常念岳(2857m)大天井岳(2922m)2022年9月14日から19日

 百名山、最後の1座の常念岳に登りに行った。やはり表銀座の縦走登山で登ることにした。コロナ禍でどこの山小屋も予約制で厳しい、蝶が岳ヒュッテは1ヵ月前のインターネット予約で午前0時からの受付だったが、朝から予約しようとしたらもう一杯だった。結果的には、中房温泉から入山し、燕山荘、常念小屋、横尾山荘、上高地までの3泊4日の縦走計画となった。
 ここ2年、膝や肩の痛みに悩まされ、長期登山、8時間を超えるロングランは避けてきたので、少し不安もあったが、今年の夏は、暑寒別岳、岩菅山と登ってきた、2週連続で六甲にも行き、準備はしてきた。今回は、4日間の縦走を軽量化するために小屋泊まりとした。その甲斐あって、3大急登と言われる合戦尾根も快調に登れた。合戦小屋では名物のスイカを堪能した、10数年前にこどもを連れてきたときにこどもが喜んでいたのを思い出した。
 合戦尾根は、樹林帯の中で、だんだんと植生も変わっていくので、思っていたより楽しく登れた。合戦小屋からは、森林限界を越え、低木とハイマツの尾根となった。遠くに燕山荘もみるとことができた。コースタイムで何とか燕山荘に着くことができた。燕岳は以前、こどもと登っているので、明日以降の縦走に体力を温存するためと、生ビールが飲みたく、槍、北鎌尾根をみながら贅沢な昼飲みとなった。
 小屋は、コロナ感染対策で定員制限されていたのでゆったりとしていた。しかし、食事時はアルコール提供はなしで少し寂しかった。燕山荘の朝は素晴らしい、小屋前から日の出がみられる、日の出前の蒼い空が徐々にピンク色にグラデーションをみせながら、変化していく空は綺麗だった。






 2日目は、大天井岳まで3時間、そこから常念小屋まで3時間の縦走だった。大下りまでは、若干のアップダウンはあったが、槍、北鎌尾根がだんだんと近づく景色を楽しみながらの縦走は楽しかった。東鎌への分岐からはトラバース気味に最後の登りは少しつらかったが、40分ほどで大天荘前に飛び出た。軽く行動食を食べて、空身で大天井岳の山頂まで往復した。200名山、143座目、とても展望がよく、西岳から東鎌、槍、穂高、そして、明日、登る常念岳に続く稜線がみえた。
 大天荘から東大天井岳、横通岳まではアップダウンも少なく快適に進む、横通岳へのコルで後ろから抜いてきた方が、「山頂への道はどこですかね」と尋ねてきたが、地図上では道がなかったので、「ないのでは」と答え、休憩していた。するとその登山者は、ちょっと先のケルンから山頂に登りだした。そして、山頂から下山してくる登山者がいたので、「山頂への道はどうですか?」と聞いたら、「しっかりついてますよ」とのことだったので、時間も早かったので、予定外だったが自分も横通岳山頂をめざした。
 コルから少し進んだケルンから踏み跡が分岐していた。ザレた斜面をジグザクに登ると10分もかからずに山頂に出たと思ったら、標高差はないものの随分先に山頂があった。先に行った人など数人の姿はみえた。そこから先は道がわかりにくいところもあったが、2720mの横通岳の山頂に立つことができた。正面には明日登る常念岳が大きく聳えている。眼下には常念小屋、後ろを振り返ると東大天井岳から大天井岳、遠くに朝出発した燕山荘がみえた。表銀座縦走路だ。そして、槍から穂高の大パノラマが・・・地図上では山頂への道がないが、いい山に登れたことを超えかけてくれた登山者にお礼を言った。話好きの方で、群馬から来て一ノ俣から日帰りで東大天井岳まで行って帰るところと、そう話しをしていると横の女性は「私も日帰りで常念岳登り、ついでにこっちも登った」と、最近はトレイルランをする人が増えている。羨ましい体力だ。自分は4日間の縦走すら不安の中で山行しているのに・・・
 山頂での会話を楽しみ、大パノラマを満喫し、眼下の常念小屋に下っていった。山頂からの道は明瞭だった。ところが小屋はみえているのに、なかなか着かない、北アルプスではよくあること、スケールが大きく、森林限界を超えているので見通しがよいので、遠くまで見えてしまうためか、それでも40分ほど下り、午後1時前には常念小屋に到着した。受付をすると一番手前部屋に案内された。12人くらいが雑魚寝できる部屋だったが、隣の人とは仕切りが取り付けられていた。さっそく小屋のデッキで、槍穂の連山をみながら昼飲みを楽しんだ。夕飯はやはりアルコール持ち込み禁止だった。
 縦走3日目、朝、4時過ぎから小屋はご来光を見ようとする登山者でざわざわとし始めた。自分は昨日、燕山荘で堪能したのでゆっくりと支度をして、5時からの朝食の列に並んだ。きょうはこの縦走で一番の長丁場で蝶が岳近くまでアップダウンのある稜線を縦走し、そこから横尾まで標高1000mを一気に下る、膝が持つか、不安だった。540分には小屋を出発した。常念岳を目指す人が続く、ただザックの大きさはまちまちで空身の人、小さいザックの人、テント泊の縦走なのか、大きなザックの人、ペースもバラバラだ、自分も1時間で厳しそうだったので、途中で1回休憩し、6時前には山頂に立つことができた。百名山達成だ、山頂は意外に小さく写真を交代でしか撮れない、前に撮った人に記念にシャッターを押してもらった。「百名山達成しました」と言ったら、「おめでとうございます」と声をかけてもらった。それでも一段降りないと座ることもできなのですぐに一段降りた。きょうも好天で、槍、穂高の絶景がみえている。これから歩く縦走路は、常念の下りの稜線は岩稜で細い、小さなアップダウンもありそうで、予想通り時間も体力も取られそうだ、最鞍部からは結構な登りが続く、ピークも地図上でも4つは超えなければならない、そして、蝶槍は高い、登りが続きそうな後半、そして、そこからはなだらかな稜線が蝶が岳ヒュッテまで続いていた。
 山頂から急峻な岩稜を下る、膝が少し痛みスピードが出ない、あとから来たテント泊らしい女性に抜かれてしまった。その女性が強いのか、自分が弱くなり過ぎたのか?結構、岩がごつごつと露出していて歩きにくい、下りの割には時間がかった。最鞍部と思われるところで休憩、ここから小ピークを越えながら徐々に標高を上げていく、ここから急に樹林帯に入る、しかも、灌木は黄色くなりはじめている。山は確実に秋に向かっているのだ。大パノラマから一転して、針葉樹林、低木の灌木の間を登っていく、景色が変わり、気分も変わる。思ったより苦労せずに、2520mのピークにたどりつけた。あとは目の前に聳える蝶槍の急斜面を登りきれば、今回の縦走の登りが終わる。その前に、急な下り、いつも思うことだが「せっかく登ったのにもったいない。橋でもあれば・・・」、これが縦走登山と思い腹をくくる、すると思ってみない池に飛び出た、「紅葉した樹林にかこまれた池が稜線上にあるとは・・・」思ってもいない景色に少し元気がでたが、まだ下りが続いた、やっと登りになる、じっくりと急登に向き合う。樹林帯を抜けて、振り返ると2520mピークよりは登り返してきた。遠くに常念岳がみえる、あの稜線を3時間足らずで歩いてきたことに感動する。一息入れて、景色を眺め、水分補給した。最後の登りを頑張り、やっと蝶槍のピークがみえた、遠くからも槍先のようにみえたピークはやはり尖っていた。岩によじ登り、やっと蝶槍にたった。その先には広くなだらかな稜線が蝶か岳ヒュッテまで続いていた。
 3日間の縦走もここまで、横尾山荘への1000mの下り道の分岐まではなだらかな下り、すぐに分岐着いた、常念小屋から4時間ちょっとでコースタイム通りにこられた。下り道は地図上ではかなり急な斜面と考えていたが、ジグザク道で、急な斜面でも歩きやすい、しかも、よく整備されていて平にならしてあった。ありがたいことだ。ひたすら下るが、標高差1000mは長い、休憩をとりながらも足にも膝にも負担がきつい、思っていた通りペースダウンしてきた。山荘の少し手前の槍見台から槍が岳が最後にみることができた。休憩をとりながら、午後1時過ぎには横尾山荘に着いた。受付は2時からので小屋前のベンチで缶ビールを飲みながら縦走をやり終えた充実感に浸った。台風の影響か、雨が降り出したので小屋に入り、昼寝を楽しむ、午後4時からは石鹸は使えないものの4日ぶりにお風呂にも入ることができた。横尾山荘では夕食時にゆっくりとアルコールを楽しむこともできて、ほっとした。
 4日目、天気予報は昼から雨だったので、5時30分に朝食、6時20分には上高地をめざして出発した。フラットな林道を3時間、新村橋、徳沢園、明神まで来るときり雨が降り出し、折り畳み傘を出して、上高地まで歩いた、河童橋までくると雨がやみ、岳沢に雲がかかっていたが、少し西穂、奥穂の方もみるとことができた。予定通り9時30分発バスでの平湯温泉行に乗り、平湯の森で4日間の汗を流した。11時30分発のバスで高山駅に、お寿司とステーキセットの豪華ランチで3泊4日の表銀座縦走をしめた。
 
昼からは高山本陣、古い町並み、酒蔵山車で試飲、高山屋台会館などをみてまわり、ゲストハウスとまるで世話になり、バーCingで高山の夜を楽しんだ。翌朝は台風接近で交通機関が乱れるということで朝一番で大阪に向かった(午後から新幹線、在来線が止まった)

9月14日 梅田阪急バス停21:40-松本駅6:20 7:16―穂高駅7:46 8:25―中房温泉9:20
9月15日 中房温泉9:22→合戦小屋12:00→燕山荘13:20  4:004:10
9月16日 燕山荘6:18→大天荘9:00→大天井岳→大天荘9:30→横通岳12:10→常念小屋   13:00  6:405:30
9月17日 常念小屋5:40→常念岳7:05→蝶槍11:30→横尾山荘13:15  7:356:20
9月18日 横尾山荘6:20→徳沢園→明神→上高地9:20   3:003:0
上高地9:30-平湯温泉9:55 11:30-高山12:30 高山市 ゲストハウスとまる
9月19日 帰阪


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