step 3
セイルアップ〜ニュートラルポジション

1.セイルアップ 2.ニュートラルポジション
[セイルを起こす手順][風向の確認]
[ポイント1][ポイント2][ポイント3]
[4つのケースでのセイルアップ]
ニュートラルポジションの安定はV字バランスで作り出す



1. セイルアップ


[セイルを起こす手順]
@アップホールラインを長めに持ち、ヒザを軽く曲げた状態でセイルアップを開始します。足の位置はボードの中心線上におきます。




A状態を後ろに反らしながら、曲げたヒザを伸ばしていきます。セイルが上がるにつれ、アップホールラインを徐々にたぐっていきます。



Bブームが完全に起きてきて、フットだけが水に着いた状態でストップ。ここからは腕の力だけでアップホールをたぐっていきます。



Cアップホールを根元までたぐったら進行方向の手(マスト手)でマストをつかみます。ヒジは軽く曲げるくらいでセイルを起こし過ぎないようにします







[ 風向の確認 ]
セイルをなびかせ、陸との関係から風を知る

セイルアップの最も簡単な形は背中から風を受けながら、風下側に倒れているセイルを引き上げるというケース。海に出る前には、先ず海岸でセイルをなびかせて風向きをチェック。ビーチに対してどのような向きで風が吹いているのか知り、海の上でも常にビーチとの関係から風向きを考えるようにする。陸トレは、風に対して直角にボードを置いて風下側にセイルを倒した状態で行いましょう。
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[ ポイント1 ]
はじめは全身、最後は腕で

陸の上では軽く上がってくるセイルも海の中ではセイルの上に水が乗るので、上げ始めは重く、上げってくるにしたがって軽くなっていきます。そのためセイルの上げ始めはヒザを伸ばしていくことで体全体を使い、上げってくるに従って腕の力に頼る割合を増やしていきます

[ ポイント2 ]
ボードとマストは直角をキープ

マストがボードに対して直角の向きにあると、左右の足にかけるべき加重が均等に近くなり、またボード自体も安定します。セイルアップ中は、常にボードとマストが直角になるように、セイルを引き上げる向きや、左右の足の加重の加減で調節してください。セイルは上げってくる途中で風になびき、常に真風下に位置しようとしますので、これを心がけていればセイルアップを終えた時にはボードがアビームの向きを向いてくれるはずです。

[ ポイント3 ]
セイルアップが終わったらマストと体の間に距離をとる

セイルアップを終了した時点(スターティングステップに入る寸前、ニュートラルポジション)では、体とマストとの間に少し距離をとります。体は若干後ろへ反り返るように、セイルは気持ち風下に倒した状態でバランスをとります。マストを胸元まで引き付けてしまうと、ちょっとしたバランスの崩れなどでセイルごと後ろに落ちてしまいます。
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[ 4つのケースでのセイルアップ ]
ケース1.背中から風を受けてのセイルアップ(セイルが風下側にあるケース)

背中から風を受けるとはセイルがボードの風下側にある状態で、セイルアップの一番簡単なケースです。足の着くところで行う場合は、この状態を作っておいてからボードに乗ると良いでしょう。ボードとマストで直角を作りながら、ゆっくりと慎重にセイルを上げて行きましょう。

ケース2.正面から風を受けてのセイルアップ (セイルが風上側にあるケース)
セイルがボードの風上側にあるケースで、セイルを引き上げてくるのに従いセイルは風の力で風下側へ一気に動きます。このときに何もしないでいるとセイルと一緒になぎ倒されてしまうので、自分もセイルの回転に合わせてボードの逆サイドに移動します。セイルがノーズ側を通って風下側に動くのか、テイル側を通るのかは、その時のセイルに当たる風の向きで変わります。初めはゆっくりとした動きで、セイルがどちら側を通るのか見定めながら、セイルが動き出したら一気に、コンパクトなステップでジョイントの回りを移動することが重要です。もし難しければ、いったんブームをボードの上に載せ、風下側に引きずり降ろす方法をとってもかまいません。セイルが風下にさえくれば、あとは1のケースと同様ですから。


ケース3.セイルアップによる方向転換

セイルが風上側に倒れているときにのみ有効な方法です。セイルを風上側に落としてしまい、ボードの向きと反対側に走り出したい、というような場合にこのセイルアップでボードとセイルを一緒に回し方向を変えてしまいます。セイルを一気に上げず、半分上げたところで動作をストップ、風の力でセイルが風下側に回るのを待ってから、セイルを上げていくのがポイントです。


ケース4.風が強いときのセイルアップ

風が強い時のセイルアップは力と体重のない女の子には辛いものです。セイルが水面に張り付いてしまってどうにもこうにも上がってこないときには、ボードとマストは直角、の原則を無視してマストをボードに近づけてしまいます。近づいたらブームをボードの上に載せながらゆっくりとセイルを上げます。ポイントは足の向きが常にマストの向きと同じになるようマメに置き換えることです。ちなみにセイルが上がってきたとき、ボードはデッドゾーンを向いていますので、そのままでは走り出すことは出来ません。セイルを傾けて、ボードとブームを直角近くにしてから走り出しましょう。

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2. ニュートラルポジション


ニュートラルポジションの安定はV字バランスで作り出す

ニュートラルポジションとは進行方向の手でマストを、もう片方はアップホールラインを持ってマストを上から見てボードと直角になるようにキープしながら、セイルを風になびかせた状態のことでセイルアップが終わるとこの体勢になる。この時風を背中から受け、ボードは風と直角になっている。このニュートラルポジションが正しい体勢で安定していないと、これから始まるスターティングステップはスムーズにできない。姿勢としては、軽くヒザを曲げ、ヘソを前に出すようにしてしっかり腰を伸ばす。足はボードの中心線上に土踏まずがくるようにジョイントを挟んで立つ。

そして、マストを持つ腕はあまり曲げずに、体を風上少し傾けて、マストと体で”V字”を作るようにする。この状態をV字バランスといい、風下にあるセイルのセイルの重さと、風上にある自分の体重でバランスをとる。マストが風下に傾きすぎていたらその分、人も風上に体重をかけてVの角度を広くし、マストが垂直に近くなったら、体も起こしてVのアングルを小さくする。
このように腕をショックアブソーバーのようにして”V字”を調整しながら、バランスをとる。陸上ならまだしも、海上に出るとボードが不安定なので、このようにバランスを上手にとらないと、ニュートラルポジションがキープできず、すぐにセイルを落とすハメになる。当然スターティングステップには進めないし、風向きなども確認できない。

正面から見た場合、マストと体はVの字に見えますよね!
これが、Vの字バランスです。




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