身の回り二酸化炭素(CO2)濃度

05/8/7

通常、ニュースなどで取り上げられる二酸化炭素濃度は、
地球上における平均的な二酸化炭素濃度です。
これは、地球規模での二酸化炭素濃度の増加を議論するためです。
そのため、我々の身の回りの二酸化炭素濃度と違っています。

しかし、地球温暖化などの気候変動を議論するのではなく、
人体への影響を考えるのならば、身の回りの二酸化炭素濃度を議論したいものです。
そこで、我々の身の回りの二酸化炭素濃度の測定資料を紹介します。

下の表は『地球温暖化とCO2の恐怖(さがら邦夫 著)』に載っていたものですが、
これ以外にも、あちこちで二酸化炭素濃度を測定されてますので
気になる方は一度ご覧ください。

測定日測定した場所CO2濃度(ppm)
1996/12/5東京・新宿の路上450
1996/12/6地下鉄「新宿3丁目」駅の改札口付近700
1996/12/9羽田空港内のエレベーター1350
1996/12/9首都高速道路(瞬間値)2800
1996/12/9閉め切った自動車内5000
1996/12/10映画館内1100
1996/12/12比較的すいた地下鉄車両内1500
1996/12/12かなり混んだ地下鉄車両内3800
1996/12/16神奈川県・相模湖(東京郊外)500
東京都内と郊外地区のCO2濃度

上の表から、非常に高い濃度の場所が存在することが分かります。
世界のCO2濃度の平均値は、ハワイのマウナロワ山(標高3397m)で観測された値を使用しており、
2000年観測されたCO2年平均濃度は369.4ppmでした。
東京・新宿の路上におけるCO2濃度がいかに高いかが分かると思います。

ここで、注意したいのが計測に関するルールです。
もしも、マウナロワ山で計測された値と比較したいのであれば、
マウナロワ山での計測に用いた計測器と同じ計測器で、
同じようにサンプリングをして値を算出しなければなりません。
上の表は「携帯式の二酸化炭素濃度測定器」を用いて測定されたもので、
マウナロワ山での測定とは明らかに違うので、直接は比較できません。

では、上の表から何を読み取って欲しいのか。
我々の生活空間におけるCO2濃度を知って欲しいのです。

東京・新宿の路上とは、屋外の事だと考えてください。
それを基準に考えると、それぞれの場所のCO2濃度は、
地下鉄の駅改札口付近で1.5倍、映画館内で2.4倍、
比較的すいた地下鉄車両内で3.3倍、かなり混んだ地下鉄車両内で8.4倍、
閉め切った自動車内においては11倍にもなるわけです。

また、5000ppm(0.5%)は労働衛生上の許容限度とされており、
CO2の毒性を視野に入れなくてはならない濃度です。

このように、我々を取り巻くCO2濃度は非常に高いものです。
特に、閉じられた空間(車内、館内など)で生活する時間が長い人は、
換気に気を使って欲しいものです。

       



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