自分が変われば相手が変わる  


 自分が変われば本当に相手は変わるかの続編です。
コレも書いておかないとウソです。
 実は自分が素晴らしく変わっても相手は一向に変わらない事もあるのです。

 「ゲェ〜〜、ショック!!」ですか?
だとしたらそれはおかしいです。
だって「自分が変われば本当に相手は変わるか」で書きましたように
そのときには変わっても変わらなくても良いあなたに変わっているはずだからです。

アレ?またややこしくなりましたね。
具体的な話しをしていきましょう。

 Aさんは夫に変わってほしかったのです。
「ギャンブルさえしなかったらいい人なんだけど・・・」そういて Aさんは来られました。
しかしお話を聞いてみるとギャンブルで生活が出来なくなっているわけではないのです。
何度かのセッションを重ねる中でAさんの中に理想の夫婦像理想の夫像が明確にある事が解かりました。
それは彼女の深い傷によって出来たのもなのですが・・・。
Aさんは自分の理想を相手に押し付けていた事に気づきました。
そしてそういう理想的な夫の妻である自分に価値を見出していたことも。
Aさんはそのことに気がついて、自分自身を生きる事をし始めました。
夫に変わってほしいと思う気持ちも手放しました。
 でどうなったか。
 
 別れがやってきました。
 
 別れがやってき来る事もあるのです。

 特に男女関係の場合はそうです。

 でもそのときの別れというのは
「別れてやる〜〜」と無理をするのでもなく
別れた後も未練があったり、恨んだりする事も無い別れです。

「アナタの付き合いは辛い事もあったけど、たくさんのものを学んだわ。ありがとう」そんな感じかな。

愛を持って手放す、って事です。


 親子の場合は切っても切れない血のつながりというものがあります。
離れるということはあっても完全に分かれるという例を私は知りません。
 ただ離れる、自然に距離が出来るということはあります。

 Bさんはお父さんとお母さん両方に変わってほしかったのです。
Bさんの家庭は子どもの頃からお父さんによる家庭内の暴力がありました。
お母さんはそれで精神を病んでしまいました。
お母さんもときどき錯乱してしまって暴力を振るう事があったそうです。
 「もう少しで良い。まともになってほしい」Bさんはそういいました。
Bさんはそのあとをなかなか言ってくださいませんでしてが
そうして自分のことをちゃんと愛してほしかったのです。
 お父さんとお母さんはBさんが結婚しても変わることはありませんでした。
そうしてBさんはそのことでいつも憂鬱だったのです。
 それから後、Bさんにも自分自身を生きる決意をする日が来ました。
Bさんは変わりました。
けれどもBさんのお父さんとお母さんはそう簡単には変わってくれませんでした。

 そのことについてBさんは
「悲しい気持ちは無いといったらウソになる。でも気持ちがずいぶん楽になったし、こんな状態でも両親を愛している自分を感じる事が出来るし、
両親が自分を愛していると深いところで信じている」
「自分が出来る事を今はやっていきます」そう言って微笑まれました。


 親を本気で嫌う子どもはいないし、子を真から嫌う親もいません。
私はそのことを日々のセッションで感じます。
時間がかかるけれどもBさんのご両親にも変化の時が来ると私は信じて見守っています。
それはもしかしたら10年20年先かもしれない。
お父さんお母さんではなくて身体も弱ったおじいちゃんおばあちゃんになってからかもしれない。
もしかしたら亡くなるときかも知れない。
 でももしBさんに気づきがなくて自分を生きる決意がなかったら、年取ったご両親に素直に優しく出来ないかもしれません。
そのときもまだ親に変わってほしいと思い続け、自分をちゃんと愛してくれなかった両親に怒っていたかもしれません。
ご両親が天に召される時もお父さんがお母さんのことを恨んだまんまだったかもしれません。

 
 自分が変わったらそのことで必ず相手もただちに変わってめでたしめでたし。
で終われたらどんなに良いか知れません。
しかし現実はそうでもないときもあるのです。
でもそれでもやってみる価値はあると私は思います。

アナタはどう思いますか?