シャガールコレクション展

愛のシンフォニー

表参道にあるアニヴェルセルギャラリーへ、シャガールを見に行きました。 ここはシャガールに共感して設立された、というギャラリーです。 シャガールはウッキーが一番好きな画家の一人。 今回はリトグラフの「ダフニスとクロエ」、「サーカス」、「アラビアン・ナイト」、「オデュッセイア」の連作、それだけでも凄いと思うのに、加えて油彩の名画が何点も出展された、大がかりな展覧会でした。 

リトグラフは同じ作品が何点もあるから、美術館や展覧会で比較的よく目にしますが、それに比べると油彩の大きな絵を鑑賞する機会は、ずっと少ないと思います。 ただ、それはシャガールに大きな号数の絵がないと言うことでは、もちろんありません。 パリのオペラ座の天井画を描いたのはシャガールなんだからね。 そういえばウッキーはずっと以前に、その絵を見たことがあります。 人間の好みって変わるものなのか、その時はオペラ座の荘厳さに、ふさわしくないような気がしたのに、今では随分魅せられています。 さて、今回の感動ものは、なんと言っても油彩画。

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パンフレットの表紙を飾る「誕生日」は秀作です。 描かれているのは、シャガール自身とフィアンセのベラ。 シャガールの絵ではよく見られるように、二人とも空中に浮いています。 2人が結婚する18日前の誕生日を描いた絵だそうだから、幸福感で地に足が着かないということでしょうか。 この絵、有名なニューヨーク近代美術館蔵の同名の絵だと思っていたら、シャガールは全く同じものを1915年と1923年に制作していて、これはそのうち後のもの。 このアニヴェルセル表参道のコレクションなんだそうです。 シャガールが同じ構図で描き直して、長らく自分の手元に置いていたという、本人お気に入りの絵です。 

それ以外で印象的だったのは、同じくシャガールとベラを描いた「婚約者達」です。 この絵では、人は浮かんでいないけれど、代わりに花と天使が幸福感を象徴しています。 また「赤い背景の花」という、ずばり絵柄を表した絵。 これも凄くきれいだった。シャガールの赤は「情熱」を、青は「静寂」を表現しているそうです。

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