茨城県近代美術館

福王寺法林・一彦展

3月中旬、偕楽園を初めて訪れました。 ウッキーはどこかへ出かけると、必ずと言っていいほど、その土地の美術館や博物館へも立ち寄ります。 このときも水戸まで足を延ばして、茨城県近代美術館へ。 水戸駅から桜川を超えて歩いて行くと、遠目に美術館らしい大きな建物の屋根が見えてきます。 駅から20分近くかかったでしょうか。 近づくと芝生の広場では、いくつかの庭木が写真のように愉快な形に刈り込んであります。 訪れた日は「福王寺法林・一彦展」の開催期間中でした。

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福王寺法林は1920年に生まれ、幼い頃に父親の猟銃の暴発で左目を失明しています。 画家として大きなハンディを背負いながら、狩野派に師事し、ヒマラヤという題材を得て独自の日本画の世界を開いていきました。 険しいヒマラヤの山並みや、ネパールの村を描いた絵で知られています。 この画家は、スケッチと構想に数年かけることも珍しくないそうで、特にヒマラヤの絵を描くときには、ヘリコプターを何度も飛ばせて体を乗り出して、命がけでスケッチを繰り返すのだそうです。 その時、傍から絵筆を渡すのが息子、一彦の役目だったそうで、妥協を許さない父と同じ道を歩むことになった一彦は、平成13年に史上最年少で日本芸術院賞を受け、次代を担う日本画家の一人として期待されています。 

福王寺法林 「ヒマラヤの花」「長崎夜景」    
福王寺一彦 「月下洗菜」

法林にはヒマラヤを描いた作品以外に、月が懸かっている夜景の絵がたくさんあります。 夜の絵って描きにくいだろうと思うのに、見事に独自の画風で描かれていて飽きません。 親子を比較すると、法林が写実的なのに対して、和彦は叙情的な感じの絵が多いように感じました。 それでも、一彦が満月の昇った夜空を背景にした絵を、何枚も描いているのは父親からの影響でしょうか。 

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常設展で公開されている収蔵品はロダンの彫刻を始め、モネ(写真左)やルノワール、ドラクロワらの秀作があります。 写真をあげたのは、モネが17歳の時に描いた「ルエルの眺め」という作品。 まだ学生だった頃の絵ですが、すでにその才能は輝きだしていたようです。 右の写真は国吉康雄の「二頭の牛」という作品です。 1889年岡山生まれで、アメリカで活躍した画家です。 楽しい絵だと思って記憶に残りました。

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