暗闇の中で 3





               
手探りで藤守自身に手を這わせると痛いぐらいぎゅっと藤守の指がオレの背に
食い込んだ

「藤守・・?」

オレが声をかけるとほっとしたのか指の力が緩む。
俺の顔が見えねえのが藤守には怖いんだと気づいて俺は励ますように
声を掛けた

「安心しろ。藤守を抱いてるのは俺だ。」

優しく頬をなでると、こくりと藤守が頷いた。

「ここもあいつらに触られたのか?」

あいつらの事を考えただけでも煮えくり返りそうだったが
オレはあえて聞いた。

一瞬呼吸を置いた後、藤守は顔を横に振った。

「わからない。オレ・・・途中で気を失ったから・・。」

「じゃあちゃんと調べねえとな。」

オレは体をずらして藤守自身を口に含んで舌でくちゅっと
先端を舐めた。


「あああ〜くぅちゃん!!だめ・・そんな風にしないで・・」



言葉で拒みながらも藤守はいつもよりずっと大胆に
腰を揺らしてる。

それが余計にオレを刺激して、
オレは獣のように藤守にしゃぶりついた。

暗くてみえねえこの状況が普段よりも俺を刺激してるみたいだった。

唾液を使って俺はもう一つの場所へと指を導くと
そこはすでにひくひくと反応していた。

藤守もこの状況でかなり来てるって事か?
それともあいつらの事を忘れたくてオレを求めてるのか?

指をゆっくりと入れると藤守が息をのんだのがわかった。

オレは狭くて乾いた入り口をゆっくり突き進みながらそこをかき回す。
そうして心配そうにしている藤守に声をかけた。


「藤守あいつらのはないみたいだぜ。」

「本当・・?」

「ああ。」

オレが力強くうなづくとようやく藤守も息をついた。

「よかった。」


オレはそんな事を気にしてないつもりでいたけど、やっぱほっとしていた。
だってこんなに藤守が安心するなんて。

つまりそれはこんな風にしていいのは俺だけってことだよな?
オレだから安心してるんだよな?

そう思うとオレはもう我慢出来なくなった。



「なあ藤守・・入れていい。オレもう限界。」

「な・・・なにいってんだよ。バカ!!」

藤守だって限界だろうに強がって。
けどそうやって強がる方がいつもの藤守らしい気がする。


「抱いてって最初に言ったのは藤守だったろ?」

オレが小声でいうと恥ずかしそうに藤守は顔を背向けた。

「バカ恥ずかしいことをい・・・うなっあ・・・ダメ・・」



藤守が最後まで言う前にオレは藤守の腰を高く持ち上げそれを押し付けていた。









モニタールームから暗視カメラで二人の一部始終を見ている男がいた。


「余裕なことだ。まあ今のうちにせいぜい逢瀬を楽しめばいい。」

にやりと冷笑を浮かべたこの男に芥は尋常ざるものを感じずにはいられなかった。

「覗き見とは随分悪趣味だな。」

「お前も新しい検体を待ち焦がれていたではないか。」

男に言われて芥は露骨に嫌な顔をした。
芥が検体を望んだのは、別の目的があってのことで、この男との意図したものとは違ってた。

芥は戸惑いながらもそれを口にした。

「それで・・・新しい検体が入ったらナンバー011の身柄を解放するという件はどうなった。」

「ああ〜そのことか。」

男はわざと勿体つけるように芥をじろじろ見た。
芥はいらいらして男を睨めつけた。

「反抗的だな。芥」

男は芥の額を掴むといかにも楽しげに持ち上げた。

「何を・・!!」

「綺麗な顔だ。さすが私の最高傑作だけのことはある。お前は・・。」


芥は口をふさがれた。
瞬間生ぬるい液体が男の唇から芥の口内へと注ぎこまれる。

抵抗しようとしたがくらっと立ちくらみのようなものがして芥は後ずさった。
ようやく唇を解放されたあと芥は唇をぬぐった。

「オレに何を飲ませた。」

芥の問いに男はただ笑った。

「何のことだ?」

丁度その時研究員の一人がモニタールームに飛び込んできた。

「相沢教授、芥教授大変です。ナンバー011の様子が急変して。」

相沢と呼ばれた男よりも芥の方がいち早く反応した。

「学がどうしたんだ?」

「それがいきなり変異して・・。薬の副作用かと・・」

芥は真っ青になった。
その場から駆け出そうとした芥を相沢が呼び止めた。

「まあ、待て。
まだ011を解放するわけにはいかない。
が・・お前に011の研究権限の全てをまかせよう。
まあ、しっかり可愛がってやるんだな。」

芥はそれには答えず部屋から飛び出した。

「学待ってろ。必ずオレがお前を元にもどしてやる!!」




相沢が空と直の部屋から芥の向かった部屋に
モニター画面を切り替えたのはその後まもなくの事だった。



                                    

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芥学までいきませんでした;