報告要旨
 藤原信勝による講演の特徴は、トリックを多用した乱暴かつ粗雑な理論展開と巧妙な我田引水である。その意図は何か?誘導先はどこか?現在の政治体制との関係は何か?
 現在の歴史教科書を「自虐的」だと論ずる、そのトリックを明らかにし、中心的に語った"武士道精神"の賛美を批判する。軍国主義思想の源流としての"武士道精神"、すなわち「公(国家)のために自己を捨てる」精神の問題点とその危険性を考える。
 藤原信勝による講演が、主権在民、基本的人権、平和主義という憲法理念を切り崩そうとする昨今の政治情勢に連動する思想運動であることに注目する。