季節が木々を彩る時
item3
When the season paints the

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<コンクール1>
テーマ:笑顔
200字原稿×5枚

「笑う福が門来たる」

<人 物>
嘉門真人(24)
嘉門福子(51)真人の母
嘉門美紀(24)真人の妻

 

病院・手術室前(夜)
   走ってくる嘉門真人(24)
   その足が突然止まる。
   長椅子に嘉門福子(52)が座っている。
   嘉門、途端に嫌そうな顔になる。
嘉門「・・・・なんでおるねん?」
福子「美紀さんから電話があってな。あんたが仕事やから
 付き添ってもらわれへんかって。心細かったんやろ?」
嘉門「だったら、もうええやろ。俺が来たから、帰れや」
福子「(茶目っ気たっぷりに)お断りや。
 私は美紀さんに頼まれたからここにおるねん。
 あんたに何言われようが、美紀さんから帰れって
 言われるまでおるから」
   嘉門、うんざりした顔になる。
   赤ちゃんの泣き声。
   嘉門と福子、手術室を見つめる。

◎同・外観(朝)

◎同・病室内(朝)
   ベッドで横になっている嘉門美紀(24)
   嘉門、覚束ない感じで赤ちゃんを抱いている。
   その横で福子が不安げに見ている。
福子「危なっかしい抱き方やな〜」
嘉門「初めてやねんから仕方ないやろ!」
福子「もっと頭をちゃんと支えて」
嘉門「支えてる!」
福子「右腕を下げ過ぎやで」
嘉門「ちゃんとやってる!横からごちゃごちゃと
 うるさいねん!」
福子「そう言うたかて、赤ちゃんの体勢が
 しんどそうやねんもん。あ〜、とても
 見てられへんわ。貸してみ」
   福子、赤ちゃんを抱こうと手を差し出すが、
   嘉門は背を向ける。
   美紀は嘉門と福子の様子に笑っている。
嘉門「こんなもん、慣れや。やってる内に慣れてくるねん」
美紀「抱いてみて、どう?」
嘉門「・・・軽いけど、重いなぁ」
美紀「なに、それ?どういう意味?」
嘉門「思ってたより軽いし、めちゃ脆くて、
 今にも壊れそうな感じやわ。けど、・・・
 なんか重いねん。なんかずっしりとくるねん」
福子「それが親の責任の重みや。しっかり果たさなあかんで」
   福子、嘉門の背中を叩く。
嘉門「・・・・」
   福子、自分の鞄とコートを手に取る。
美紀「もう帰られるんですか?」
福子「口やかましいおばあちゃんがいつまでも居座って、
 赤ちゃんが寝られへんかったら困るでしょ?」
   福子、茶目っ気たっぷりに笑いながら部屋を出て行く
美紀「お義母さん、本当に明るくて楽しい人やね」
嘉門「・・・・」
美紀「それで、名前はどうする?」
   嘉門、赤ちゃんの顔を見つめる。
   笑顔の赤ちゃん。
嘉門「・・・・福美はどう?」
美紀「福美?」
嘉門「うん。幸福な人生を歩めるように」
美紀「(思わせぶりに)そうやね、いいかも。
 明るくて楽しい誰かさんの名前でもあるしね」
   嘉門、素知らぬ顔をして笑う。

<作者の言い
 これは、通ってるシナリオセンター内でのコンクール『5枚シナリオコンクール』用に書いたものです。格別、コンクールで優勝するぞ〜!って思いは全くない私(あった方がいいのかな?(^_^;)たくさん作品を書いて、少しでも練習・経験になればという気持ちがありながら、なかなか自主的に書けないので(^_^;何か課題なり目標があった方が書けるだろうと、このコンクール用に書きました。
 〆切までには書けたものの、相変わらず字数制限をオーバーです(苦笑)5枚内に収める為に推敲しないといけないんですが削る気になれず、これはこれでいいやとそのままに(笑)
だから、提出はしてません。というか、できません(当たり前!)
 決められた字数内で収まる作品を書けるようにならないといけないんですが、どうもできません。いつも削って削って何とか字数内で収めたものを提出するんですが、その作品には不満がいっぱいで、いつも不完全燃焼です。
こんな形で書いていて、いいのかな〜?と疑問に思う日々でやんす(-_-:;