- 中山道の宿場町 馬籠 -
人で賑わうGWのサービスエリア、ふと飛び込んできた飛騨高山の文字。
高山は私のお気に入りの町のひとつでもある。
ついつい覗きたくなるお店が立ち並ぶ古い町並み、ほうば味噌の香り、そして飛騨牛。
「そっちに行ってみようかな?」
今回もそんな感じで、行き当たりバッタリの旅!
まずは中央自動車道中津川ICでおりてそこから濁河温泉、そして飛騨高山を目指してみる事にした。
ICから約1時間、中山道の宿場町
馬籠へと寄り道する。
緩やかな石畳を上り始めた所に大きな水車が目に付き、パチパチと囲炉裏からは心地よい音が聞こえてくる。「あぁ〜何だか良いにおいがするなぁ」と近づくと、五平餅やお煎餅が焼ける香りが漂ってくる。かっこよく馬籠は江戸時代の香りを残す宿場町でした。な〜んて言ってみたい気もするんだけど、実際は五平餅の香りがする素朴な町並みなのでした。
また、島崎藤村の生まれ故郷でもあるらしいのですが、やばいですね、いくら文学史が苦手だからと言っても彼の作品が忘却の彼方へすっ飛んじゃってます。ひとつも思い起こす事が出来ないんですもん。故に島崎藤村館には興味を覚えずスルーしちゃいました。
旅先での楽しみの一つにCafe。
古い木造のおうちや、落ち着いた空間の中で頂けるコーヒーっていいよね。
ここでは、ほっこりとした雰囲気と小さなギャラリーを持つ茶房よもぎやさんで一息つくことにした。
−上高地 河童橋−
見上げれば抜けんばかりのピーカン、上高地は綺麗なんだろうなぁ〜。
標高1500メートルに向かうには多少ふざけた服装ではあるけれど、トレッキングしてみたい気がしないでもない。
岐阜と長野県の県境にある上高地ではマイカー規制を行っているため、平湯温泉って所から20分ほど乗り合いバスに揺られる事となる。また、車内アナウンスによると、大正池で下りて帰りは河童橋から乗るルートを推奨していた。なんでも逆ルートを取れば満員のため大正池からは乗車できないとの事らしい。
言われるとおり大正池にて降車すれば、噴煙を上げる雄大な焼岳の姿に立ち尽くし、噴火で出来た大正池では愛くるしいマガモが水浴びをしながら寄って来てくれた。
余りにも美しすぎる風景と澄み渡った空気、肺の中一杯に上高地を吸い込んでみた。

澄み切った大正池と穂高連峰

活火山でもある焼岳
少々肌寒いのを痩せ我慢しながらも、大勢のハイカー達に混じり河童橋までのトレッキングに出発する。
やっぱみんなリックを背負ってるし、ハイカー独特のチェック柄のシャツも羽織ってはるので、我ながらの姿に恥じらいを感じる。
ただ、トレッキングコースは綺麗に整備されている為とっても歩きやすい、途中見上げれば野生の猿が戯れ、傍を流れる小川に手を伸ばせば魚が手づかみできるんじゃないだろうか、そんな気にもなる。
さらに進むと、林間コースと梓川コースとの分岐点にでた。
林間と言えば林間学舎が思い出される!
生まれて初めてお化けらしきものを見たのも林間!
濡れ衣で叱られ、一晩中廊下で正座させられたのも林間!
お風呂で撮影された写真に僕のイチモツだけがバッチシ写っていたのも林間!
卒業式風に言えば、辛い思い出しか残っていない林間学校、りんかんがっこ〜♪
てな感じである。
それに引換え梓川と言えば、初恋の女の子の名前があずさchan。最近はめっきりロリコンになってきてしまったのか、山本梓がでてくれば思わずTVの前で凝視してしまっている、ここは迷うことなく
梓川コースを選ぶ事にした。
なんだ、この行は ^^

しばらくするとキラキラと川面が光る梓川にでた。
肌寒かったはずなのだが、気がつけば脇の下がじんわりと濡れてきている。
ここでしばらく小休止

上高地のシンボルともいえる河童橋に到着。
穂高連峰を望むこのアングルが絶景の撮影ポイントらしい、デジカメを覗きながら「なんでこんなにもたくさんの人が集ってくるんや、正直普通の吊橋やん」って思ったりもする。
しかし、河童橋の由来が芥川龍之介の「河童」からきているんだと近くにあったCafeで知ると「あぁ・・・そうだったんだ・・・それで〜」と納得。
河童は授業でやったので何となく覚えているけど、彼が書いた河童のイラストの方が鮮明に覚えている。社会批判的な内容に関しては理解出来なかったけれど、彼の河童はとても柔らかなタッチで描かれていた。きっと聡明で心の繊細な方だったんだろう・・・。故に社会の矛盾の存在から自分を追いやり結局は自らで自らを傷つける事になったしまったんだろうかと・・・。
芥川龍之介が描いた河童のイラスト こちらをクリック
- 飛騨高山 古い町並み -
さて、思い立ったら何とやらで出てきてしまった旅なので、そろそろ今夜のお宿を決めなければなりません。携帯から楽天トラベルに接続すれば、以前宿泊した事がある清潔で感じの良かった高山駅前のビジネスホテルに空室があり、すぐさま予約した。
チェックインを済ませば、夕刻の高山界隈を呑み屋さんを捜し求めるべくぶらり。古い町並みからは少し離れた所に看板も出さないある一軒に目が留まった。
暖簾には小さく本郷って書かれてあるんだけど一体何屋さんなのか皆目検討もつかず、思い切って引き戸を開けてみれば、すごい? BINGO!
古い家屋をBRAに改築したお店であったのだ。
二件目に見つけたかったなぁ〜とも思ったのだが、フードもかなり充実してるとの事で、こちらで夕食を済ませることにした。
大人の隠れ家的なこのお店は以前そろばん塾だったらしく、どことなく懐かしい雰囲気が漂い、また、私の話し相手になってくれた20代後半と思しきバーテンダーは、なんと19歳とのことで驚かされてしまった。
最近某自動車会社から内定を貰ったとの事で、ビールばかりを飲む私に高山の地酒を勧めながら、初々しく修学旅行で訪れた京都や大阪での思い出話を語ってくれる。気がつけばこのお店に5時間、私の細胞は肝臓だけではなくすっかり毛細血管の至るところまで高山の地酒に浸ってしまい、実はどうやってホテルに戻ったのかは覚えていません・・・。
ただ千鳥足での帰り道、誰の車かは知りませんが汚れた車のフロントガラスが無性に気になってしまいA型根性の私ははお気に入りのハンカチでセッセセッセと吹いてあげたのは覚えているのですが・・・。朝起きると手元にハンカチがありません・・・。
とにかく恐るべきは高山の地酒、旅の恥はかき捨てな〜んて言ってられる年でもありませんし、ホント反省ですわ。
本郷 高山市初田町1-43 あたりだったと思います。紺色の暖簾が目印です
翌日は予想通りの二日酔い、しかしながら早起きして朝一に出向いてみる事にした。
かぶらや野沢菜のお漬物、自分専用の七味唐辛子をブレンドしてくれるおばあちゃんの店で買い物を済ませば、定番の古い町並みへと足を運んでみた。
日曜日と言う事もあって大勢で賑わう通りはゆっくりとしか勧めず、以前訪れた際には気づく事が出来なかったお店にも目が留まる。そのうちの一軒飛騨牛にぎりの行列に並んでみた。
えび煎の上に可愛く二貫乗せてくれるのですが
味はう〜ん微妙でした・・・。(2貫500円)

冷凍ミカンを串に刺して売るお店も大繁盛でした!(1ヶ100円)
- 飛騨古川 -
高山から車で約20分、飛騨古川にも足を運んでみた。
NHK朝の連ドラ「さくら」の舞台となった町でもあり、ロケで使われた古い町並みが残っている。
また、瀬戸川で元気に泳ぐ色鮮やかな鯉と白壁のコントラストはとても美しく、飽きることを忘れていつまでも眺めていた。
私の意識を遠のかした飛騨の地酒【蓬莱】をはじめ、数多くの造り酒屋が残る町でもある飛騨古川。二日酔いの私にとっては、あたり一面漂う日本酒の香りに「ウェッ・・・気持ち悪い、もう日本酒はいらない、絶対に飲まない」と駄々っ子になり下がってしまう町。
今回は反省多き旅になってしまいました。
ほーむ