藤田喬平ガラス美術館

東北旅行の最初の目的地は宮城県松島。 日本三景の一つを見たいというよりも、インターネットで知ったこの美術館を見たいというのが本当の動機だったんです。 松島海岸駅へ着いて、徒歩で瑞巌寺、五大堂を見て、そのあと美術館へ向かいました。 さすがに日本三景の一つだけあって、途中、たくさんの団体観光客と出くわします。 天気予報に反して、お日様が顔を出すいい天気になったものだから、美術館へ着いた頃には少し汗ばんでいました。

インターネットでこの美術館を知るまで、藤田喬平さんという工芸家を知りませんでした。 文化功労者のおひとりで、著名な方だそうです。 

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美術館の絵はがきより

左の写真は「ヴェニス花瓶」で、その曲線と色彩の美しさはとても言葉で言い表せるものではありません。 真ん中の写真は「瑞巌寺を想う」という作品で、松島の風景と仙台藩主、伊達政宗の兜をイメージした作品。 ウッキーは一度見て、また引き返しては何度も見ました。 右の作品は「流」と題した作品で、題名の通りダイナミックな動きを感じさせる大作です。 作品には、金箔を使った日本の伝統工芸を想わせるようなものもあり、本当に何度も立ち止まり、引き返しては楽しませてもらいました。 作品の数は膨大ですが、静かなので時間を忘れて現代のガラス工芸の世界にのめり込んでしまいます。 俗世間から隔離された異空間の様に思えました。 

ところで、この美術館はガラス工芸もすばらしいのですが、さらにそれに加えて、綺麗な造りの建物の周りに広大な庭が広がっていて、うつくしい花が咲き乱れていました。 そして、一番展望のいい茶室では抹茶のサービスまで。 立ち去るのが本当に惜しくなるようなすばらしい美術館でした。

追記 (2002年10月15日)

前回この美術館を訪れてから、1年数ヶ月が過ぎました。 東北は若狭から遠いし、再度行くことは無いだろうなと、漠然と思っていたけれど、意外に早く、また訪問する機会が巡ってきました。 今回は、五大堂近くのホテルに宿泊して、翌日8時30分の開館とともに入りました。 前に訪れたときに感動した上記の作品も、もちろんよかったけれど、今回は、金箔を使った作品に目を奪われました。 

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金箔のちぎれ方が絶妙で和風の雰囲気を保ち、それでいて、ベースのガラスの色、模様とうまく調和しています。 伝統的な塗り物と現代のガラス工芸が融和したところが最高。 前回も同じ物を見た記憶がありますが、一回目は上に挙げた様な作品が印象に残り、今回は、こういった作品に目を奪われました。 上の写真は「飾筥 竹取物語」という作品です。

今回もガラス作品を堪能したうえに、ゆっくりお茶をいただいて、帰りがけにミュージアムショップで、一輪挿しの花瓶と器をお土産に買ってきました。 ひょっとしたら、また訪れることがあるのかもしれないなあ。

 

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