ご注意。
・サナシマと兵盤のミックスです。
・兵盤はひよこです。
・アホですすみません。













それはやがて無益にも有益にも







「真田隊長」
 ようやく厳しい一日の訓練が終わり、ひよこ隊の全員がいつものように床に崩れ落ちた。鬼軍曹嶋本はそれを見て、やれ体力がないだの気力がないだのお前らそれでも潜水士か弱虫め荷物纏めて国へ帰っても誰もお前らなんか探さへんでー、と立て板に水が流れるごとく怒涛の勢いで罵詈雑言浴びせかけている。普段なら全員仲良く荒い息でそのお小言を有難く拝聴しているひよこ隊だったが、その中から一人、盤だけが身軽に立ち上がり、タッと走り出した。
 ウェットスーツのままで駆けて行った盤が訓練室を出る間際に呼んだ名に、兵悟は瞬きするのも億劫な顔を上げる。
 確かに盤は、真田隊長、と呼んだ。
「……真田さん、来てるんですか?」
 床に引っくり返ったままで兵悟が呟くと、タカミツ相手に、お前のドルフィンは要領が悪いねん、と悪口とも説教ともつかぬ説明をしていた嶋本が、んあ、と振り返った。そして訓練室の外に顔をやり、ああ、と呻くように頷く。どうやら嶋本の場所からだと、訓練室の外で立ち話をしているのだろう盤と真田の姿が見えるようだった。
「おう。三隊も今日はここで訓練やからな」
「ふーん……」
 嶋本はじっと見つめていた訓練室の外から、ふいっと顔を戻した。そしてタカミツにまた暴言だらけの説教をぶちかましている。一緒に聞いている大羽は半分身体が傾いでいた。
 兵悟はゆっくりと寝そべっていた床から身を起こした。
 なぜか身体は無意識に足音を忍ばせていて、ウェットスーツから滴る水滴が足元でぱたぱたと落ちる細かな音が聞こえていた。
 訓練室の入り口に近付いて行くと、盤の声が聞こえてきた。
「余計なことば、せんで」
 真田に心酔している盤とは思えないほど、強張り、強い口調に、兵悟は思わず足を止めた。
 向かい合う真田はオレンジの制服に身を包み、全身ずぶ濡れの盤を前にいつもの無表情だ。盤はそれを見上げ、思い詰めたような顔で言った。
「真田さんには関係なかろーもん」
「何がだ?」
 ほんの僅かに真田が首を傾げると、盤は苛立ったように足を踏み変えた。
「昨日のこつ。真田さん、言うとーと。佐世保ん子、兵悟君の部屋に泊まればええて。あがんこと、言わんでほしか」
「ああ。ちゃんぽんの子か。いや、あれはうまかったぞ。お前も食えば良かったのに」
「そがんこと、言うとるんじゃなか! なしてあがんことしたか、オイは聞いとーと!」
 まるで癇癪を起こした子供のように、盤は足を踏み鳴らした。ぺたぺたと水に濡れた素足がコンクリートの上で踏みかえられる。
 盤の声は大きかったようで、タカミツと大羽に説教をぶちかましていた嶋本も気付いたようだった。なんだぁ、と野次馬根性丸出しで近付いてきた嶋本だったが、兵悟同様に側まで行って盤の話を聞こうとは考えていないようで、訓練室のぎりぎり内側に留まり、外の様子を伺っている。
「なに言うとんねん、アイツ…」
 こそりと尋ねる嶋本に、兵悟も同じほどに密やかに返した。
「なんか、俺んちにユリちゃんが泊まればいいって真田さんが言ったのは、なんでかって聞いてるみたいなんですけど……」
 こそこそと顔を寄せ合う二人の耳に、真田のはっきりとした声が聞こえた。
「少子化対策だ」
 真田の生真面目な顔から飛び出した思いがけない言葉に、兵悟と嶋本はぱかっと口と目とを開いた。ギギギギと軋む音が聞こえそうなほどゆっくりと首を回す嶋本に見上げられ、兵悟は竦みあがった。
「……お前、まさか…」
「じょ、冗談でしょ! なんで俺が! 誤解ですよ! ユリちゃんはただの友達です!」
「いや、別にお前が誰とどーこーなろーと俺は一向に構わへんねんけどな。訓練もまともにでけへん奴が女子に現抜かすたぁええ度胸やなぁと思て」
 はーん、とねめつける嶋本から、無意識のうちに逃げ出そうとじりじりと体が後退する。真田と盤の話している内容に一体何の意味があるのかも気にかかるが、それよりも嶋本の、ひよこの分際で、チンカスの癖に、ひよこの分際で、と延々とループする視線から逃れたくて、逃げ出そうとした兵悟は、一歩を踏み出したところで、盤の大声に足を止めた。いや、身体全体の動きを止めた。
「兵悟君はオイのもんったい! 真田さんが口出すことやなか!」
 逃げ出そうとした兵悟の動きがピシッと固まり、傍らで盤と真田の成り行きを見守っていた嶋本が、ほーう、と唸る。察するに、ありったけの勇気を振り絞って叫んだと思われる盤は、長時間水温の低いプールに入っていたせいで白くなっていた頬を赤くし、真田を睨み上げていた。
「兵悟君は、オイと付き合うとるったい! あがん子がちゃんぽんなんか作ってもどがんもならんばい。真田さんには、あがんことせんでほしか。オイは兵悟君ば、ようやっと掴んだと。もう逃がしとーなか。それに、真田さんには関係なか!」
 あまりに内に秘めている感情を表に、言葉としては出さない盤の口からぽろぽろと零れ落ちる言葉に、兵悟は目を丸くした。
 盤があんな風に思っているとは知らなかったこともあるし、そうして吐き出される先が真田である事にも驚いていた。盤はきっと、真田の前では取り繕った完璧な姿を見せたいと思っているのだと、兵悟は思っていたからだ。
 息を乱す盤を前に、真田は僅かばかり眉を寄せた。
「いや、関係はあるぞ。俺は神林とお前との関係に賛成はしかねる」
 生真面目な顔で生真面目に告げる真田の言葉を聞くや否や、兵悟の腕を嶋本ががしっと掴んだ。ヒィッと身を竦める兵悟を下から睨みあげる嶋本の目が殺気立っていて恐ろしい。
「神林……」
「は、はひ!」
「隊長とお前の関係てなんや?」
「え、えーと、ぶ、部下と…上司?」
「隊長がなんであんな事言うんやろうなぁ…?」
「さ、さぁ! 解りません!」
「お前、まさか、その無駄にキラキラした目ェ使うて隊長を誘惑したんと違うやろうなぁ?」
「ま、まさか、そんな恐ろしいことを…!」
 ばたばたと暴れる兵悟と嶋本の存在を、そう離れていない真田が気付かないはずがなかった。ちらりと向けられた視線に兵悟はぎくりと固まった。真田の視線を追って振り返った盤の目が、太い縁の眼鏡の奥で大きく見開かれ、薄く開かれた唇が戦慄く。かあぁああ、としし唐のように赤く盤の頬に、額に、顎に、耳に、兵悟は居たたまれない気持ちになった。
「神林」
「はい!」
 びくっと背筋が伸びるのは、何も怒鳴られたからではない。真田の静かな目に晒され、静かな声に語りかけられると、なぜか兵悟は背筋が伸びる。だらしない姿を見せるわけにはいかないと、そう思っているからかもしれなかった。
「神林」
「はい」
 向けられる眼差しに、兵悟はごくりと息を飲んだ。傍らで嶋本も、成り行きを見守ろうとしてか口を噤んでいる。そろりと目を上げれば、真田の強い眼差しが兵悟に向けられていた。
「石井と付き合っているのか?」
「はい」
「本当にか?」
「はい」
「間違いなくか?」
「はい」
「それは恋愛感情か?」
「はい」
「そうか」
「はい」
「石井とは別れた方がいい」
「は…イッテェ!」
 兵悟は反射的に、はい、と言おうとした。条件反射だ。真田や嶋本に名前を呼ばれれば、はい、と返事をする。返事をすることは基本だ。だからこれは、本当に条件反射だった。
 嶋本が後ろからふくらはぎを蹴り上げていなかったら、きっとあっさりと、はい、と返事をしていただろう。真田が何を言ったかも理解せずに、はい、と条件反射で返事をし、盤を酷く傷つけたに違いない。
 言葉を途中で途切れさせる兵悟の脇から、すっと嶋本が顔を出した。
「隊長、いくらなんでもあんまりですよ。そりゃこいつらはヒヨコで恋愛に現抜かしてる暇があるんやったらその分ガス検のひとつでも覚えんかいアホンダラと思いますし、身体は大人頭脳は子供のしゃーないほどロクでもない連中ですけど、恋愛ごとに口突っ込むんは……」
 嶋本が場をとりなそうとしているのか口を挟んでくれるが、庇っている割に言っていることは結構辛辣だ。
 ふくらはぎを蹴り上げられた痛みに涙を堪えていた兵悟は、真田がどんな反応をするのかとちらりと見た。そして真田の側に立っていた盤と目が合い、盤の顔が更に紅潮するのを見て、居たたまれない気持ちになり俯いた。
 普段、盤から感情を形や言葉にされることは皆無で、そう言うことに慣れていないので、かなり恥ずかしい。
 思わず赤らんだ頬に気付いたのか、何照れとんねん、と嶋本にどつかれる。
 いやでもっ、と焦る兵悟にかかる真田の声は静かだった。
「確かに嶋の言う通り、恋愛に口を出すのはおかしいだろう。だが、それが神林のことなら話は別だ。俺には口を出す権利がある」
 次の瞬間、兵悟のみぞおちにゴスッと重い拳がめり込んだ。
「ぐっ…!」
 一瞬身体が浮き、目の前が暗くなる。と思ったら見開いた目が見る景色がチカチカと明滅し始めた。白い星が一杯散っていて、胃の中身がせりあがってくる。吐く…、と前屈みになった兵悟の肩を嶋本の両手が鷲掴んだ。
「神林ィー」
 下から睨む嶋本の目に殺意が滾っていて、兵悟は本能で一歩引いた。だが嶋本の手が許さず、ぐいっと無理に引き戻され、首と肩が痛む
「……う、は、はい…てか、痛いです嶋本さ…」
「うっさいわボケェ! なんでお前の恋愛ごとに隊長が口突っ込む権利があるんや! まさかとは思とったけど、やっぱ隊長に手ェ出しとったんやな! その無駄にキラキラした目ェで誘惑したんか? ああ? 俺も鬼やない。一瞬で楽にしたるから吐かんかい」
「一瞬で楽って…それじゃマジで鬼じゃないですか…」
「ああ? なんやクソガキ。一個も俺が聞いたことに答えとらんやないか。余計なこと言うてみぃ。口から手ェ突っ込んで心臓抉り出してオノレの目の前で握り潰したんぞ!」
 左手で兵悟の首を掴み、右手を兵悟の目の前でわきわきと動かす嶋本の目は本気だ。ぎらぎらと怒りに滾る目に、兵悟の背筋にさぁっと冷たいものが通りすぎる。
 俺、このまま死ぬかも…、と兵悟が滲む目を瞬きながら考えていると、鬼の形相の嶋本を真田が留めた。
「嶋、本当にそれ以上やると死ぬぞ」
「死んでもたらええんですよ、こんなチンカス。生意気にも隊長を誘惑しおってからに」
「いや、誘惑はされていない」
 真田の手が肩にかかっていても、兵悟の首を絞める嶋本の手は緩まない。マジで落ちる、と思った瞬間、ふっと嶋本が手を離したので兵悟はその場に崩れ落ち、げほげほと咳いた。詰まっていた気道が開き、突然大量の空気がなだれこんだのでうまく呼吸ができなかったのだ。
「そしたらなんで神林のことに口出すんですか! 隊長には関係あらへんのに!」
 兵悟の首を掴んでいた島本の手は、今度は拳の形に握り締められていた。だらりと身体の両脇にたらされ、それは間違っても真田に殴りかかられないように気をつけているようにも見える。
「考えてみろ、嶋」
 真剣で静かな真田の声に兵悟が涙目で見上げていると、苛立つ嶋本の両肩に、真田の手が乗った。向かい合い、覗き込むような真田の体勢に、え、と兵悟は目を瞬く。まるでキスでもするような体制に、こんなところで、と慌てていた兵悟は聞こえてきた言葉に今度こそフリーズした。
「神林は大家族だ。つまりそれだけ繁殖力があると言うことだ。少子化対策に一番貢献する家系じゃないか。神林が頑張ればそれだけ赤ん坊も増える。石井と付き合っていたのでは生まれるものも生まれない。いいか、嶋。一般の成人男性が一度の射精で放出する精子の量は約二億個だ。多い者だと三億だと聞く。週に三度セックスをしたとして、一ヶ月で換算すると三十六億もの精子が石井の腸内でただのたんぱく質に変わる。これがどれほど無益なことか……どうかしたのか、嶋?」
 嶋本の顔を覗き込み、とうとうと精子について語っていた真田がふと言葉を止めた。真田の目の前で、嶋本が大きな溜息を吐いて額を押さえたからだ。
「いや、ちょっと生々しいこと想像してもたもんで……て言うか、んな下らんこと考えてはったんですか」
「下らないことではない」
「下らんことですよ」
 嶋本は両肩にかかる真田の手を払い退けた。
「ほな、俺らがしてることも無益っちゅーわけですね。神林と石井の関係は、隊長と俺の関係にも当てはまりますからね。俺らの関係も無益っちゅーことですよね」
 あ、本気で怒ってる、と兵悟は思った。
 吐き気を堪えるためと、引っくり返ったように痛みを訴える胃を押さえるために蹲っていた兵悟からは、毅然と顔を上げる嶋本の目が怒りを称えているのがよく見えた。
 さっきまで滾るように怒っていたのとはまた別の、ひたひたと染み入るように湧き上がる怒りを抑えているような色だ。怒りを堪える嶋本の顔は、悲しみを堪えているような顔にも見えた。
「いや、そう言うつもりでは」
「そう言うつもりも何も」
 眉を寄せている真田は、もしかしてうろたえているんだろうか。兵悟は珍しいものを見た気分だった。
「隊長はそう思てはるんでしょ。そしたら、ええですよ。男同士のセックスが無益なことなんやったら、止めたらええ。隊長の望み通り、別れたる。ほんで少子化対策に有益な女と付き合うて、三億個の精子、女の腹ん中に出したるわ。あんたの望み通りや。ええ気分やろ」
 嶋本は嘲るように笑い、側で蹲っていた兵悟の背中を蹴り付けた。てっきり嶋本に忘れられていると思っていた兵悟はびくっと震える。
「おら、立たんかい。こんなとこでぼやぼやしてんとさっさと帰って風呂入って寝ろや。石井、お前もや」
 普段もがさつだが、それよりも乱暴に嶋本は顎をしゃくった。ロッカールームのある方を示す動きに、強張った顔で立っていた盤も、蹲っていた兵悟もよろりと動く。兵悟の場合、がつがつと容赦なく背中を蹴る力に立ち上がらざるを得なかったと言えるかもしれない。連日の訓練で蓄積された疲労のせいか、それとも胃が引っくり返るほど渾身の力で叩き込まれた嶋本の拳のせいか、足がもつれ兵悟は盤の前で無様に転がった。いつもなら、あかんたれやね兵悟君は、と笑う盤の声が聞こえず、不審に思って見上げると盤は強張った顔で兵悟を見下ろしていた。かけた太い黒縁の眼鏡の奥で不安そうに揺れている。あ、泣くかも、と兵悟は不安になったが、盤は泣かなかった。その代わり、転がった兵悟の肩を蹴った。軽く。
「立たんね」
「あ、うん」
 慌てて立ち上がった兵悟は、先にロッカールームへ歩いていた盤と嶋本の後を追った。部屋を出る間際にちらりと振り返れば、真田は先ほどから少しも動いていない。強張った顔のままで立ち尽くしている、
「あの、嶋本さん」
 嶋本もロッカーへ行くのか、廊下をやや早足で歩く嶋本の背中に兵悟は声をかけた。
「いいんですか? その、真田さんのこと。かなりショック受けてるみたいな感じですけど」
 兵悟が真田と嶋本の仲を案じてそう尋ねたというのに、嶋本はからからと思いがけず明るい声で笑った。
「ああ? ええねん、放っといたら」
「え、でも。部屋出る時にチラッと見たら全然動かなかったし…」
「あれはフリーズしとるんや」
「は?」
 嶋本の口から出た言葉に、兵悟の方がフリーズする。思わず足を止めて嶋本をまじまじと見つめていると、嶋本はおかしそうに言葉の端に笑いを滲ませながら言った。
「別れるやの何やの言うたら、隊長はフリーズすんねん。あの人の思考回路は恋愛に向いとらんから、許容範囲がいっぱいいっぱいになったらショートしよる。放っといたらその内なおるわ」
「パソコンみたいですね…。あ、でも、その、俺らのこと、なんですけど」
 兵悟がもじもじと俯くと、嶋本はそれも軽く笑い飛ばす。
「あー、それも気にせんでええで。一応学習機能ついとるさかい、明日からは隊長の重要項目んとこから少子化対策は削除されとると思うわ。まぁほとんどそれも気まぐれやけどなぁ。あ、俺、明日の座学の用意せな。ほななー、お前らはよ帰れよー」
 廊下の途中の文書室の前で、嶋本はさっと手を上げてその中へ入って行った。言いたいことだけを言って去って行った小型の嵐のような嶋本に、忘れていた疲れがどっとぶり返す。
 生真面目な顔をして少しばかり緊張していた様子の盤が、アホくさ、とがっくりと溜息を吐いた。
「オイがあがんこつまで言うたんに…」
「あ、でも嬉しかったよ、俺は。盤君の本音が聞けてさ」
 兵悟がにこにことそう言うと、盤は途端に顔を真っ赤にして、うるさかっ、と怒鳴る。
「兵悟君なんか、軍曹さんに心臓ば抉り出されて死ねばよかっ」
「あ、盤君がひどいこと言う…」
「頭から食われれば良かね!」
「そう言えば俺、おなか空いたんだけどさ…」
「途中でなんか買って帰ればよかろーもん。ばってんオイはオムライスが食いたか」
「オムライスかぁ…ファミレスでも行こっか?」
 ロッカールームに入り、ウェットスーツを脱いだりシャワーを浴びたりしながらも兵悟の口は止まらない。盤は面倒臭そうだがきちんと言葉を返してくれるので、それが嬉しくてついついしゃべりすぎてしまう。あんな風に盤の本心を知った後なら尚更だ。何を言われても嬉しく思えるから不思議だ。
 帰り道のファミレスでオムライスを食べることで話はまとまり、オムライスに乗せるトッピングの話で盛り上がる。
 下らないことだが、こういう些細なことを大事にしたいと兵悟は思う。
 そうすれば男同士のセックスでも何か、赤ん坊は無理にしろ、同じくらいに大切な何かが目には見えなくとも生まれるんじゃないかと思った。









ウラネタ。
・兵盤が帰った後、嶋、真田を再起動。
・つか軽くコメディタッチでさらっと流したかったのに、なぜかこんな量に…。
・短く要点だけまとめられる人を尊敬します。
・ファイルにつけてる仮タイトルは「真田隊長が!」でした。何を私は驚いてたんだろう?

・タイトルの「それはやがて無益にも有益にも」の「それ」=「目に見えなくとも生まれる大切な何か」=慈しみとか愛情とかそう言うもの?(聞くな) 
・とにかく「それ」はあったかいもの。それがあれば幸せになれるよね。