寄付しています。最初の品は、今僕がしてるスカーフです』。采配人「私、金額言いますので、…最初は1万づつ、20万超えると2万づつ上げてゆきます。最初は3万から。中央15万、なので2万づつ、(すぐ声)19万、21万、25万、27万、29万、30万、32万、34万、36万、38万、40万、45万、47万、50万、55万、57万、60万、65万、67万、70万、73万、(おられませんか)落札します、73万円!73万円!73万円!」。客のかけ声に人物特定できる服装とか特徴を言って、雰囲気を高め、切りのいいところではそこへ誘導の値を連呼してゆく。YOSHIKIはオークション中、ピアノに背もたれして、マイクを腰前で両手で持ち、成り行きを見守っている。落札者、花束持参して、ステージそばまで行く。ステージ高が30〜40cm位、『サイン、入れますね』とサインを入れ、首にかけてあげる。落札者がYOSHIKIに一言耳打ち、腰をかがめて聞いたYOSHIKI『ありがとうございます』と言った。『次、今僕が、着ている服。ベルサーチの服。普段着ている服』「3万から行きます。(10万とすぐかかる)10万、14万、15万、20万(2万づつ上げます)22万、24万、25万、27万、30万、35万、40万、50万、60万、(何回か60万繰り返して)よろしいでしょうか。では落札します。60万円!、60万円!、60万円!」『ちょっと着替えてきますね』「普段着ているので、ファンの方にはうれしいですね。この後もYOSHIKIさん愛用の品、出てきます」(3〜4分あって)『あーどうも。すごくぬれちゃってる』と言って、着せかけるが『サイン、しなきゃ』と言ってピアノの上に広げてサインする。オークションの人と2人で、しわを伸ばしてサインしている。書き上げて『おめでとうございます』と羽織ってあげる。落札者、花束渡して、握手した。YOSHIKIは何回も礼をした。『3つ目の品は、(今してる)僕のサングラス。これはプラダのサングラス』「3万、5万、6万、8万、9万、30万、32万、34万、36万、38万、50万、52万、54万、56万、58万、60万、62万、64万、67万、68万、オレンジの方、よろしいでしょうか。では落札します。68万円!68万円!68万円!」。YOSHIKI後ろを向いてサングラスかけ替える。『どこにサインしていいですか。目にしていいですか。すごいサングラスになります』。サングラスを目にかけてあげる。落札者の話しかけがあり『ハイ、ハイ、わかめスープ』。紙袋に入れてYOSHIKIに渡し、ハグの真似して『ありがとうございます。わかめ、体にいいんだよね。次は黒いシャツ…ベルベットの・・・』「3万、5万、6万、10万、15万、16万、17万、20万、(2万上げ)22万、24万、26万、28万、30万、32万、34万、36万、38万、40万、42万、44万、46万、48万、50万、52万、54万、56万、58万、60万、62万、64万、66万、68万、70万、72万、…落札します、72万円!72万円!72万円!」。YOSHIKI奥に引っ込んで着替えてくる。『お待たせしました。ハイ、ハイ、サインどこにしますか。中にします』と言ってサイン。羽織ってあげて、握手する。『今、着ているディオールのシャツ』「3万、4万、5万、6万、8万、9万、10万、11万、12万、13万、15万、20万、22万、24万、26万、28万、30万、32万、34万、36万、38万、40万、42万、46万、48万、50万、56万、60万…よろしいでしょうか。落札します。60万円!60万円!60万円!」『着替えてきます』と後ろへ下がる。後ろで大きな笑い声「アッ、ハ、ハ、ハ・・・」。白いシャツ着て出てくる。『どこにサインします。お名前は』。羽織って、ハグして、握手して『どうもありがとうございます。最後のです。ロスの…10年前のセブンイレブンのコマーシャル映像の…(説明ではわかりにくい反応なので、裏からパネルを持ち出し(海岸で白いピアノを上半裸で弾いているパネルで、これなら皆見覚えある)、ベルサーチのジーンズ(デニム)です』「3万、5万、10万、12万、15万、18万、20万、22万、25万、26万、40万、42万、44万、46万、48万、50万、52万、54万、60万、62万、65万、67万、69万、70万、72万、よろしいでしょうか、74万、76万、78万、80万、82万、84万、86万、88万、90万、92万、94万、100万、105万、折り合いますか。よろしいですか。落札します。105万円!105万円!105万円!」『パネルも。じゃ、こちらにも(ジーンズ)。これ、首にかける訳にいかない』。パネル渡して、ハグ、2人でカメラマンにポーズして写真。『2部に移る前に5〜10分休憩。きのう、ずっとやっていたんで休憩』。9時13分から休憩となる。
9時20分YOSHIKI登場。『はい、着席!、着席!。あとでカーテンコール、今日は出てくるからね。着席だよ!、始めっちゃうよ!。(着席しないので、ピアノで、礼をする時の3回音(チャン、チャン[少し低く]、チャン)を弾いて)着席だよ。一旦引いて、皆、着席したら出てきます』で、21分、引っ込んでしまう。ステージ・会場暗くなる。23分再登場。『ハイ、今日2回目、まさか俺がディナーショーやる日が来るとは。YOSHIKIクラシカルでけっこうしゃべっって、しゃべるの嫌でなくなって。(客席からリクエスト曲の声)アート・オブ・ライフ?、ブルーブラッド?、予想外なんでブルーブラッド、ちょっとだけ弾いて見ようかな、間違ったら』と、続きの言葉を飲み込んで、やや首をひねり記憶の音符探すようなしぐさも入れて1分ぐらい弾く。『ヒッ、ヒッ、ブルーブラッド!。ローズ・オブ・ペイン?、ちょー難しい、弾けるかなぁ』で弾き始めるも少しで詰まり、苦笑いしながら弾き直してゆく。1分ぐらい弾いて『ヒッヒッ、出来るもんだね。ローズなんか、何十年やってないもんね。アンフィニッシュ?アルバム全部?いい加減にしろ!!』。アンフィニッシュを1分ぐらい弾いて『じゃ、ストリングスに来てもらって、皆、アメリカから来てもらって、俺もアメリカから来たんですが、ロスに住んでますが、日曜にワシントン州にイベント参加、月曜にマジソンのプロモして、火曜にニューヨーク出て、水曜日本に着いて、木曜はToshlとレコーディングして、金曜はディナーショー、そして今日。昨日疲れちゃって(木曜のことか)、Toshl眠っちゃった。(「新曲やって!」の声)レコーディングしてるから。VUKの新曲やろうと思いますが、ケティは?』。出てきたケティに英語で質問『日本は暑いとの事』。ケティがこのオフ、どこに行ったの話になって、アメ横に行った、『上野だよね?。俺、小さい時、上野動物園にパンダ見に行って、泣いちゃったみたい。お母さんに聞いた。2月にグラミーミュージアムで披露したことありますが、3本の指に入るぐらいの、自信作のバラード、やってみようと思います』 
 9時35分から40分まで演奏。『サンキュー。いい曲でしょう。皆、俺が遅れてくると思ってるから、この前もボルチモアで、PATAとheathがいて、俺オンタイムで行って驚かれた。昔東京ドームで、皆遅れると思って入ってこないので、モニター見てて、10分前ぐらいからやった。YOSHIKIタイムは、裏の裏をかくことかもよ。・・・』。すぐピアノへ座って43分、演奏始まる『Forever Love』。じっと聞き入る。45分まで。『そしたらね、次の曲がもう後半に差し掛かってるんだけど、けっこうやってるんだけど、今、マジソンスクエア…。1997年XJAPANが解散した時、そしてhideが亡くなった時は、再結成なんて考えなかった。10年ぐらい話しなくて、ある日Toshlから電話があって、あるバンドにやってもらった時でトシという人もいて、トシから電話と思ってハローと出たら、Toshlで「なんで、なんで」となって「会おうか」となって、ロスとか東京で会って、hideが亡くなった時に作った曲があって、「歌ってみる?」と言って(ここで、YOSHIKIの声、感極まり詰まる)、Toshlが歌うこともあると思っていたので、その声聞いたとたんに、いろいろあったけど、9年くらい経つけど、進んで行こうと。立ち止まっていたら、10年間は立ち止まっていた。人は進まないといけないし、やっていこうと。MSGのこともやってゆこうと。2010年日産スタジアムでやった時、TAIJI元気かなぁと、2人でToshlと持ち上がって、heathにお願いしてダブルベースでやろうと。まさかそれが最後とは思ってなかったが、2011年のツアー中に、TAIJIの話聞いて、やっぱいろいろあったけど一緒にXというバンド作ったので、…。何か少し休みたいという、Toshlと飲んでまた来年復活しようと、いつも復活ばかりだけど、マジソンやろうとブッキングに動いたのは1年前だけど、今それに向けて全力でやってます。Toshl、heath、sugizo、TAIJI、hide、PATAの7人のXJAPANでやろうと、よろしくお願いします。今からやる曲は、Toshlとの再会の曲、hideとの別れの曲、TAIJIとの曲、“Song of Without You”』。53分始まる。スクリーンには、海辺でピアノ弾くYOSHIKIの映像から、Xのラストライブ、hide映像、葬儀の映像、日産TAIJIとの抱擁、昔の長髪ぶっ立て映像、東京ドームライブ、味の素ライブ、海辺のピアノ演奏に戻り、昔のXライブ、京都スポーツバレーのライブ映像から、小学校時代のピアノ演奏会、母とのスナップ、父とのスナップ、中学時代のブラスバンドのトランペット、東京ドーム、ライブ5人の万歳、YOSHIKI・hideとの色んな場面、YOSHIKI背負うhideの飴玉、ラストライブYOSHIKI・Toshlの抱擁、YOSHIKIドラムぶっ壊し、ライブあけのYOSHIKI周りのhide戯れ、Toshlの水YOSHIKI頭かけ、ラストライブToshlとの抱擁(2回目)、ストリングス伴奏中ピアノのYOSHIKIは放心したように止まり、少し涙腺緩んだように鼻に手をあてている。そして演奏は終わると続いて『紅』へ入った(10時2分)。
ホール紅の照明、ピアノだけ白い照明に変わる。会場、聞き耳立てて静止の中、テーブル間を女性カメラマンだけが動いてゆく。7分まで演奏。『今は紅からチャイコフスキーの白鳥の湖をやりました。次の曲、最後の曲になるんだけど、そうですね、きのう言わなかったけど、ドラム展示されてるの見た?YOSHIKI着物見た?YOSHIKIクレジットのYOSHIキッティ、でっかいの見た?。キティデザイナーの山口さん来てくれて、ちょっと持ってきたと』。大きいキティ、スタッフ持って出てくる…『(いくら?と客席)売り物じゃない!』。ステージ前に置いて、ポーズとる。こっちも、あっちもと声のかかる方へ向きなおす。『昔ね、こんなツノしてて、うに頭やってみようか。やろうかなぁ。(今からやろう)ハイ、ハイ。ストリングチーム紹介するね。(バイオリン2人、ビオラ、バスを紹介)ボルチモアから4人とケティの5人、来てくれました。クラシカル、日本以外でどこよかった?』と英語で質問。「ベルリン」「ベルリンとバンコク」「ベルリンとアイルランド」「ベルリン」『ベルリン人気ですね。俺も2回ベルリン行ったけど、パリ4、…3、ロンドン2、モスクワ2など行ったけど、困るのは、移動距離も長いけど、お金、困ってるわけではないけど、空港でどれ使っていいのか。(日本はどう、大変?)質問多くて(日本、忘れないで)忘れないからやってるんだよ。ニューヨークで20本やって、世界でテレビ出たりしてるけど、それは皆さんが応援してくれてるから、感謝してます。…XJAPANのライブでは、こういうの聞こえないもの、東京ドームなんて聞こえないもの。キティと遊んでどうすると。しゃべってどうする、しゃべってたら怖いよ。やっぱり僕の周りにToshIという人もいないし、ケティもいない(ここでレコーディングやろう)あした、あさっては知らない。今で精一杯だし』。ここでYOSHIキッティ退場。『昔さー、アイボーという犬のロボット、感情入って、(さびしいかなと)もう一体買って、だんだん危ないぞと。コンサートでもYOSHIキッティ出されると怒れない。これから横浜、マジソンスクエア、命がけで世界へ出てゆくの、大変だけど、皆な肩を押してくれてるので出てゆける思い、感謝してます。どこまで皆の期待に答えられるか分からないけど、命がけでやります。最後にENDLESS RAIN』。20分始まる。
演奏が始まると、自然発生的に演奏に合わせたコーラスが歌われ出した。ゆっくり、ゆっくりミラーボールが回り、華やかな時の流れが、いつものように繰り広げられる。中程より、ミラーボールのさらに鮮やかさが増し、ミラーボール全開とでも言おうか、ホール全体を光の玉がくっきり鮮やかに回転してゆく。ゆったりとした時の流れの中で、ピアノと歌声が暖かく絡み合って、YOSHIKIはピアノから客席へ視線を移して相槌のような満足の表情で応えたように見えた。27分ピアノ、終止を打ち、終わる。
 終わるか終らないかの瞬間、私の横を、着物を着た若い女性が疾風のごとく、通り過ぎた。会場一斉にステージに向かって花束動乱の流れ。クリスタルピアノとYOSHIKIを中心に、花束が乱舞し、その外苑には写真撮影の人盛り。ホールにはSay Anythingのオーケストラバージョーンが流れ出す。ピアノの前からステージ右へ移って花束を受け取り、また中央に戻って、さらにステージ左へ移って、ファンの花束に応える。スクリーンにはエンドロールが下から上へ流れ出しているが、会場視線はステージYOSHIKIに釘付け。そしてスクリーンは最初の「EVENING with YOSHIKI・・・」に戻った。ステージを取り囲む人の花束は、いつまでも尽きることなく、YOSHIKIを叫ぶ声は途切れない。Say Anythingの音響が大きく流れ出したが、花束を掲げ上げる人の波は大揺れで動いている。にこやかにYOSHIKIは花束を受け取りながらステージ右に左に動いている。受け取った花束をステージフロアに置くときには埋もれ、消える。消えたのか、居るのかわからない状況で、YOSHIKIと入れ替わるように33分ストリングスのメンバーがステージに現れた。観客に手を振って応え、またステージから下がった。ステージ前のファンは、ほとんどその場を離れない、20〜30秒してYOSHIKI登場。しかし、すぐにYOSHIKIは下がった。ステージに動く姿は見えず、YOSHIKI!YOSHIKI!の掛け声が次第に合わさり、さらにX!  X! の掛け声も上がった。36分「YOSHIKIさん疲れた」というようなアナウンス。すぐにステージ前の人盛りはばらけて1/3となったが、居残る人達は花束を掲げ目的を達せない思いに留まっているようだったが、次第に少なくなり、ピアノ撮影や記念写真の人に入れ替わって行った。40分会場から帰る人が多くなり、アナウンスはないものの、これで終了となった。10時41分。
 相棒は、5本バラの中央1本が折れた花束をもって帰ってきた、残念無念組の一人であった。さらに衝撃的な事実を言う。“YOSHIKIさんが引っ掻かかれ、血が出たらしい”とのことで、それで急に引っ込んでしまったらしいとのこと。今日のYOSHIKIは疲れているように見えた。クラシカルの世界ツアーから休む暇もなく予定をこなし、そしてディナーショー、さらには翌日新宿ゲリラの準備もあったろう。不慮の事故に見舞われ、プッツン。それぞれ大変なおもいをしてファンも参加し、YOSHIKIも必死の努力をしてくれた。東京ドームならこんな距離で話せないと、むしろ近接感を楽しみ喜んでいたのに裏目に出たような、引っ掻き事件、残念だった。(終)