サルジゴク

食獣アサガオ科

福島県以北の本州と標高2,000m以上の山岳地帯。
おおきな壺状のもの(通称:サルトカシ壺)は葉が変形したもので、入り口の直径は約1m。大きなものでは3mを越えるものもある。
中に「焼たてのあられ」のような香ばしい匂いの消化液が入っており、ニホンザルやタヌキなどの中型のほ乳類をおびき寄せる。骨まで溶かしてしまう強力な消化液のために、別名「ホネマデキンチャク」とも呼ばれる。ただ、獣毛は消化することができずに内部に蓄積されてゆき、それがいっぱいになると枯れてしまう。山中でよく見かける獣毛のかたまりはサルジゴクが枯れたあとのものである。
根は食用。「地獄漬け」は根の部分を薄切りにして消化液と醤油で漬け込んだもの。味はおお味のダイコンといったところ。

(岡部)