恐竜博物館を訪ねて  表紙へ戻る

福井県は知る人ぞ知る恐竜王国。 日本で発掘された恐竜化石の約8割が、福井県で見つかっているのだそうです。 発掘現場は、福井県北部にある勝山という人口3万人足らずの市で、そこの北谷町というところで発掘されています。 

勝山市では、1989年から発掘調査が始まり、手取層群という地層から化石が発見されています。 フクイラプラトルのように福井にちなんで命名されたものもあるし、イグアノドン類の5mあまりの草食恐竜骨格等が採取されたこともあります。 これまでに肉食3種類、草食5種類の計8種類の恐竜化石が見つかっています。 また、恐竜の足跡化石や恐竜の卵、幼体の化石なども発見され、ここで恐竜が群生していたことが明らかになっています。

フクイラプトル・キタダニエンシスは北谷で発見され、日本で初めて全身骨格が復元された肉食恐竜で、体長約4.2m、後ろ脚に大きなカギつめが有るのが特徴だそうです。 下の写真は発物館で買ったキタダニエンシスをモチーフにしたシールですが、こんな格好で後ろ脚で2足歩行する恐竜だったみたい。 そういえば、映画のジュラシックパークでこんな恐竜が、たくさん登場しますよね。

発掘現場の北谷町から車で20分ほどの所に、日本の恐竜研究の拠点とするべく建設されたのが、今回訪れた福井県立恐竜博物館です。 行ってみて、その規模の大きさに驚きました。 何キロも手前から、まるで天文台の観測ドームのような銀色の建物が目に付きます。 地下1階、地上3階の広大な館内に、所狭しと恐竜の骨格の実物や復元模型が展示してあります。 また、館内の何カ所かでは写真撮影が可能なポイントが決められていて、そこでは化石をカメラに収めることができるし、別のコーナーでは実物の化石に手で触れることもできました。 写真のアンモナイトは直径が1m近くある巨大なもので、直にさわることが許されていました。 

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ウッキーが訪れた日には、カナダのロイヤル・ティレル古生物学博物館の特別展も開催されていて、「ブラックビューティー」と呼ばれる世界的に有名な、ティラノサウルスという肉食恐竜の全身骨格標本を始め、迫力のある展示を見ることができました。 左の入場券左側に写っているのがブラックビューティーで、発掘された状態のままに岩盤ごと切り取った化石です。 卵に入った姿の赤ちゃん恐竜の化石もあって、本当にジュラシックパークの世界に入り込んだ感じでした。

眠りからさめた福井の恐竜展(2002年8月20日追記)

お盆休み中に再度博物館を訪ねました。 夏休み中とあって、家族連れで賑わう館内では、特別展が開催されていました。 地元勝山市北谷地区で発掘調査されている、約1億2000万年前の地層で見つかった化石を中心に、博物館の収蔵品が紹介されています。

恐竜が初めて地上に現れたのは約2億2500万年前。 そして6500万年前に忽然と姿を消してしまいます。 恐竜たちの時代は、実に1億6000万年間も続いたのです。 人間の歴史は長く見ても、たかだか400万年しかないのに。 その間、学問的に認知されているものだけで約400種類、実際には6000種類以上の恐竜が生息しただろうと考えられています。 ここ勝山でもカツヤマリュウ、キタダニリュウ(いずれも通称)など新種と思われる恐竜の化石が、いくつも発見されています。 しかし、全身骨格がそろって発見されることは大変まれなので、研究が進むにつれて少しずつ姿が明らかになっていくというのが実態です。 だから、以前はブロントサウルスとしてよく知られていた恐竜が、実は別に発見されていた恐竜と同じ種類だとわかって、いまではアパトサウルスと呼ばれるようになったりもします。 意外なことに、恐竜(DINOSAURS)という名前が初めて使われてから、まだ160年ほどしかたっていないのです。 この博物館を訪れると研究が進展の途中にあり、ダイナミックに謎解きが進んでいるんだと実感させられます。

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