――強制しないと言いながら――

         法制後の「日の丸」「君が代」問題を検証する

                       岩畑 政行(本会会員)

報告要旨

―国旗、国歌法案―が、昨年8月施行され、ちょうど半年が経ちます。当初の政府見解表明は、「強制しない、義務化しない」というキャッチフレーズを大々的にアピールし、教育現場においても何も変わらないと繰り返し答弁していた。だが法制後における政府の教育現場その他における介入には目を見張る、耳を疑いたくたくなることが堰を切ったように現実化してきた。法案施行の1ヶ月前の7月に野中官房長官が「非強制を明言」したにもかかわらず、強制の輪が広がってきている。
 今回−強制しないと言いながら−というタイトルのもとで、教育現  場における国歌の強制の実態、法制化に伴う個人の思想・信条の自由侵害の問題、また新ガイドラインとあわせた法制化による日本の軍事大国化問題等、この半年間における実例をもとに検証したいと思います。
 我々にとって今一番大事な、尊重したい−内心の自由―について語りましょう。