2023ニセコバックカントリースキー20231222324日)

 ニセコでのバックカントリースキーは昨年に続き、2度目となる。今回は、このはな山の会のKさんと二人、そのさんのお友達のMさんご夫婦の友達のSさんと一緒に羊蹄山を滑ることになった。庵ガイドから難しい山と聞いていたので、少し不安な気持ちではあったが、せっかくのお誘いだったので、滑りに行くことにした。Sさんは、羊蹄山の麓に、20年前に自分でログハウスを組み立て、ずっと暮らしているとのこと。倶知安とは羊蹄山の真反対側の真狩、前日にホテルまで迎えにきていただき、その夜はSさんのお宅に泊めていただいた、翌朝、Mさん夫婦も車で合流し、真狩の給水タンクに一台をデポし、真狩登山口からハイクアップした。最初はまっすぐな林道、緩やかな森の中を進んだ。1時間ほどで夏道から離れ尾根に取りつき、傾斜が少しきつくなったが、尾根に上がるとまた緩やかになった。
 Sさんは「標高1000mあたりが急になり厳しい、1200mまで登りましょう」と、標高が高くなってくると尾根上は風があたり、雪面が凍っているところも、傾斜もあり、滑る、今回は厳冬期のニセコなのでクトー(スキーにつけるアイゼン)を持って来なかった。山を甘くみていた、1月でも風の当たる尾根は凍って硬い、クトーなしではすべる、初めての山で先もわからず、風も強く視界もあまりきかない、こんな急な硬いバーンは滑れる自信もなく、思わず、先にどんどん登るSさんの名前を叫ぶと、板を外して、つぼ足で自分たちのところまで降りてきてくれて、すべるようなら板外した方が登りやすいかも」とアドバイスをしてくれた。「もう降りたい」という泣きを入れたかったが、初対面なのではっきり言えずにいると、「もう少し登ってみましょう。1000mを超えると1200まで登らないと雪庇が出ていて滑れない」と言われ、あとから追いついてきたMさんにも「もう少しだから」と後押しされて、再び、登りはじめる。カニ登りに近いかたちで滑りやすい硬いところを登ると、柔らかい雪面に出る。また、硬い雪面と、繰り返してしばらく登ると、Sさんが「ここから、雪庇を切って、滑るバーンに出ましょう」と言われ、ほっとした。50センチくらいの雪庇を切り、トラバースをすると、少し開けた灌木帯の雪面に出た。登りはじめから4時間、標高差900mを登った。そこから滑走となる。視界が一瞬、開けるが、滑走準備に自分が手間取っているとまたガスの中に、Sさんは「もう少し待ちましょう」と、するとまた視界が少しよくなり、滑走スタート、雪はいい感じのパウダー、風の当たる尾根に上がるとテールが少し硬い面にあたる、そういうところを避けてうまく滑ると最高のパウダーだった。しかし、バックカントリーはシーズン初日で、パウダーお楽しむ滑走までの余裕ななく、兎に角、Sさん、Kさんを追いかけて滑った、姿勢が悪いためか、足がパンパンにパンプしてくる。この日は、滑走では一度も転ぶことなく降りてこられたので、よしとしようと思った。羊蹄山の原生林の中の静かな登り、風のあたる急な尾根の登り、長いパウダーの滑走ができた、こんな素晴らしい経験をさせていただいMさん夫婦、Sさんに深く感謝した1日だった。
 バックカントリー2日目、天気予報はあまりよくない、降雪が続きそうだった。昨年もお世話になったH2Oの庵ガイドに、前日に「羊蹄山を登って、滑ったので、疲れが残っているので、厳しい登りがなく、かつ、長いバーンをゆっくり滑りたい」といリクエストを電話でしていた。そんな無理な注文に庵ガイドは、「人が少なく、ゆっくり滑れるところに案内します」と、ニセコ連峰の西の端、日本海に近い雷電山エリアにむかった。車で1時間以上走った。除雪された林道の突き当りに車を止め、そこから雪に埋もれた林道をしばらく歩く、緩やかな尾根を登っていく、1パーティが先行していたので、ラッセルはなかったが、トレースが少し変な感じで、所々、ガイドがラッセルしてトレースを引き直す。静かな原生林の中を登る、いい山だ。尾根は徐々に高度を上げ、真近いピークの下に三角形に開けた斜面がみえた。庵ガイド「あそこから滑ります」と、結構、急な斜面で上手く滑れるか不安になる。
 標高900m、尾根のピーク下にトラバースして、滑走開始ポイントに出る。天気は予報に反し、終始穏やかで、ゆっくりと支度ができた。先行パーティーのラインをはずし、やや尾根の腹をトラバース気味に滑り出し、急な斜面を通過し、谷底へドロップする。雪はパウダー、斜面も急からず緩からずの絶好のバーンだった。しかも、長くバーンが続き、新雪を楽しむことができた。谷底で傾斜が緩くなったことで休憩し、軽いランチタイム、滑走していたバーンを見上げることができた。
 そこからは、尾根に戻るように、トラバース気味に滑る、登り返しもなく、登ってきたトレースに出た。あとはブナの森の緩やかな斜面を滑り、車に戻ることができた。
 バックカントリー3日目、きょうも天気はよくない、降雪が続き、風もありそうなので、予定通り、他のお客さん3人と一緒に、ニセコモイワスキー場に連れて行ってもらう。リフトが2本しかないスキー場だが、賑わっていた。しかも、スキーヤーの9割はバックカントリースキーの装備なのか、リックを背負っている。さらに、95%は外国人!このスキー場は、整地されたスキー場のバーンを滑るのではなく、リフトで上がったあとに、そのサイドのバックカントリーエリアを滑走し、また、リフト下に戻って来れるスキー場なので、バックカントリースキーヤーには大人気で、外国人にも知られているようだ、前日の降雪のためか、バックカントリーエリアにゲートが閉まっていたが、ガイドの案内で立ち入り禁止エリアを避けながら、パウダーを楽しむことができた。3本滑り、足がパンパンに、レストランで早めに昼食をとることにした。レストランも外国人ばかり、注文した料理が出来上がったことを知らせる番号札も英語でアナウンスされている。まるで海外にスキーに来ているような錯覚をする。最後にゲレンデを1本滑り、終了した。
 最終日は、風雪が強い予報だったが、一人でニセコヒラフのゲレンデを滑った。上部はガスで視界がなく、中腹から下を6本ほど滑る。昼に予定通りにバスで帰り支度をしていると、Kさんがやってきて「やっとみつけた、帰りの便が機材の関係で欠航になった。どうしょう?」と、寒さのためか携帯が本当にフリーズしていたので連絡が取れていなかった。仕方ないので、予定通りに直通バスで新千歳空港に戻り、そこからJRで札幌に戻り、延泊を楽しむことになってしまった。ぼたん海老の美味しさが忘れられない思い出に加わった。

122日 羊蹄山 真狩登山口 標高3009:00-標高122013:00-滑走ー車デポ地点 14:00
123日 ニセコ連峰雷電山エリア 標高150m 10:00―標高900m尾根ピーク 12:30-滑走―車駐車地点13:30
1月24日 ニセコモイワスキー場 サイドカントリー

山の記録 ホームページトップに戻