川村記念美術館

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快晴の秋空に誘われてちょっと遠出してみたくなり、以前から一度行きたいと思っていた千葉県佐倉市の川村記念美術館へ出かけました。 寮を出てから美術館の入り口をくぐるまでに3時間ほどかかって、やっとたどり着いた美術館は、その時間を忘れさせてくれるほどきれいで、充実した美術館でした。 ここは大日本インキ化学工業という会社の企業美術館です。 左の写真のように、あか抜けしたデザインの建物の前には、まるでゴルフ場の様に広大な緑の芝生が広がり、静かな水面の池ではアヒルが遊んでいます。 「作品」と「建物」と「環境」という三要素の調和をテーマにしたという規模の大きい美術館でした。

収蔵作品は、なんと総数1000点以上に及ぶそうで、印象派をはじめとするヨーロッパ近代絵画からカンディンスキーのような抽象美術、レンブラントなどのオランダ絵画、尾形光琳をはじめとする日本画まで美術史を広く網羅しています。 しかも、それぞれの絵が、画家の最盛期の特徴をもった作品ばかりで、美術館がそのまま教科書になっても不思議ではないくらい充実していました。 

印象的だったのは、ルノワールの「水浴する女」、シャガールの「ダビデ王の夢」と「赤い太陽」です。 ダビデ王の夢は大きな作品で、シャガールのあざやかな色使いを堪能しました。 レンブラントの「広つば帽を被った男」、モネの「睡蓮」の名作もあります。 ウッキーは最近企画展に出かけることが多かったからか、一瞥しただけで作者がわかる絵をたくさん見て、ちょっと新鮮な感じがしました。 一人の画家の絵を時系列的に一度に眺めて、その画家の歴史と変遷をたどる見方も面白いですが、ここのように、美術の歴史を概観する鑑賞の仕方も楽しいものです。

ところで、常設展と並行してアレクサンダー・カルダーという現代彫刻家の企画展も開催されていました。 この人は入場券にもデザインされているように、動きをともなう彫刻(モビールと呼ぶらしい)の創始者なんだそうです。 やじろべえのようにバランスをとって、ブラブラしている彫刻をよく見かけるけれど、それをカルダーさんが初めてつくったのかなあ。 ウッキーは不勉強で、よくわかりません。 

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さて、川村記念美術館は企業美術館らしくサービスも充実していて、JR佐倉駅、京成佐倉駅から無料送迎バスが出ています。 駐車場も広いし、お金をかけているんだろうなと容易に想像できる手入れの行き届いた構内には、遊歩道までありました。 ところで、帰りのバスの中で60代くらいの男女4〜5名のグループの会話が聞こえてきました。 「この内容で1200円の入場料は高いね。 何も見るものが無かったよね〜。 早く次の武家屋敷へ行こう。」 ウッキーはそれを聞いて「・・・・・」となった。 美術館へ観光に来ちゃダメだよ〜。 こんなにいい美術館って、そうそうないと思うけどなあ。 時間があれば絵を見て、食事をして、きれいな芝生を眺めて一日過ごせる絶品の美術館です。

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