リュウさんのこと

 私のお誕生日だったので夫とちょっと豪華な中華料理を食べに行きました。
そこではたくさんの中国人の方が働いていました。
その中で私たちのテーブルのサービスをしてくれたのがリュウさん(←これは仮名です)です。

 私だけだとそんな事はないのですが
何しろ夫は誰でも話しかけてしまうのでリュウさんにも
「出身はどこですかァ〜〜」とか
「おいくつですか〜〜」とか
いろんなことを聞くので
お料理が半分運ばれる頃にはすっかりどんな人だかわかってしまいました。

 リュウさんは留学生でそれも大変優秀な学生さんで
日本にきてまだ2年なのにとっても日本語が上手で、そう言って誉めると
「ボクの日本語はまだまだです。もっと勉強がいります。」というような謙虚な人で
“日本と中国の架け橋になりたい”という夢も持っていて
こうしてバイトをしながらそのために一所懸命学んでいるのでした。

 中華料理も美味しかったけど
私はなんだか誕生日という記念日に
こんなさわやかな若い人に会えてとてもうれしい気持ちでいっぱいになりました。

 人って自分の人生をしっかりと生きているだけで
こんなにも他の人に勇気をプレゼントできるもんなんですよね。。
 
 とりたてて何ということはないことかもしれませんが、
これだけのことで
「よし!私もガンバロウ!」
という気持ちが湧いてきました。

 そして、リュウさんが
日本でイヤな思いをしないように
「日本で勉強できて良かった」
「日本っていい国だった」
そう思って中国に帰っていけるようにと祈る思いがしたのでした。