君はなにも悪くない ... 映画のワン・シーン 『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』
1997年・アメリカ制作
よく出来た脚本+素晴らしい俳優陣...
観て良かったと思う好印象の映画
 またまた長期の休みがやってきた。仕方ない?のでGEOでDVDを物色。たまにはこういう映画も観てみよう、ということで今日ご紹介するのは『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』。
 天才が集うMIT(マサチューセッツ工科大学)で4年に一度優れた数学者に贈られるフィールズ賞受賞者であるジェラルド・ランボー教授。今日は学生達に代数的グラフ理論の難問を出す。その難問は廊下の黒板に書かれており誰でも回答できる。しかし翌日ジェラルドは黒板に正解が記入されているのを発見する。しかも調査した結果、回答したのは学生ではなく清掃員として雇われているバイトの青年だった...。
 ジェラルドはその青年、ウィル・ハンティングの才能に目をつけるが、彼は孤児で普段は似た境遇のチャック達とつるんで喧嘩沙汰を起こす、窃盗で捕まるなど数々の犯罪歴を持つ札付き。更生のためのカウンセリングを受けさせることを条件に引き取ったものの、連れてくる心理学者は誰も彼も異常に頭が良すぎるウィルの受け答えに閉口、途中で降りてしまう。手詰まりとなったジェラルドは学生時代の同級生で、今はコミュニティカレッジで心理学の講師をしているショーン・マクガイアに助けを求める。妻を亡くし傷心のマクガイアと成功したジェラルド... 二人はここまでいろいろとあって決して仲が良いわけではなかったがショーンは頼みを引き受けることにした。
 初日、さっそく妻を亡くして独身状態のショーンを口達者に攻撃するウィル。だがそれがショーンに大きなきっかけを与えることになる。パターンは違えども彼とウィルは心に傷を負っているという点で似たもの同士なのだ。自分を守るために口先で色々なことを言ってみるが、本当の自分は一切見せない... そんなウィルに徐々に切り込んでいくショーン。
 一方ウィルはハーバード大学の女子学生、スカイラーと知り合いになる。しかしここでも自分をさらけ出せないウィルは彼女の誘いを受けきれない。そして傷心の彼女はカリフォルニアに去ってしまい、ウィルもショーンを避けるようになってしまう。
 事態が進展しないのに業を煮やしたジェラルドはマクガイアに詰め寄る。そこへ突如現れたウィル。ウィルとショーンの最後のカウンセリングが始まる。ウィルは果たして心を開くことが出来るのか? そして同時にショーンもまた心を開き直すことが出来るのか???
 この映画は若きマット・デイモンがウィル・ハンティングを演じているのだが、何よりこの映画の脚本も彼が書いている点に注目である(チャラいアニキ分のチャックを演じるベン・アフレックとの共作)。演技もさることながらこの脚本で彼はアカデミー賞、ゴールデングローブ賞を受賞、以降の成功の礎を築いた。
 しかしながらやはりここはショーン・マクガイア演じるロビン・ウィリアムスであろう。コメディアンとして頭角を現した彼だが「ジュマンジ」のような映画でコミカルな演技をしたかと思えば、この作品のように本職顔負けの味わい深い演技も出来る素晴らしい俳優さんである(この映画の演技でアカデミー賞助演男優賞を受賞している。若くして亡くなってしまったのが惜しまれる)。
 もう一人印象深いのがジェラルド・ランボー教授役のステラン・スカルスガルド。スウェーデン出身で王立劇場の舞台俳優としても数々の舞台に立っている人らしい。しかし一方では「レッド・オクトーバーを追え!」でショーン・コネリーを追い詰めるロシア潜水艦艦長、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズではイカお化けの子分の海藻お化け、そしてほとんどホラーの「ディープ・ブルー」では遺伝子操作で自ら生み出したサメに無茶苦茶される科学者、と幅広いジャンルの映画で幅広い役柄をこなす。この映画でも最後は“実はいいヤツじゃないか!”と思わせてくれる渋い演技が印象的。
 そんなこんなでまあこうなるよな、という結末ではあるがよく出来た脚本+スカイラーを演じた女優ミニー・ドライヴァーも含め素晴らしい俳優陣のお陰でなかなか好印象の映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』。観て良かったと思いました。
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