古代エジプト展 −永遠の美−   

 

古代エジプト展へ行ってきました。 この時代の作品は美術と言うよりも考古学のイメージが強いので、このコーナーに取り上げるのがいいのかどうか。 というのも、ほとんどが、王の副葬品や権力を誇示する道具で、いわゆる美術を楽しむのとちょっと違った趣だから。 
ウッキーはピラミッドや黄金のマスクに驚嘆するより、フランスやスペインの洞窟画を鑑賞する方が好きです。 何万年も前に、これら彩色の洞窟画が描かれていること自体が、本当に驚愕に値します。

おっと、この項目にふさわしくない方向へ行きかけました。 今回見に行ったのは、江戸東京博物館で開催されている、「ドイツ・ヒルデスハイム博物館所蔵 古代エジプト展−永遠の美−」です。 エジプト文明と言えば、紀元前3000年頃、ナイル河畔に発達した古代文明。 やっぱり、ピラミッドやミイラのイメージが強烈です。 古代エジプトでは、人は亡くなると永遠の生命を得て、来世において再生復活すると信じられていました。 そのため副葬品としてレリーフ、彫像、道具、装飾品などをつくり、楽園への旅立ちにそなえたのです。 今回の出展物の中にも偽扉(ぎひ)と呼ばれる彫刻が何点かありました。 アンクの偽扉と呼ばれるものは、紀元前2180年頃のもので、いかにもエジプトらしい平面的な人物像が、独特のポーズで描かれています。 これは名前の通り扉に似せた壁で、ドアの役は果たしませんが、魂はここを通り抜けることができると信じられていました。 また大きなものでは、ナクトネブエフの石棺の蓋が出展されていました。 こういった物は、日本の博物館ではお目にかかられないから、一見の価値があります。

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帰りがけに寄ったミュージアムショップで、「イシス女神」を描いたパピルス紙を買ってきました。 ウッキーはポスターなどは滅多に買わないのですが、これはパピルスに印刷した絵だったので、興味を惹かれたのです。 細部を見ると繊維がゴツゴツしていて、ちょっと細かな文字は書きにくそう。 でも、これが紙の祖先だと思うと、なんだかありがたい感じもしました。

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