季節が木々を彩る時
item3
When the season paints the

*さいとまっぷ

*読み物

*写 真

*ぶろぐ

*りんく

*携帯さいと

<課 題1>
テーマ:迷う人
200字原稿×三枚

「忘れられぬ思い」

<人 物>
渡部晃司(23)会社員
徳永由貴(22)元恋人


◎渡部の部屋(真夜中)
   雑然としたワンルームマンションの一室。
   ベッドでは誰かが眠っている。
   突然、傍のテーブルにあった携帯電話が鳴る。
   渡部晃司(23)が眠そうにベッドから顔を出し、携帯を手に取る。
   ディスプレイには徳永由貴の文字。
   表情を変えて起き上がる渡部。
   しばらく携帯を見つめるも、戸惑いながら通話ボタンを押す。
渡部「・・はい。ああ、久し振り。・・・泣いてるの?え、今から?」
   渡部が時計を見ると、針は二時十分を指している。
渡部「・・・・・」

◎(回想)喫茶店・店内
   T「去年のクリスマスイブ」
   硝子越しに通りが見える席に座る渡部と徳永由貴(22)
渡部「・・・好きな人ができた?」
由貴「ごめん。ずっと気の迷いだと思っていた。
 だけど、もうこれ以上、誤摩化せない。嘘つけない。
 ごめん。本当にごめんなさい」
   由貴、席を立って走り去る。
   茫然とする渡部。
   硝子の向こうでは明るい笑顔の人たちが行き交っている。

◎渡部の部屋(真夜中)
   携帯で話す渡部。
渡部「・・・ごめん。今日はもう遅いから。また今度」
   渡部は振り切るように電話を切り、テーブルに携帯を投げる。
   その拍子に写真立てが倒れる。
   立て直そうと写真を手に取る渡部。
   写真は学生サークルの集合写真。十五名程の中で渡部と由貴が
   腕を組んで笑ってる。
   ずっと写真を見つめる渡部。
   渡部、急に思い立ったように車のキーを掴むと、玄関を飛び出していく。

<作者の言い
 初めて書いた本格的なシナリオ形式のもの。小説と違ってどんな言葉で表現しようかと悩まずに済むわ〜と喜んでいたら、とんでもなかったッス(^_^;小説を書く時点で、いつも私の頭では映像が流れてるんです。それを箇条書きすればいいだけだと思ってたんですが、字数制限という壁がデーンと立ちはだかってましたね〜苦笑。
 実はこれ、字数制限オーバーしてます(笑)これでもかなりセリフを削り、描写を削り、短い言葉に言い換えたりしてます。それでも、字数制限内に収まらない!これでももっと心情に踏み込んだものにしたい、もっと書き足さないとって思うのに、これ以上削ったら、自分が意図するものと大きくかけ離れてしまうよ!と思ったり。でも、それをしないといけない。テレビ等は決められた時間内に収めるのが必須。その範囲で表現できる力がいるってことなんですね。脚本家の人たちはホント大変なんやな〜と実感してしまいました(^_^;

 このワンシーンを小説にしようとしたら、もっとセリフ・描写が増えて、シーンも増やしてしまうだろうな〜。制限のある中での表現、私にもできるようになるんでしょうか〜??