掘りたて恐竜展を見る  表紙へ戻る

2002年ゴールデンウィーク。 京都で恐竜展が開催されていました。 中国の重慶自然博物館に所蔵されている本物の恐竜化石が、多数引っ越してきていたのです。 この「堀りたて恐竜展」と銘うった展覧会は、全国で巡回展示されていて、たまたまゴールデンウィーク中は京都で開催されていました。 若狭の自宅から、京都まで約一時間半かけて、JR京都伊勢丹の美術館「えき」を訪ねました。 

中国南西部の四川省は、ジュラ紀の地層が露出している恐竜化石の宝庫で、そこに重慶自然博物館があります。 ここの特徴は、レプリカではなく本物の化石からなる恐竜骨格が、多数展示されていることです。 

horitate.jpg (16509 バイト)展覧会では、2000年に発見されたばかりの新種恐竜「イービノサウルス」の化石が、発掘された時と同じ様に、地面に横たわった状態で展示されていました。 ジュラ紀前期(約1億9000万年前)に生息していたと推定され、体長13mくらいだったようです。 残念ながら頭部は発見されていません。 イービノという名は、この化石が発見された宜賓という市の中国語読みに由来します。 

大きな恐竜では、「オメイサウルス」というジュラ紀後期に生息していた、全長14mもある草食恐竜の化石がありました。 最良の保存状態で発掘されたといい、骨格から恐竜の姿が目に浮かぶような、見栄えのする化石です。 この恐竜は首がすごく長い。 キリンの首が7個の骨からできているのに対し、この恐竜は19個もあるそうです。 

ヤンチュアノサウルス」という体長7mの肉食恐竜は、死んだ時の姿をとどめた形で発掘された珍しい化石。 先日行った福井県立恐竜博物館でも、同じようなカナダから出展された恐竜化石が展示されていましたが、まるで死の間際に身もだえたような形には迫力を感じます。 

horitate3.jpg (15715 バイト) horitate4.jpg (12506 バイト)

恐竜というと大きな生物と考えがちだけれど、上の左の写真は「シッタコサウルス」、右はケイチョウサウルスと言って、それぞれ体長が1m(左)、25cm(右)という小さな化石です。 いずれもまだ子供ですが、成長しても、それぞれ2mと30cmくらいの比較的小型の種類です。 シッタコサウルスの化石は、おなかに消化を助ける胃石が残っているという珍品でした。

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