APE50→100のページ。

このページについて。

このページは私が個人的にに良いと思う事を紹介していますが、
間違っている事を書いている可能性もありますので、真似をされて
トラブルが発生しても、自己責任でお願い致します。


エイプ50(XR50モタード)等のホンダ縦型エンジンを
エイプ100(XR100モタード・XR100R)に改造・改良を考察するページです。




100ベースのシリンダーをAPE50のクランクケースに入れる
為には、クランクケースをフライスでミーリングするか
地道にリューター等で削る必要があります。

私は地道にリューターで削る事に・・・
そこで、100用のガスケットを乗せて削らないといけない
範囲をマジック等でマーキングします。



左側はノックピンが入りますので、こちらから加工します。

大体削り終わると、ちゃんと入るか確認します。
ノックピンを入れて100のシリンダーをクランクケースに入れます。
クランクケースとスリーブに1mm以上の隙間があるか確認中します。
確認方法は1mmの厚みの物がスムーズに入ればOKです。

ちなみにXR100Rのスリーブ外径は58.5mmです。
武川製のボアアップシリンダーは59mmです 。



反対側のクランクケースは両側を合わせて、削ります。

ちゃんと削れたのかの確認はスリーブの外側にガムテープを
片側1mm厚くなる様に巻いて、それが入るか確認します。



入りました。。。



次に、ブリーザーを増設します 。
ここにPT1/8のタップを立てます。

ちなみにAPE50のブリーザー部内径は4.5mm
APE100/XR100Rは6mmです
増設するニップルの内径は5mm×2個です



付きました。
手で閉めただけで、仮です

後で、このままでは長いので二山程切り、
シールテープを巻いて取り付けます。

アーシング用のM6タップを立てておきます。



使用するオイルポンプに合せて、オリフィス穴を拡大します。



オイルジェット(ヒストンクーラー)加工を します。
(くわしく知りたい方はぐぐっと検索して下さい)

斜め前を狙うのが良いみたいです。



シリンダー付きで撮影するとこんな感じです。
(画像は無いですが、クランクを入れると良く分かります)



オイルクーラーもしくはフィルターを取り付ける為に、
ここを加工します。
なぜにここかと言いますと、ここから取り出しますと
オイルポンプから出た全オイルを取り出せるからです。



ここの栓は6mmなのでM5タップを立てて引き抜きます。

真ん中に穴を開けるのが難しいです。



キレイに抜けました。。。



赤線の部分まで6mmのドリルで加工します。

青線の部分は未加工(5mm)で残します。



外径6mmの銅パイプを入れて確認します。

良い感じに入りました。



ド真ん中です♪



クランクケースにPT1/8タップ立てます。
ニップルの内径も途中まで6mmに加工して
銅パイプが無い状態でニップルを閉めこんで
クランクケースの6mmに加工した部分とニップルの
6mmに加工した部分の距離を計算し、銅パイプを
その長さに切り、組み立てます。



XR100Rのクランクです。

エイプ50のクランクケースに入る様にベアリンクを
入れ替えるのですが、100系のクランクはキー溝と
カムスプロケットとの関係が山と一致します

ちなみに50系は谷に一致します

これを間違うとえらい事になりますので、
良く観察してから抜いて下さいね。



クランクベアリングプーラーで抜きます。



反対側はベアリングとカムスプロケットを同時に
抜かないとダメなので、かなり硬いです。

普通は少しベアリングが浮いたら、汎用のベアリングプーラーか
クランクセパレーターツールをクランクベアリングプーラーに
付けて抜くのですが、かなり硬くへたするとクランクを
曲げてしまうので、クランクベアリングプーラーの内側が
テーパーになっていますので、そのまま締めこんで抜くのですが、
これまた硬いので、インパクトでダダダッと ・・・
(マネしない方が良いかも・・・)



抜けました。



上の方が100のガスケットです
50用は穴が空いて無い部分があります
クランクケースの構造の違いで、この様になってます

100には100のガスケット、
50には50のガスケットを使いましょう。



ここの穴が100は10mmですので、拡大します。

ちなみに、この穴はヘッドに上がったオイルが
クランクケースに帰ってくる穴です。



大きくなりました
リューターで削りました。

結構、肉厚があるので時間が、かかります。



ベアリングは左のを使います。
最近では色々と出所があります。
私はホンダ純正を使います。

ベアリング見比べ
右、XR100Rのクランクベアリング
左、今回使用するベアリング
ちなみに右のベアリング寸法は外56×内22×厚16
左、外52×内22×厚15

厚みが違うので、色々と注意が必要です。



クラッチハウジングに噛み合うギヤーです 。

50も100も同じです。


カムスプロケットです。

右、100用 左、50用です。

50用の方が1mm厚いです。

1mm厚みが違いますので、注意が必要です。



上のギヤーの内側に入れるカラーです。

右、100用 左、50用です。

50用の方が1mm厚いです。

これは50用を使います。



クランクサイドのカムスプロケットです。

右、100用 左、50用です。

50用の方が1mm厚いです。

ここは100用を使いますが、

1mm薄いので組み付け時に注意が必要です。



まずはクランクにベアリングを入れます。

L字に曲がったスケールでキーの中心から
ベアリングまでマジックで線を入れます。



カムスプロケットの山にも線を書いて、
位置を合わせながら、入れます。



ベアリングが1mm薄いので、カムスプロケットを
ベアリングの1mm手前まで入れています。

この部分は横方向に力がかからないので、
これで問題無いと思います。



50のケースに100クランクを入れてみました。

最初から100のクランクが入る様にケースがニゲています。



クラッチバスケットです。

これはノーマル状態です。



軽量化です。

ちなみに、別のXR100エンジンで、
この仕様で壊れませんでしたが、自己責任で ・・・



クラッチ、プレッシャー、プレートです。

ノーマル状態です。



ご覧のとおり、穴だらけです。



クラッチセンターです。

ノーマル状態を撮るのを忘れました。

(ノーマルは確か四つぐらい穴が空いていたと思います。)

ちょっとやりすぎかな・・・



裏から見るとこんな感じです。



オイルポンプです。



穴だらけです。

ギャー以外はやらなくて良いです。



左、50用のシールです。

右、100用のシールです。



ケースのシールが入る部分を100のシールに合せて
削ります。

ここを削るとチェーンが暴れた時に当たるのを回避できます。



ブラストしました。

ガーネットを当ててから、ガラスビーズ仕上げました。

シルバーに塗った感じの仕上がりです。



クランクの芯だし。

修正前は写真撮り忘れましたが、0.060mm

クラッチ側、修正後0.013mm

私の技量では、これ以上は無理です。



フライホイール側は修正前、0.070mm

修正後0.014mm

XR100R用のマニュアルでは使用限度は0.080mmです。



クラッチカバー側のクラッチレバーです。

ノーマル状態。



10mm程、延長しました。

ここを伸ばすとクラッチが軽くなります。



組み立てていきます。

ここで、必ずミッションがスムーズに入るか確認を
しないと、後で大変です。

画像は三速の位置です。



ここで、クランクケースとクランクとの間のガタを見てみる事に、

画像はクランクをクラッチ側に押し当てた状態です。



フライホイール側にクランクを寄せてガタを測定します。

測定結果、0.46mmでしたが、今回シムを用意し忘れました
ので、このままに・・・

次にバラす事があったら、シムを入れます。



クラッチ側は50用のカラーを使ったので、問題無いです。



クラッチは100用の4枚クラッチと、
この強化スプリングを使います。

エイプ100用とは書いていませんが、
キタコのカタログによるとエイプ100にも使えます。

青色がエイプ100用で黒い方が強化ですが
ナゼか強化の方が短い・・・

でも、スプリング自体は硬いみたい。



さくっと、組み立て♪



シリンダーとピストンを付けてから、上死点を、さぐります。



さぐった結果、ポンチ位置と一致。

このフライホイールは軽量加工する際にF.Tマークを
ポンチマークで移設されていますが、
位置が不安だったので確認となりました。



こんなメジャーを使います。



かなり面倒です。

いる部分のみ書きます・・・



ノーマルの画像は無いですが、
発電コイルはコイルの巻く芯ごと無い仕様です。



取り付けると、こんな感じです。



組み立てた状態です。

良い感じです。

ちなみに、シャフトに黒いスジが入っている所が
50の時のシール位置です。

これで、チェーンと干渉しなくなります。



カムホルダー、ノーマル状態、表・・・



カムホルダー、ノーマル状態、裏・・・



少々加工。

カムホルダーは鋳鉄製なので、サクサク削れます。

削りすぎに注意です・・・



裏も少々、加工・・・



ロッカーアーム、ノーマル状態・・・



ロッカーアームは鍛造なので、硬い・・・

ちょこっとだけ、加工。

効果は???

無い様な・・・



隠れアイテム♪

タペットクリアランス調整ネジ止め用ナット。

左、ノーマルで六角部分幅9mm。

左、キタコでチタン8mm。

軽い&整備しやすいです。



ヘッドは風通しがよくなる様に穴あけ・・・



反対側も穴あけ・・・



これは、ノーマル状態のカムスプロケットです。



3Dで書くとこんな感じです。



青色部は軽量加工。

赤色がミソです。



長穴部でカムのタイミングを調整できます。



まずはノーマル位置でどれだけずれているか確認します。

約二度ずれてました・・・

一度以下ならOKですが

調整必要です。



で、調整しました。

めっちゃ面倒です。

調整しては、測定の繰り返し・・・

つかれました・・・



祝、完成♪