笠間日動美術館

アントワーヌ・プーペル写真展

陶芸の街として知られる茨城県笠間市へ行ってきました。 目当ては笠間日動美術館です。 JR水戸線笠間駅から徒歩で25分位かかったでしょうか。 バスの便もあるようですが、天気がよかったので歩くことにしました。

私設美術館の場合、コレクターの趣味やセンスを反映した、ユニークな収蔵品を持っていることが少なくありません。
ここの特色は
画家のパレットコレクションです。 内外の著名な画家が実際に使ったパレットに、絵を描いて収集してあります。 その数330点にのぼるというコレクションには、日本の著名な画家はもちろん、ピカソやダリ、東郷青児など世界的に有名な画家のものも含まれています。 一口にパレットと言っても、形も大きさも様々だし、描いてある絵も実に個性的でした。

美術館は「アメリカ・日本」、「フランス・ヨーロッパ」、「企画展」の3つの建物に分けて展示されていました。 またその建物の間のスペースは野外彫刻展示場として利用されていて、作品を眺めながら次の建物へ移動することができます。 収集品の分野は、主に19世紀以降で広範囲に及ぶようですが、記憶に残ったのは、徳川慶喜の絵。 彼は、徳川15代将軍を退いた後、写真に手を染めたり、絵画をたしなんだりしています。 絵は池の淵に小さな小屋があり、傍に犬nitidou4.jpg (10334 バイト)がいる風景を描いたものです。 少し暗いけれど、なかなかの出来映えで、慶喜が多才で知られているのもうなずける気がしました。 また、慶喜の絵の師匠でもあった高橋由一の「鮭図」もありました(左の写真)。 このテーマで高橋は複数の絵を描いています。 他にドガの踊り子の絵や、藤田嗣治の猫を描いた絵、リキテンシュタインの版画などが記憶に残っています。 

企画展は、「パリの幻想とエロス アントワーヌ・プーペル写真展」といって、パリを拠点に活躍している写真家の作品展でした。 パリのキャバレー「クレイジー・ホース」の踊り子を撮った写真や、コンピュータを使って加工した最近の写真が展示されていました。 ウッキーは何回か写真展へ行ったことがありますが、正直なところ絵ほど心が動きません。 嫌いと言うのではないけれど、前に立って眺めていたいと言う気持ちが少ないのです。 結局この展示でも、立ち止まることは少なく、文字通り見て歩いただけに終わりました。

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