ウィーン美術史美術館名品展

〜ルネサンスからバロックへ〜

 

ウィーンから珠玉の絵画がやってきました。 ウィーン美術史美術館の膨大なコレクションから、デューラー、クラナッハ、ルーベンスら65作家の逸品が、東京芸大美術館で公開されたのです。

wien1.jpg (20466 バイト)

ウッキーはこの美術館へ、学生時代に一度行ったことがあります。 装飾され、重厚感あふれる額に入れられた、大小の絵画を鑑賞していると、さながらウィーンで美術館にいるような気がしてきます。 その時は、偶然知り合ったメキシコ青年といっしょに美術館へ向かった記憶も、よみがえって来ました。

wien2.jpg (17416 バイト) wien3.jpg (17984 バイト)

さて、最初に紹介したいのは異色の画家、ジュゼッペ・アルチンボルドの作品です。 彼は技術者やデザイナーでありながら、錬金術、占星術にも通じていたミラノ出身の16世紀に活躍した画家です。 その画風は、「アルチンボルド風」と呼ばれることもある、独特の気色悪い(失礼!)寄せ絵です。 写真は、代表作とされる「四季」と「四大元素」という連作のうち「冬」(左 1563年)と「水」(右 1566年)です。 四季の夏と冬の2枚が、四大元素は、水、火、土、空気のうち前の2枚が、ウィーン美術史美術館に収蔵されています。 なんとも形容しがたい、見ての通りの絵としか言い様がありません。 当時、ハプスブルグ家の皇帝、ルドルフ2世の寵愛を受け、また最近になって急に注目されている画家でもあります。 ウッキーは、この画風が特に気に入っているわけではありませんが、この展覧会の目玉作品のひとつだと思います。

wien4.jpg (17295 バイト) wien5.jpg (21278 バイト)

次の作品は、ベラスケスの2枚の肖像画です。 左は「王子バルタザール・カルロス」(1640年頃)、右は「青いドレスの王女マルガリータ」(1659年)です。 カルロス王子は、スペイン国王フェリペ4世の王位継承者でしたが、16歳で早世してしまいました。 死を嘆いたフェリペ4世は、カルロスの婚約者を自分が娶り、晩年に誕生したのがマルガリータです。 ベラスケスの作品にたびたび登場するマルガリータ王女の誕生には、こんな王家特有の事情があったのです。 この絵は、マルガリータ8歳の時の絵で、銀の装飾のあるふくよかなドレスに、身を包んでいます。 当時はお見合い用に用いられたようです。 

wien6.jpg (15808 バイト)

最後に紹介するのは、ヤン・ブリューゲル(父)の「青い花瓶の中の花束」(1608年)です。 作者は、ピーター・ブリューゲルの次男で、「花のブリューゲル」と呼ばれるほど、花の絵を得意とした画家です。 ちなみに、父はピーター・ブリューゲル(父)、兄はピーター・ブリューゲル(子)、息子はヤン・ブリューゲル(子)と呼ばれます。 ややこしい! 
この絵は、黒の背景にビビッドな花が描かれ、緊張感のある絵に仕上がっています。 

表紙へ戻る