二酸化炭素(CO2)濃度

05/1/16

大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が増加することによって起こる地球温暖化。
この地球温暖化は年々深刻化しています。
しかし現代社会の流れは、
二酸化炭素濃度の増加を防ぐどころか、どんどん加速しています。

下のグラフを見てください。



これは、ハワイのマウナロア島で観測された二酸化炭素の濃度をグラフにしたものです。
右肩上がりのグラフになっています。
つまり、二酸化炭素濃度は年々増加しているのです。

どの程度増加したか?
1960年は316.9ppmだった二酸化炭素が、
2000年には369.4ppmになっています。
つまり、52.5ppmの増加です。

ppm とは、100万分の1を意味し、
52.5ppm は 0.00525% ということになります。
非常に小さい値のため、大して問題にならないかというと
そうではありません。
1960年の二酸化炭素濃度に比べ、どの程度増加したかというと、
約17%(=52.5÷316.9×100)増加したことになります。

これら二酸化炭素の増加の原因は化石燃料の消費によるものです。
ガソリンを燃やして走る車も、石炭や石油を燃やして得る電力も
使えば二酸化炭素の増加を招くのです。
また、皆さんの周りで出るゴミを燃やしても二酸化炭素は出ます。
ここで意識しておきたいのが、酸素です。

二酸化炭素は炭素と酸素が結合したものですので、
二酸化炭素の増加は、酸素の減少を意味するのです。
しかし、大気中の酸素濃度は約20%であり、
二酸化炭素が0.00525%増加(酸素が0.00525%減少)しても
さほど問題とはならないのです。

と、ここまでは地球規模の話。
ここからは私たちのいる生活環境の話をしましょう。

ハワイのマウナロア島など二酸化炭素の濃度を測定している場所は、
人間社会が排出する二酸化炭素の影響を直接受ける事が少ない地域です。
しかし、我々の生活しているのは人間社会ですので、
人間社会が排出する二酸化炭素の影響を直接受けることになります。
つまり、酸素の減少による影響が出る可能性があるのです。

冬場は学校の教室も締め切ったままで、
教室の二酸化炭素濃度が上がり、学生の思考能力が低下するといわれています。
酸素が頭の働きを良くすることは科学的にも証明されていますが、
人間社会が排出する二酸化炭素が頭の働きを鈍らせるとは言いません。
しかし、最近よく耳にする子供たちの学力低下などは
我々の生活環境における二酸化炭素濃度増加が影響している可能性があるのです。

これを実証するためには、
ある地区における二酸化炭素濃度の経年変化と
子供たちの学力の経年変化を観察する必要があります。
今さら過去のデータを取る事はできないので、
実証は非常に困難でしょう。

しかし、一つだけ断言できるのは
時代とともに我々の生活環境は変わった。
それ故、そこで生活する者も変わった。
好む、好まざるを問わず・・・

ということです。

       



home