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BOY&GIRL







     
逃げるように部屋に戻ったヒカルは改めて部屋を見回した。
 
普段のヒカルの部屋とそう変わりはない。
 
碁盤に碁石 本棚には棋譜に秀作の本がずらりとならんでる。
たぶんオレこっちでもプロなんだ。
 
机の上にはパソコンなんか置いてあってオレはパソコンなんか
使わないからこれは違うけど・・・。
 
そんな事を考えながらなにげなく洋服ダンスをあけたヒカルは
ぎょっとした。
 
あかりがいつも着てるようなワンピースやフリルのついたシャツ
がずらりと並んでいたからだ。
 
見てはいけないものをみてしまったようにヒカルは慌てて
タンスを閉めた。


なんでオレってこんな事になってるんだよ。
オレ特異体質なのか?
佐為の事にしろ。いや今回のことはそれ以上だって!!
 
ああ〜もうわかんねえ〜
 
叫びながらベットに倒れこみヒカルは頭を抱えこむ。

「それに母さんが言ってた事・・・
オレが塔矢の恋人・・・婚約者・・・だって?」

改めて口にするとその違和感に頭を大きく振った。
 
「困ったよ。マじ困ったって・・」


 
ヒカルが途方にくれていると玄関で母さんが誰かと話してる
声が聞こえた。
 
まさか塔矢・・・?
聞き耳を立てるが相手が誰かまではわからない。
 
そのうち階段を上がってくる足音がして。
ヒカルは塔矢がきた事を悟って慌てて手元にあった布団を
頭からかぶり体を
丸めて包まった。
 
 
足音が止みノックのあと扉が開いて、美津子が呆れたように言った。
 
「ヒカルあんたまだ寝てたのって、どうしたの?
頭から布団かぶって。」
 
「ごめん。かあさんオレ今日調子わりいみたいなんだ。
だから塔矢には母さんの方から・・。」
 
ヒカルの咄嗟の言い訳は最後まで言わせてもらえなかった。
 
「進藤調子悪いって?だから昨日上着を貸そうといったのに。」
 
布団の中でヒカルの心臓がドキンと大きく跳ね上がった。
この声は間違いなく・・・。
 
「おかあさん 申し訳ありませんがヒカルの部屋に
入ってもかまわないでしょうか?」
 
なんでお前がオレのお袋にかあさんなんていうんだよ。
だいたいヒカルって俺の事呼び捨てになんてするなよ。

もちろんヒカルの突っ込みは言葉にはならない。
 
「ええアキラくん、ゆっくりして行ってね。あとでコーヒーとケーキを
持って
くるから。」
 
「ありがとうございます。」
 
美津子と塔矢の会話を聞きながらヒカルは逃げ道が
ない事を悟ったのだった。
 
 
 
 

あはは・・・。
逃げ道がないのは私も同じ;さあてどういう風に次回もって行き
ましょうかね〜。
     





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