2001年の参戦結果

8月18日、いよいよ大会当日を迎えました。 若狭の自宅から会場まで、車で1時間30分ほどの道のりです。 会場の滋賀大学付属小中学校へ着くと、校門のところで大会会長の濱川先生と一緒になりました。 ウッキーは大学時代に先生の特別講義を受講したことがあって、太陽電池の権威の先生だし、大会でも毎年お目にかかるので、すぐに気が付きました。 会場へ向かって一緒に歩きながら「お早うございます。」と挨拶したら、「まっすぐなボートやなあ。 こんなんが速いんや。」などと気さくに答えていただき、会場の入り口までご一緒しました。 ウッキーは関西弁を話される方だと、どんな偉い先生でもすごく身近に感じます。 
(右端の写真が濱川先生です)

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さて、受付と船体検査を終えて会場へ入ります。 例年と同じ雰囲気ですが、いつもより2週間くらい開催日が遅れているので、去年と比べると日差しが随分やわらいだ感じがしました。

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プールでは早々とボートを走らせて、調整に余念のない参加者が見受けられます。 そして去年驚愕したのと同じように、信じられないほど速いボートが何艇かあります。 ウッキーはそれを見ながら、今年も決勝は無理かなと内心自信が無くなっていきました。 さらに輪をかけて落ち込む様な出来事も・・・・。 ウッキー3を試走させるやいなや、いきなり波と横風を受けて、3mくらい走ったかと思ったら右舷へくるっと回転して、むなしく亀の様に腹這いになってしまった。 「冷や汗たら〜っ」という感じで、血の気が引く思いがします。 でもこれはソーラーパネルの位置を変えて、ちょっと重心をずらせればすぐ解決する問題なので、気を取り直してバランスを取り、また走らせます。 この期に及ぶと、調整と言っても重心のバランスをとることと、直進するように舵を微調整するくらいしかすることがありません。 5〜6回走らせていると、周りからは「速いなあ〜。」と言ってくれる声もちらほら聞こえましたが、決勝に残れるかどうか微妙なところだろうと状況判断していました。 

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写真は左が調整中の参加者、中央は小型のクラスの出場艇(すごくきれいな艇でした)、右は我が「ウッキー3」です。

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今年の参加艇は、全体では去年よりかなり多くなったものの、ウッキーが参加した650平方cm以下の一般のクラスは、16艇のエントリーのみでした。 しかし、技術レベルというか、ボートのスピードは確実に昨年よりアップしています。 予選は8艇ずつ2回に分けて競い、それぞれの2位までと、敗者復活戦を勝ち上がった2艇の合計6艇が決勝へ駒を進めることができます。 まず最初の目標は、予選2位以内に入って、決勝進出を確実にすることです。 昨年はここでこけてしまって、敗者復活戦回りだったのだから。 もう12時近くだったでしょうか、ウッキー3は予選2組に出場することになりました。 実は午後は天気が怪しげになるのですが、このころはまだ雲が少なくて日光は十分です。 さあスタート。 ところが、ウッキー3は風を受けたのか重心が若干左に寄っていたのかわかりませんが、スタート直後から左へ左へと緩やかに曲がりながら進んでいきます。 

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去年までのボートなら、スタートしてから自分で追いかけることができましたが、今年のボートはとても追い切れないので、ボートを放してそのまま後ろから見守っていました。 ウッキー3はトップではありませんが、その前を走るボートは、なんと1艇だけ。 このままプールサイドに当たるほど大きく曲がらなければ、2位で決勝に残れます。 結果は、中央からスタートして一番左のコースくらいまで湾曲して走ったものの2位でゴールイン。 やった〜。 これで念願の決勝進出決定!

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昼食タイムの頃からでしょうか、徐々に空を覆う雲の面積が広がりはじめ、午後の部が始まった頃には、時によって太陽が完全に雲に隠れてしまう様になりました。 ソーラーボートですから、太陽光がないとどうしようもなく、午後一番に始まった小中学生の部の決勝レースでは、全くモーターが回らなくてリタイヤするボートが少なからず出てきました。 中には、よほど悔しかったのでしょう、涙を流してしゃくり上げる女の子までいます。 確かにその子のボートは、日射の強かった午前中はすごく速く走っていたのです。 こんな大会でもやはり勝負の世界。 女の子の泣き顔と、声をかけているお父さんの姿が今も目に浮かんできます。

日照をどう想定してモーターやスクリューを選ぶかは、技術的に大きなポイントの一つです。 日射が弱くてもある程度走る様にすると、日射が強いときにはそのパワーを全部有効に使うことはできません。 逆に晴天の時に最大のパワーを得るようにすると、少し曇ると極端にパワーが落ちてしまいます。 実は今年のウッキー3は、日照が少なくてもある程度走るような特性に仕上がっていたので、勝ち目があるとすれば、それは決勝の時に曇った場合だと思っていました。 ところが、最終的に天はウッキーに味方しませんでした。 皮肉にも、それまで泣きそうな空模様だったのに、スタート数分前に雲の切れ間から太陽が顔を出し、強い日差しが降り注ぎ始めたのです。 そして、スタートの笛の音とともに決勝レースがスタートしました。 ウッキー3を入れて6艇のボートがプールの対岸を目指します。 ウッキー3の前にはすでに4艇があり、少しずつ差が開いていきます。 ゴールには4艇が本当に拮抗して、どれが一位か二位かわからない状態で到着し、そのあと数m遅れてウッキー3が5位でゴールしました。 参加3年目でやっと決勝に残って善戦したものの、これが限度でした。

今年の反省。
船体の出来はまずまずでしたが、まだ重量的に重すぎるようです。 試走中に他の早いボートとぶつかったことがあって、それでわかったことは、パワーではウッキー3の方がずっと勝っているということ。 簡単に他のボートを押しのけるのだから。 しかし重量オーバーのため、スピードアップに限界があったのです。 
それでも、うれしいことにシースルーの船体は人目を引いたようで、じっと凝視する高校生や「ようできてるな。 やられたな〜。」と声をかけてくれて、写真も撮って行かれた年輩の参加者もありました。 1年間かけて作り上げただけに、内心嬉しかった。 もう今年で止めようかと思っていたのですが、その方に最後に「ほな、また来年。」と言われて、また心が揺らぐウッキーでした。

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