金沢といえば何を思い浮かべますか? 兼六園ですか? それとも21世紀美術館?
私にとっては山下屋(詳しくは美味しんぼ遊人にて)って鉄板焼き屋なんですが、学生時代にかなり背伸びをしてステーキを食べに行ったお店。思い出ではなく、想い出に残っているお店でもあります。
ただ今回は、近江町市場に出向くことにしました。
通路とは呼べない様な通りの両側にカニ・カニ・カニを並べる店がズラリと並ぶ大阪の黒門市場をギュ〜ット濃縮したような活気ある市場。
「お兄さんお兄さん、甘エビ買わない? これ、2000円にしとくよ!」
「はぁ〜」と気のない返事をすれば
「じゃ、カニ2杯で10000円、どう?よっしゃ5000円! おまけに甘エビも付けるよ」
黙っているとどんどんと安くなっちゃう市場のようである。
お昼は、美味しい海鮮丼が食べれる井の弥へと足を運べば、一際長い行列が出来ていた。
「こんなん並んでたら夕飯になってしまうわ?」と、どこぞやのおばちゃんがこぼす。
諦めようとしたら、店から出てきたおっちゃんの「うはぁ〜本当に美味かったぁ〜」の一言に思わず最後尾に並んでしまった。
行列の中で1時間、テーブルに付いてからも20分ほど待って出てきた海鮮丼は、見るからにゴージャス。
箸を入れればこぼれ落ちそうになるネタのオンパレードが幸せな気持ちにさせてくれる。紛れもなく器の中には100%濃縮還元された日本海があった。
修学旅行と大学時代に次いで今回が3度目の兼六園。
当時は、「何だでっかい公園じゃないか」って軽く小バカにしていたと言うのに、30もオーバーしてしまえば「いやはや、これは立派な庭ですな〜。流石は日本三大名園
天晴れ」と唸ってしまうのだから不思議。
兼六園にも癒されてしまうお年頃なのです。
お仕事けっこう頑張ってるんだもん ^ ^ ゞ
兼六園を訪れてしまうと、金沢ではどうしたものか?
近江町市場で拝借した冊子を開いてみれば、片隅に記載されている古い町並み東茶屋町ってのが目に入った。
ノスタルジック好きな私にとって、旅先での古い町並みと言うキーワードには食指がひかれてしまう。
きっとそこにはカフェもあるに違いない。ちべたいコーシーを求め出向いてみることにした。
格子戸が並ぶメインストリートには、藍染屋さんや雰囲気の良いカフェが軒を並べ温故知新が漂っている。
そのなかでも素心ってネーミングのカフェにお邪魔してみる事にした。
ふんわり柔らかいコーヒーと木の香りが立ち込める感じの良いお店。
ありのままに・そのままに・・・。そんなこだわりから素心って付けられたんだろうか?
2F席に通されると、通りを歩く人の姿が格子ごしに垣間見え、なんともスローな時間を美味しいコーヒーと共に過ごせる、古き良き素の心が感じれとれるCafeであった。
東茶屋町の町並み
カフェを後にすれば、金沢通の知人から、「村上って和菓子屋さんの垣穂が美味しいよ」と教えてもらったのを思い出し、村上がある武家屋敷方面へと向かってみた。 古い家屋に長い土壁、当時の面影が色濃く残る佇まいを歩けば、カフェを併設する九谷焼窯元の鏑木商舗(画像中央)に行き着いてしまう。 焼き物には精通していないけれど、素人目でもそれらに触れていると落ち着くし楽しい。 陶磁器に癒され兼六園にも癒される。そして古い町並みをこよなく愛してしまっている私。ストレスが溜まっているのか、単にお爺ちゃん化してしまったのか?買ったばかりの湯飲みに問い掛けてしまう。 さて、土塀を抜けきったところにお目当ての村上はあった。 そして垣穂を発見、試食品をパクッ・・・ ![]() 柔らかいお餅の表面にまぶされたゴマの一粒一粒が口の中で絶妙なハーモニーをかもし出し、うぉ〜〜舌の上で転がるように溶けていく、こ・・・こ・・・これは美味いぞ〜〜。 な〜んてミスター味っ子っぽく喜んでいれば、舌の上に溶けていく・・・ん? ん?んんん? きな粉 ![]() 実はきな粉が大の苦手なんですね。 しかしながら、職場へのお土産として購入すれば、職場のおば様達からの好評を博しました。 流石は農林水産大臣のなんちゃら受賞の和菓子ですわ。 村上のすぐ傍には、思わずくぐりたくなるような暖簾を掲げる俵屋がありました。 お店の人曰く金沢で一番古い飴屋さんであり、JR東西日本のイメージポスターにも使われた事があるんだって! また飴の原料はお米と大麦のみでいっさい砂糖を使っていないらしい。 砂糖を使わずに甘みを出すとは、金沢の飴職人の知恵たるものは大したものである。 添加物なんて一切ダメダメダメ、子供にあげるおやつには体に良いナンチャラが一杯入ったビスケット、もちろん箱には赤ちゃんの写真がばっちし載ってある様なやつしか食べさせない超自然派思考の友人へのお土産として、じろ飴を一つ購入することにした。 おやつで思い出したんだけど、小学校時代の友人渡辺君は常にお米を空のマッチ箱に入れて携帯していた。公園でボリボリ、ファミコンをしながらもボリボリ。ボリボリしながら甘い甘いと言っていた。今思えば金沢職人が米から作り出す秘伝の甘みを渡辺君はいとも簡単に口の中で作り出していたのだ。 |
そんなトコロを走らせないでおくれよと半べそをかいていたWISHをよそに、砂浜を滑走する事ができる地理浜なぎさドライブウエイに寄り道してみる事にした。
Wishが心配するような事はなく、砂はがっちしと固められているので思いの外走りやすく、日本海の波しぶきと風がとっても心地良いアクティブドライブとなりました。
翌朝は朝一で有名な輪島へと足を運んでみた。
なんとも威勢の良い掛け声が飛び交うので、立ち止まろうともすれば元気の良いお婆ちゃんに捕まり「お魚こうて」と畳み掛けられてしまうから、もうたじたじ。
そんな中、買った魚を持ち込めば調理してくれるというお食事処 ままやに伺ってみた。
カウンターしかないお店ではあったけど、私達が座れば満席。
手際の良いお婆さんと怖ろしく手際の悪いお爺さんとで切り盛りしている。
お造りと焼き魚を注文。
そこにしかない味、そこでしかない味、元気に働かれている姿、ままやでの朝ごはんは忘れられない味になった。
そろそろ大阪に戻ろうかと思いきや、またまた近江町市場に戻って来ちゃいました。
というのも、しまった!!
ノドグロを食べていなかったからなんですね。
「どっちの料理ショウ」で知る事になったのですが、和名は赤ムツと言うのだが日本海側では喉の奥が黒い事からノドグロって呼ばれているらしい。
お財布具合も心細くなっていたので、近江町市場での人気の回り寿司屋さんにてノドグロを頂く事にしました。
とっても脂が乗っててとろりとしているので、ブリの様な食感を覚えるも、寒ブリよりも若干柔らかいかな〜って舌触り。
味に疎い私でさえ高級魚たる所以を知る事になりました。
日本海にご馳走様!
明日からはまたワンコインランチの生活ですわ(T^T)