レオナルド・ダ・ヴィンチ

白貂を抱く貴婦人

横浜みなとみらいの横浜美術館。 広大なスペースでゆったりと絵を楽しめて、都心の美術館とはひと味違う雰囲気が漂います。 そこに、ルネサンスの巨匠 レオナルド・ダ・ヴィンチの名画がやってきました。 ポーランドの古都クラクフにあるチャルトリスキ美術館の至宝を公開する展覧会です。

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年明けから、電車に乗るといやでも目に入る大きなポスターの上で踊る「VINCI」の名前。 これはもう見に行かずにおれません。 なんてったって、レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452〜1519)の絵なんだ。 
ヴィンチが生涯に描いた女性の肖像画は、意外ですがモナ・リザを含めて3枚しかありません。 その1枚がこの絵。 女性が抱いているのは白貂(シロテン)です。 白貂はギリシャ語で「ガレー」と言い、女性の名前「ガッレラーニ」とかけてあるのだそうな。 昔の人は、世の東西を問わず風流だ。 女性はミラノ公イル・モーロのおめかけさんで、才色兼備で知られたチェチリア・ガッレラーニ(1473頃〜1536)といいます。 彼女はこの絵が大変気に入り、ミラノ公の元を離れた後も、亡くなるまで手元に置いていたようです。 ヴィンチの発案による、スフマート(輪郭線を描かずに、陰影で立体感を表す手法)という独特の画法を鑑賞するのも、この絵の楽しみ方の一つでしょうか。 ヴィンチの絵を見る機会なんて、本当にまれですから、しばらく立ちつくして食い入るように見てしまいました。

絵を見ているというよりも、天才の名を欲しいままにした万能の人、ヴィンチにお参りしているような気持ちになったのは、ウッキーだけでしょうか? 何しろ、師のヴェロッキオが、弱冠20歳の弟子ヴィンチの描く絵を見て、二度と絵筆を取らなかったという程の早熟な才能だったのです。

さて、美術展では、ポーランドの名門チャルトリスキ家が収集した美術品、工芸品の数々が展示されています。 普通の美術展と違って、甲冑や盾、羊皮紙に印刷された本などもあって、少しだけポーランドを身近に感じた気がしました。 

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