ボストンに愛された印象派展

 

「ボストン」という言葉の響きから、知的で落ち着いたイメージを思い浮かべませんか? アメリカ人が一番好む旅行先で、マサチューセッツ州の州都。 ハーバード大やマサチューセッツ工科大もあるボストンは、世界屈指の美術館も擁しています。 2003年、ボストン美術館から名古屋へ、印象派の優れた作品約50点がやってきました。 

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日本にかかわる芸術作品のコレクターとしても知られるボストン美術館は、印象派の画家達とも深い繋がりがありました。 ミレーと親交があり、ボストンで活躍した画家ウイリアム・モリス・ハントをはじめ、ジョン・シンガー・サージェントらのようにモネを慕って渡仏した画家もいます。 それらの画家は、自ら描くのみならず、収集家へのアドバイザーでもありました。 その結果、ボストン美術館には、印象派絵画の一大コレクションが築かれました。 当時から、ボストンの人々は、モネの作品を一番好んだと言われています。 

では、大御所モネの絵から、数点紹介します。

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左の作品は、「アンティーブ、午後の印象」(1888年)です。 モネは大西洋岸を描いた作品を多く残していますが、この絵では、太陽から恵まれた光の中にヨットが浮かび、遠景には山並みが白く続いています。 観る者の気分が晴れ晴れしそうな、モネらしい明るい作品です。 

中央は、「睡蓮」(1905年)。 自宅の庭園で描き続けた、晩年の連作の中の一枚ですが、あまり大きな作品ではありません。 (90cm×100cm) このシリーズの中では、比較的穏やかな色使いで、落ち着いた感じの作品です。 

右の絵は、「大運河、ヴェネチア」(1908年)という絵です。 ヴェネチアを描いた作品の中では、一番有名なのではないでしょうか。 美術書でよく紹介されている絵です。 それにしても、中央左の大きな柱は、邪魔じゃないかしら? これがないと絵がしまらないのかなあ? 鑑賞する凡人と、画く天才の間には埋めがたい溝もあるようだ。 それでも、綺麗で魅力的な絵だと思ったけど・・・。

他にもマネ、ルノワール、ドガらの絵も楽しめて、質の高い展覧会でした。

会期 2003年4月26日〜11月9日   会場 名古屋ボストン美術館(名古屋市中区)

 

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